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最凶のがん「すい臓がん」の5年生存率が通常の倍以上!>富山大学「膵臓・胆道センター」の治療がすごい

2025年02月10日 22時03分57秒 | 医療のこと

【最凶のがん「すい臓がん」の5年生存率が通常の倍以上!】富山大学「膵臓・胆道センター」の治療がすごい


12/23(金) 6:03配信2022
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 とびぬけて生存率が低いすい臓がん。この強敵に立ち向かうためには、最高の技術と心から信頼できる相棒が必要だ。いま北陸の病院で2人の名医が中心になって、「奇跡の快進撃」が起きている。 


「最も悪いがん」への挑戦

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 「がんは過去の病になりつつある」 

ロボット手術の進歩や、免疫療法の登場などで、がんの治療は大きく進歩しており、そのような期待が高まっている。 

 たしかに、早期発見できたがんの生存率はかなり高い。胃がんや大腸がんの場合、ステージ1の5年生存率は90%を超えており、もはや死に直結する病とはいえなくなってきた。  


だが、いまだ恐れられる種類のがんもある。その代表が、すい臓がんだ。  九重親方、十代目・坂東三津五郎、星野仙一、スティーブ・ジョブズなど、すい臓がんに倒れた有名人は多い。日本テレビのアナウンサー、菅谷大介氏(51歳)は今年8月、自身がすい臓がんの手術を受けたことを公表し、闘病中である。

  すい臓がん患者の5年生存率は男性で8・9%、女性は8・1%と、とりわけ低い。 


だが、その難しいがんに立ち向かい、しかも目覚ましい成績を収めている病院がある。富山大学附属病院だ。

  東京や大阪などのがん専門病院でもない、地方都市の大学病院がなぜ、すい臓がん治療で群を抜く成果を上げているのだろうか? 


困難を極める治療

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 北陸新幹線「はくたか」に乗り、東京駅から約2時間半で富山駅に着く。そこからバスで約30分、北アルプスを一望できるなだらかな丘に富山大学附属病院はある。 

風光明媚な土地ではあるが、病棟の外壁は昭和54年の竣工当時のままで古めかしく、ここで日本トップクラスの治療が行われているとはにわかに信じがたい。 

 同病院の膵臓・胆道センター副センター長で内科部門責任教授の安田一朗氏が、すい臓がん治療の難しさを解説する。 


 
「すい臓がんは、予後が最も悪いがんです。その理由のひとつは、早期発見の難しさにあります。早期の段階では症状がありませんし、他の種類のがん検診で行われる血液検査でもなかなか見つけにくい。しかもすい臓は胃の後ろ、腸管に囲まれたところにあるので、超音波検査をしても簡単には見つけられません。治療の面においても、他のがんに比べて、有効な抗がん剤の種類が極めて少なく、効果もいまひとつです」 



 同病院の膵臓・胆道センター長で外科部門の責任教授でもある藤井努氏が、手術の難しさを語る。

  「すい臓の周りには腹部大動脈や上腸間膜動脈、腹腔動脈など重要な血管がたくさん広がっています。すい臓がんはその血管に浸潤しているケースが多く、胃や大腸のように臓器を切り取ってしまえばそれでおしまい、というように簡単にはいかないのです。

  手術の途中で血管の扱いを間違えてしまったり、すい液が漏れて合併症が生じたり、がんを取り切れずに一部残ってしまい、再発したりということが非常に起こりやすい難しいがんです」



信頼できる相棒がほしい


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 実は富山大学附属病院が、すい臓がん治療で目覚ましい成果を上げるようになったのは、つい最近のことだ。 

 きっかけは、藤井氏が'17年に名古屋大学から富山大学に移籍したこと。藤井氏は名古屋時代から有名なすい臓がん手術のエキスパートだったが、当時、富山をはじめ北陸にはすい臓がんの専門家はいなかった。

 「手術、検査ともにすい臓の分野は非常に特殊です。消化器専門だからといって、誰でも手術や検査をできるわけではありません。

そして外科医が良い手術をするには、きちんと検査をして正確な診断をしてくれる内科の先生、いうなれば信頼できる『相棒』が絶対に必要になります」(藤井氏)  だが、藤井氏の着任当初は、そのような内科の医師は富山にいなかった。頼れる相棒がほしいと思っていたところ、ちょうど消化器内科の教授選があり、藤井氏は帝京大学医学部附属溝口病院にいた安田氏に声をかけた。安田氏が語る。 

