郵政民営化法案にあくまで反対し、抵抗する自民党議員は、速やかに離党すべきだ

2005年07月04日 17時25分17秒 | 政治
郵政法案、衆院特別委で可決へ…最終局面の攻防 (読売新聞) - goo ニュース

 自民党執行部は、郵政民営化関連法案の衆議院通過を目指して、「反対派」の切り崩しを精力的に行っている。東京都議会議員選挙への影響を憂慮する公明党に対する配慮から、衆議院郵政民営化特別委員会や本会議での法案の採決を都議会選挙の後に回した。
 衆議院本会議で否決された場合、小泉首相が、衆議院の解散・総選挙に踏み切る覚悟を決めているといわれている。際どい国会運営ともいえる。
 このため、国会日程上、差し迫った状況のなかで、自民党内の反対派の切り崩しが成功するか否かに国民の多くが注目している。
 衆議院議員の立場から言えば、「解散・総選挙」を望む人は少ないだろう。選挙の度に「3分の1」が入れ替わるといわれているだけに、「クビ」がつながるか、切って落とされるかは、最大の心配事である。
 しかし、国民の立場からすれば、郵政民営化関連法案について、国民に対して賛否を問うのは民主主義上、この際必要ではないか。「民意」を確かめた上で、改めて国会で採決しても遅くはない。
 というのは、、江戸時代に基礎がつくられた日本の「保守基盤」の上に郵便局が成り立ってきたからである。いわば「封建体制の残滓」ともいえる。
 郵便制度の祖といわれる前島密・初代逓信相が明治時代に、郵便制度を全国津々浦々に敷くに当たって、江戸時代から続いてきた名主・庄屋という豪農の持つ「土地や屋敷」、あるいは、各地域における「信用度の高さ」を活用して、「公務員」の身分を付与して、その上に郵便制度を築き、郵便局を依頼した。いわば名主・庄屋の私有財産を暫定的に利用して、国家機関としての郵便局を配置したという経緯があるので、その身分が世襲化されたのは、当然だったともいえる。
 国民のなかには、「公務員が世襲というのはおかしい」と批判する向きが多いのは、この経緯をよく知らない国民が少なくないからである。
 小泉首相がライフワークとしている「郵政民営化」は、こうした封建体制からの「訣別」を図る意味を含んでいる。小泉首相の思想の根底には、「日本が資本主義社会である以上、郵便局もこの資本の論理に任せればよい」という考え方がある。これは、明治時代から「暫定的に国営化していた郵便局」を、資本主義本来の「民営」の原則に立ち、「郵便局を民営化」しようということである。
 日本が明治維新をキッカケに資本主義社会に入った当初、たとえば鉄鋼産業も「国営」によって始められ、後に民間に払下げして、今日のような「新日本製鉄」のような民間企業として発展してきている。国鉄は昭和60年代になって、やっと中曽根首相の下で、民営化され「JR」となり、続いて、電電公社が民営化され、「NTT」という大企業に変貌している。郵政民営化もこうした流れの先端部分でおきていることである。とくに「郵便局」は、「封建体制の残滓」からの訣別が強く求められているのである。だからこそ、「郵政公社」という「準国有状態」からも逸早く脱却しなければならないのである。
 自民党の反対派、民社党の「廃案派」のどちらも、結果として、「封建体制の残滓」と「日本資本主義社会の暫定措置」をこのまま温存しようという抵抗勢力であるとも言えるだろう。
 民営化により、国家管轄から解放される特定郵便局長もそこで働いている「郵政労働者」である「下級公務員」も、「身分の変化」を恐れて「民営化」に反対しており、この結果、使う側、使われる側が奇しくも「利害」が一致しているように見える。
 しかし、我が国の「政治制度」と「経済制度」の基本をいま一度確認しておかなければならない。それは、「自由民主主義体制」と「資本主義体制」ということである。この当たり前のことがわかれば、「郵政民営化」は、もはや歴史の必然として避けては通れないのである。時間を江戸時代に逆戻ししたり、あるいは、「社会主義体制」や「共産主義体制」のような官僚社会主義の権化のような現在の「郵政」の存続は、認められない。
 自民党の反対派は、あくまでも小泉首相の公約に反し、かつ執行部の方針に反対して抵抗するのであれば、速やかに自民党を離党すべきである。
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