関東大震災は絶対に起きるとの予感がするなかで、自分の身は自分でしか守れないことを自覚しよう

2005年07月24日 22時38分02秒 | 社会
東京・足立区で震度5強 1都3県で27人けが (朝日新聞) - goo ニュース
 
 「関東大震災は、必ず起こる」
 このことを思い知らせてくれたのが、23日午後4時ごろ発生した千葉県北西部を震源とする地震である。東京都区部で「震度5強」、東京、埼玉、千葉、神奈川で「震度5弱」だった。
 さいたま市内で地震を受けたが、このとき「いよいよ来たな」という感じで、案外に冷静に受け止めることができた。昨年10月23日の中越大地震のときの揺れの方が大きく、余震が続いたので、怖かったくらいである。
 関東大震災が大正12年(1923)9月1日に発生して、もう「82年」の時を経ようとしており、「もうそろそろ関東大震災が起きてもおかしくない」と巷で盛んに喧伝されていることもあり、心構えだけはできている。
 本当に起きたら都内だけでも何十万人もの人が死ぬと予測されており、「この員数のなかには入りたくない」と願いつつも、その危険が皆無ではないと考えると、やはり他人事では済まされず、どうしても真剣にならざるを得ない。
 幹線鉄道がストップして、都内の各駅は、足止めされた乗降客でごった返した。それにしても、今回の地震が、「土曜日」に起きたのは、何よりの幸いであった。帰宅客がドッと各駅を利用する「夕方のラッシュアワー」だったら、もっと大混乱したに違いない。
 高層、中層ビルでは、エレベーターがストップして、閉じ込められた人も少なくなかった。これらの現象から、大都会・東京がいかに脆い都市であるかが、改めて実証された。
 東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県を移り住んだ極限られた経験からではあるが、どこら辺りが危ないかは、大体予測がつく。
 東京都の葛飾区や江戸川区辺りの地下深くに「震源地」があると言われており、直下型の大地震が起きると、ひとたまりもないだろう。もう30数年も前になるけれど、地下鉄東西線の車中から窓の外を眺めていて、ゾッとしたことがある。海辺に近い、湿地帯で行われている高層マンション建設の風景に漠然と見惚れていて、地盤がいかに弱いかを見せつけられた。更地に打ち込まれるパイルが、ズブ、ズブと地中に入っていく。1つの場所に1本では危ないと思われたのか、3本くらいを束にして打ち込んでいるような感じを受けた。おそらく、この辺りは、大被害を被るに違いない。
 政府は、関東大震災の発生を予見して、「首都機能移転計画」に熱心に取り組んでいた時期があるが、いまは、すっかり忘れられているような感じがする。東京都の石原慎太郎知事は就任以来、首都機能を地方に移転されては東京が衰退するという危惧から、「首都機能移転反対」の運動を展開してきている。だが、こんな悠長な考えでいいのか改めて疑問が沸いてくる。
 のんびりしているのは、石原知事ばかりでない。小泉首相は、郵政民営化関連法案を参議院本会議でいかに成立させるかに、頭がいっぱいのようである。「震度5強」の地震が発生した場合、直ぐに「対策室」を立ち上げなくてはならないことになっているのに、これが大幅に遅れたようである。政治家たちは、大地震よりも、いまは郵便局の命運の方が大事らしい。
 最近、東京駅周辺や汐留などで高層ビル、高層ホテルなどが競って建設されている。耐震性に十分配慮し、しっかり計算して建設されているというけれど、本当に大丈夫だろうか。
 さいたま市では、JR大宮駅隣接の新都心一帯や浦和駅や武蔵浦和駅などで、高層マンションが建設ラッシュ状態にある。建設されていく姿を見るにつけ、「大地震が起きたら、どうなるのだろうか」と他人事ながら、心配になる。もしもビルが倒壊でもしたら、こちらも被害を受けないわけにはいかないからでもある。
 3年くらい前になるが、ある金融機関のシンクタンクの研究員の方が、こう言っていたのが思い出される。
 「これからいつ大地震がきても大丈夫なように、決して高層マンションに住んではいけない。むしろ、中古でもいいから、一戸建てを買うことを勧める」
 外資系の不動産投資信託会社の営業マンが、もっと恐ろしいことを言っていた。
 「外資系が東京都内の一等地をどんどん買い占めては、高層ビルを建てるのは、関東大震災の発生を予測しているからだ。地震で高層ビルが倒壊したら、二度儲けられると計算している」
 どうも、日本人は、外資系の不動産投資信託会社などの投資家に「カモ」にされているようである。
 大震災が、確実に近づいてきているとの予感がする以上、それなりの対策を講じておくべきであるが、それがいつ何時にくるかが正確にわからないのが、不幸であり、幸福でもある。
 「震災は、忘れたころにやってくる」
 最終的には、自分の身は自分で守るしか手はない。身勝手ながら、何はともあれ、自分だけは絶対に助かることを願いつつこの言葉を忘れないようにしたい。

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