 「当時、私の周りにも、自分が信頼して患者の命を預けられる外科の先生がいませんでした。せっかく早期のすい臓がんを見つけることができても、自分の病院ではなく他のがん専門病院などで手術してもらうことが多かったのです。そうすると、実際にがんがどのような状況だったのか、手術はうまくいったのか、予後はどうだったかという情報がなかなか共有できません。ですから、藤井先生からお話があったときは、とても嬉しかったです」 

 そして翌'18年、安田氏が富山大学に移籍した。

最凶のがん」から患者を救いたい。そのためには最高の相棒が必要だが、なかなか見つからない。歯がゆい思いをしていた外科と内科の名医が富山大学という場所で奇跡的に合流できたのだ。  

全国的に見ても、内科のレベルは高いが外科がいまひとつだったり、その逆で手術はできるけれども内科の診断が甘かったりする病院が多く、両輪が揃っているところは数えるほどしかないのです」(安田氏

 医療機関には医療法による規制があり、宣伝することは難しい。とはいえ、富山大学はすい臓・胆道の専門治療ができるということをアピールする必要があった。  

「そのために、安田先生が着任したタイミングで膵臓・胆道センターを開設したのです。それまでも肝胆膵センターという組織は全国のいろいろな病院にありましたが、肝臓とすい臓・胆道の治療は大きく違う。より専門性をはっきりさせるために、日本で初めて膵臓・胆道センターという名前にしました」(藤井氏)  さらに'22年、すい臓病理を専門とする平林健一氏も病理学教室の教授として着任し、盤石の組織が完成した。  

「週刊現代」2022年12月24日号より

  後編『【外科と内科の超連携】富山大学「膵臓・胆道センター」の「驚異のすい臓がん治療」はなぜ実現したのか? 』では、5年生存率が実にこれまでの平均の倍以上となり、3年で970名以上の診察希望患者が並んだという同センターの診察、治療体制とその脅威の実績、新たな医師への教育や技術の継承の体制などについて詳報する。




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死病を撲滅せよ「すい臓がんハンター」の15年戦争>「手遅れ」は絶対に許さない…

2025年02月10日 21時01分48秒 | 医療のこと



前編記事『日本の医療はめちゃめちゃハイレベル…「超高精度ロボット手術」のスゴイ進化』では、最先端のロボット技術により、その操作を見事にこなす名医たちの存在によって、遠隔地でも日本の手術が飛躍的に上がる可能性についてお伝えした。後編では、すい臓がんと戦い続ける医師たちの奮闘をお伝えする。 

【写真】名医たちが実名で明かす「私が患者なら受けたくない手術」



尾道から始まった

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 「沈黙の臓器」と呼ばれるすい臓のがんは早期発見が難しく、見つかったときには手の施しようがないケースが多い。 

 ステージ4の5年生存率はわずか1.6%。数あるがんのなかでも最もやっかいだ。そんな最恐最悪のステルスキラーに立ち向かうハンターたちの存在を知っているだろうか。

  広島県尾道市。古くから映画や文学の舞台となってきたこの情趣溢れる海街で、すい臓がんと戦い続ける医師がいる。JA尾道総合病院副院長で内視鏡センター長の花田敬士氏だ。 

 「すい臓がんの最後は本当に辛いものになります。痛みはもちろんのこと、おなかが張り、食べることもできない。人間に想定されるすべての苦しみがある。だからこそ、早期発見で救いたい。また、私のなかに『予後が一番悪いがんを自分の手でやっつけたい』という思いがあったんです」 


 足音を立てずに近寄る病魔をどうすれば仕留めることができるのか。

「死病」に立ち向かうために、花田氏が立ち上げたプロジェクトが「尾道方式」だ。 

 '07年に始まったこの取り組みは診療所の段階で、すい臓がんの兆候が「わずか」でも見られる患者を精密検査を目的に中核病院に回すというシステムである。

  患者にとって最初の窓口である診療所の協力が肝になるが、現実は簡単ではなかった。すい臓がんの検査にはリスクが伴うからだ。特に花田氏が当時行っていたERCPという内視鏡を使ってすい管の状態を見る検査は合併症を起こすリスクがあり、重症化することもあった。 

 「患者が合併症を起こしたらどうするつもりだ!」

  協力を呼びかけた診療所の医師から厳しい言葉が出たこともあった。しかし花田氏の地道な努力と、身体的負担が少ないEUS(超音波内視鏡)が広まり始めたことで徐々に検査への抵抗が薄れ、協力を得られるようになっていった。また尾道独自の環境にも助けられたという。花田氏が言う。 

 「尾道には病院と診療所が密に連携をとり、患者さんが医療体制から漏れないようにする強力なネットワークがありました。これは尾道医師会の会長だった片山壽先生が始めたものです」 

 いまから20年ほど前、片山氏は診療所から中核病院に患者を回すとき、「紹介状一枚」しか情報を共有しないことに疑問を持った。 


 そこで患者が入退院する際に病院と診療所の関係者が参加する情報共有のためのカンファレンスを積極的に開くことにした。そうすると、患者の予後が改善するばかりでなく、医師間のつながりが強くなる。この関係が尾道では続いているのだ。花田氏が言う。 

 「尾道には『廿日会』という会もあります。開業医や勤務医などが毎月20日に市内の大きな旅館に集まり、お酒を飲みながら情報交換するのです。私もその場ですい臓がんの早期診断への協力を呼びかけていました」 


 プロジェクトに参加する尾道市の開業医が言う。  

「実際、私が花田先生に紹介した患者が早期発見で助かったこともあり、本当に感謝しています」 

 花田氏が実績を積み重ねるのと同時に、尾道方式は全国各地で広がりを見せていった。'14年から尾道方式をモデルに、早期発見に取り組む鹿児島県の南風病院の副院長・新原亨氏が言う。  


「他のがんと違い、どういう検査をすれば早期発見できるのかという手法が確立できていないだけに、尾道方式は画期的なプロジェクトなのです」

  では、実際のところどうやって尾道方式の検査は行われているのだろうか? すい臓がんの精密検査は手当たり次第に行えば良いというものではない。

  EUSのような比較的安全な検査方法が登場してきたとはいえ、さらに精密な検査の場合、リスクは増大する。広島赤十字・原爆病院の古川善也院長が言う。  


「検査によってはすい炎になってしまうリスクがある。稀にですが、すい炎には死亡例もあります」


4倍強の早期発見率

 だからこそ、患者の狙いを絞り、すい臓がんを駆逐しなければならない。しかし最初に検査の必要性をジャッジする診療所にはすい臓がんについての専門性はないことがほとんどだ。そこで実施されているのが、すい臓がんの危険因子を分かりやすく点数化する試みだ。 

 全国各地に散らばるすい臓がんハンターの一人、大阪府岸和田市の坂本内科小児科医院院長の坂本洋城氏は「すいがん拾い上げのチェックリスト」を考案した。これは次の項目で合計2点以上あった場合に精密検査に回すというものだ。 

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・上腹部の痛みや異常な体重減少(1点) 
・糖尿病発症または急激な糖尿病の悪化(1点) 
・血液検査によるすい臓の酵素の値の上昇(1点) 
・腫瘍マーカー検査の値の上昇(1点) 
・腹部エコー検査の異常(2点) 
・家族に二人以上すい臓がんがいる(2点)

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坂本氏が言う。  

すい臓がん診療ガイドラインを参考に作りました。多過ぎると、開業医の手間が多くなり、紹介率が下がることを考え、項目は絞っています」 

 町の診療所から、すい臓がんの疑いがある患者たちが中核病院に集まってくる。ここからが花田氏たち、すい臓がんハンターの腕の見せ所だ。

  花田氏が60代女性患者を診たときのことだ。 

 その女性は糖尿病を患っていたわけではない。家族にすい臓がんがいるわけでもない。そしてCT検査でも異常がなかった。しかし、花田氏は腹部超音波検査でのわずかな異常をきっかけに、腹部MRI検査ですい管狭窄を認めた。

  さらにEUSで、すい管狭窄の周りに淡い低エコー領域(画面上にうっすら映る黒い箇所)を発見したのだ。明らかな腫瘍は認められないものの、さらなる精密検査を行うと結果は陽性。手術の結果、ステージ0のすい臓がんだったという。花田氏が言う。 

 「EUSは画像を読み取る能力が求められる。すい臓の場合、胃や腸のように直接見ることができないですから。この画像診断にはどうしても修練が必要です。我流での向上は難しく、当院にも全国から勉強したいという先生が来られています」 

 戦いが始まって15年、成果は出ている。'20年の全国集計で診断時にステージ0だった患者の割合は1・2%だが、尾道方式に限っては4倍強の5・2%の患者をステージ0の段階で見つけていた

  尾道方式は今後広島県全域で展開される予定であり、関西や九州のほかに首都圏の自治体も導入に動き始めているというが、まだまだ花田氏は満足していない。  

すい臓がんを撲滅するため、ハンターたちの戦いはこれからも続く。  『週刊現代』2022年2月19・26日号より



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いくら解剖しても何もわからず、困難を極めた「脳の機能特定」…この状況を打開したのはまさかの鉄棒が頭部を貫通した「悲惨な事故」だった!?

2025年02月10日 20時03分52秒 | 医学と生物学の研究のこと




いくら解剖しても何もわからず、困難を極めた「脳の機能特定」…この状況を打開したのはまさかの鉄棒が頭部を貫通した「悲惨な事故」だった!?
2/9(日) 7:01配信




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現代ビジネス
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「いつの日かAIは自我を持ち、人類を排除するのではないか―」2024年のノーベル物理学賞を受賞した天才・ヒントンの警告を、物理学者・田口善弘は真っ向から否定する。


【写真】知能とはなにか…意外と知らない人工知能と機械学習の「致命的な違い」


理由は単純だ。人工知能(AI)と人間の知能は本質的に異なるからである。しかし、そもそも「知能」とは何なのだろうか。その謎を解くには、「知能」という概念を再定義し、人間とAIの知能の「違い」を探求しなくてはならない。生成AIをめぐる混沌とした現状を物理学者が鮮やかに読み解く田口氏の著書『知能とはなにか』より、一部抜粋・再編集してお届けする。


『知能が脳にあることは共通認識なのに、その正体は“謎”だらけ…学会の専門誌でも「明確な定義はない」とされている「知能」の不思議』より続く。


脳はどのように働いているのか
脳が心を担っていることはこのようにかなり早くから知られていたものの、他の臓器と違い、脳がどのように働いているかを調べることは困難を極めた。


消化器や循環器なら解剖するなどして、生理学的な研究や臓器を構成する細胞の分子生物学的研究を積み重ねることで、構造と機能の関係がかなり詳しくわかってきたが、脳をいくら解剖してもどのように「心」を作り出しているかはわからなかったからだ。


そもそも「心」の実体すらわからず、脳は見た目には、のっぺりとした塊にしか見えず、よく見れば構造はあるとはいうものの、脳を見ただけではどこが何をやっているか杳(よう)として知れない。


この状況を打開したきっかけの一つは不幸な事故だった、と言われている。かなり有名な逸話だが紹介しよう。


米国のフィネアス・ゲージという建築技師が、作業中の事故で鉄棒が頭部を貫通するという瀕死の重傷で、前頭前野に広く損傷を受けた(図表1-3)。ゲージは仕事熱心で責任感も強く、会社や同僚からも高く評価されていたが、事故後、発作的で乱暴な振る舞いが増えて、家族や知人から「もはやゲージではない」と言われるほどの人格変容が起きた。


前頭葉を損傷したことで性格が激変したことは、情動を制御する中枢がこの部位にあることを強く示唆する。ゲージの事故が嚆矢(こうし)となり、脳の機能研究が一気に進んだとされている。実験動物の脳に損傷を加えたり、被験者の脳に電気刺激を加えたりすることで脳のどの部位がどんな機能を担っているのか、実験的に決められるようになったのだ。


脳の機能特定に立ちはだかる根本的な問題とは
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しかし、この機能特定のアプローチには根本的な問題があるのは明らかだ。実際に観測しているのは知能そのものではなく、知能が作用した結果に過ぎない。ゲージの例で言えば、実際に情動の不安定さが観測されたのではなく、厳密には情動が不安定になった場合に観測されるであろう行動が観測されたに過ぎない。にもかかわらず、この観測から「前頭葉が情動に関わっている」と結論付けてしまった。


もちろん情動そのものを観測することはできないのだから、このやり方はおかしくないように見える。しかし、結果的にこのような方法は「知能」を知能そのものではなく「知能が働いた場合の行動の変化」で定義せざるを得ない、という問題を看過したことになった。以下に見るように、これが生成AIで知能まがいの機能が実現した現在において大きな混乱の原因になっている。


このような研究はオプトジェネティクス(光遺伝学)という技術を使ってより精密化している。詳細な説明は省くが、オプトジェネティクスは「光照射のオンオフによって、機能を知りたい細胞の活動をミリ秒単位で精緻に操作する技術」である(https://www.med.keio.ac.jp/features/2024/1/8-156303/index.html)。


この技術を使って脳細胞を細胞単位で制御し、サルの手を動かすというようなことまでできている。だがそれでもまだ「脳のどの部位が何をしているのか?」という「場所と機能の関係づけ」が精緻化されただけであり、ここまできてもまだ、実際に脳がどのように働いているのか解明にはほど遠いのが現状である。


このように書くと脳の研究が全然進展していないみたいで、脳の研究を生業とされている皆さんの逆鱗に触れそうだが、もちろんそんなことはない。先に紹介したのは脳細胞に直接関与する侵襲型の研究だが、実際には非侵襲的な脳研究が膨大にある。


脳の活動度を計測する
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非侵襲的な脳研究とは脳の外部から脳細胞の状態を計測する方法で、健康診断でもおなじみのX線撮影とか超音波断層診断装置のようなものを思い浮かべるとわかりやすい。もっとも、X線や超音波は主に臓器の構造を調べるための観測手段だが、先に述べたとおり、脳はのっぺりとした構造性に乏しい器官なので、これらの観測手段はあまり役に立たない。脳を非侵襲に研究しようと思ったら構造ではなく活動度を計測できる手段でなければならない。


脳の活動度を非侵襲的に計測する手段は実のところかなりたくさんある。有名なところだと脳波(EEG)、MRIやNIRSがある。


脳波は、脳から出てくる電磁気的な活動で、これは脳神経細胞であるニューロンが電気化学的な素子であり、ニューロンの活性化が電気的な活動を伴うことから発生するものだ。脳波と脳の機能の関係については膨大な研究がある。例えば、脳波はその周波数により波(14~30)、波(8~13)、波(4~7)、波(0.5~3)に分類され、「覚醒時は波が活性化されるが睡眠時は低下する」など、脳波と脳の状態(機能)との関係はよく知られている。


MRIは、核磁気共鳴という難しい技術で脳の活動度を測るもので、表面でしか観測できない脳波と違って、脳の内部を断層診断的に観測できる。fMRIが主に観測しているのは「水の動き=血流」で、血流が激しいところは脳が活動しているという仮定のもとに、脳に様々な外部刺激を与えたときや人間がいろいろな作業をしているときに、脳のどの部位が活性化しているかを調べる。


NIRSは、脳から出る近赤外線を観測する技術で、脳波と同じように脳の表面でしか観測できないが、時間分解能に優れるが、局所性には劣るEEG(電気的な活動を測るのでEEGでは計測部位から遠い場所の脳の活動も一緒に測ってしまう)に対して、空間分解能に優れる(センサーを張り付けた部位の特異的な観測が可能)計測手段である。







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横田空域を飛ぶ飛行機雲>戦闘機の空

2025年02月10日 19時03分33秒 | 日々の出来事
この空を飛ぶのは、すべて軍用機ですね❗

東京の横田基地を中心に首都圏にわたる広大な空域がいまだに米空軍の制御下にあり、民間機は飛ぶことができない事実は意外と知られていませんね。




2・11・2023
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緑を写す河面ですね

2025年02月10日 17時03分10秒 | 日々の出来事
すでに、春の風情ですね



2/19/2023
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