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5000万人の命を奪った『スペイン風邪』の顛末

2021年12月22日 18時00分15秒 | いろいろな出来事
早さ」と「徹底」が対策の鍵だった、スペインかぜの事例
【感染症、歴史の教訓】

社会的な対策のタイミングと内容と効果を詳しく検証、新型コロナへの対応を考える

RILEY D. CHAMPINE, NG STAFF.(※)

 新型コロナウイルス感染症は依然として収まる気配がなく、日本でも再び緊急事態宣言が発出された。感染力が高い変異なども報告され、今後何が起きるかは不透明だ。これまでの対応は成功しているのか、それとも失敗なのか。そして、その理由はどこにあるのかを評価するのはまだ難しいだろう。 ギャラリー:腸チフスのメアリーから不遇の天才医師まで

【感染症、歴史の教訓】画像20点  

とはいえ、参考になる事例はある。近代史上最悪のパンデミックとなったインフルエンザ、いわゆる「スペインかぜ」だ。その大流行は1918年から2年ほど続いた。およそ1年におよぶ新型コロナウイルスへの対応をあらためて考えるべく、米国の各地で講じられたスペインかぜの感染防止対策とその結末を振り返ってみたい。

流行が目前だったにもかかわらず…

 スペインかぜの症例が米国で最初に報告されたのは1918年3月、場所はカンザス州の陸軍基地だった。ここから第一波が始まったが、致死率は低く、夏までにいったん収束する。 

 ところが、第二波はまったく異なる様相を呈する。第二波からインフルエンザは米国全土に拡大し、50万人以上が犠牲となる。致死率は10倍に高まり、主に15歳から35歳の健康な若者が亡くなった。パンデミックが終わるまでに、世界では5000万人が亡くなったとされている。 

 その非常に危険なウイルスが米国で本格的に拡大し始めたのは1918年の秋だ。例えば、米国のフィラデルフィア市で最初の症例が確認されたのは1918年9月17日だった。  翌日、市はウイルスのまん延を防ぐため、人前で「咳をする」「つばを吐く」「鼻をかむ」などの行為をやめるキャンペーンを立ち上げる。ところがその11日後、市は戦勝パレードを決行し、20万人が参加した。感染症の流行は目前と予想していたにもかかわらず、だ。 

 その間に患者は増え続け、最初の症例からわずか2週間で、感染者は少なくとも2万人にのぼった。学校、教会、劇場、集会所などを閉鎖し、市がようやく「社会的距離戦略」を実施したのは10月3日のこと。しかし、その時点で市の医療はすでに崩壊していた。 

 フィラデルフィアで感染者が確認されてからほどなく、ミズーリ州セントルイス市でも10月3日に最初の感染が見つかった。こちらでは、市の対応は素早かった。2日後にはほとんどの集会を禁じ、患者の自宅隔離を決断する。その結果、感染の速度は下がり、セントルイスでの死亡率(単位人口あたりの死者数)はフィラデルフィアの半分以下となった。 

 第二波からの最初の半年間、すなわち感染が最も深刻だった時期において、ウイルスによる死亡者数がフィラデルフィアでは人口10万人当たり748人と推定されるのに対し、セントルイスでは358人だった。 (※)Markel H, Lipman HB, Navarro JA, et al. Nonpharmaceutical Interventions Implemented by US Cities During the 1918-1919 Influenza Pandemic. JAMA.による


いまも変わらない対応策、解除のタイミングは重要
 この50年間で人々の生活は劇的に変化し、パンデミックの抑制はより難しくなっている。  

グローバル化、都市化、大都市の人口密集などが進んだために、ウイルスが数時間で全土に広がりうる一方で、実際のところ、その対抗手段は以前とほとんど変わっていない。ワクチンのない伝染病に対する防御の第一線は、現在でも公衆衛生的な介入であり、具体的には学校、商店、飲食店の閉鎖、移動制限、社会的距離の確保の義務化、集会の禁止などだ。 

 もちろん、そのような命令に市民を無理に従わせるのは、また別の問題だ。1918年にはサンフランシスコの保健衛生官が、義務付けられていたマスクの着用を拒んだ市民3人を銃で撃った。アリゾナ州では、警察が感染予防用品を身に着けていない逮捕者に対して10ドルの罰金を課した。 

 とはいえ、最も成果を上げたのはやはり思い切った、かつ徹底的な対策だ。集会を固く禁じ、厳しく取り締まったセントルイス、サンフランシスコ、ミルウォーキー、カンザスシティーでは、結果的に感染率が30から50パーセントも低下した。また、最初に強制隔離と時差出勤を実施したニューヨーク市では、死亡率が東海岸で最も低かった。 

 2007年、学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に、市によって異なる対応が病気の蔓延にどのように影響したかを調べた2つの論文が発表されている。それによれば、致死率、時期、公衆衛生的介入について比較したところ、早い段階で予防措置を講じた市では、対策が遅れた、あるいはまったく講じられなかった市と比べて、死亡率が約50パーセントも低いことがわかった。 

 なかでも最も効果的だった措置は、学校、教会、劇場を同時に閉鎖し、集会を禁止することだった。そうすることでワクチンを開発する時間を稼ぎ、医療機関にかかる負担は減っていた。 

 論文はまた、別の重要な結論も導き出している。介入を緩和する時期が早すぎると、状況が逆戻りするということだ。  

例えばセントルイス市では、死亡率の低下を受けて大胆にも集会の制限を解除した結果、2カ月もたたないうちに集団発生が始まり、新たな症例が相次いだ。介入を継続した市は、セントルイス市などで見られたような2回目の死亡率のピークが見られなかった。 

 1918年のインフルエンザにおいて、死亡率の急上昇を防ぐ鍵は「社会的距離」戦略であったと同論文は評価する。約100年を経たいま、新型コロナウイルスとの闘いでも、「密」の回避を含めて同じことが当てはまる可能性は高い。

若者の致死率が高かったのはなぜなのか

1918年、ワシントンD.C.のウォルター・リード病院でインフルエンザ患者の脈を取る看護婦。(Photograph by Harris & Ewing Inc. /Corbis)

 先に述べたように、スペインかぜで主に犠牲となった人々は健康な若い大人たちだった。これは医学史上、大きな謎の一つとされている。  

この謎について、2014年に学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に興味深い研究結果が発表された。1889年以前に生まれた高齢者は、ある程度の免疫を備えていたおかげで、死亡率が低かったというものだ。

  この研究に携わった科学者らは、スペインかぜのウイルスの型がどう進化したかに着目した。1830年まで遡り、優勢なインフルエンザ型の移り変わりを明らかにしたところ、1889年にスペインかぜとは別型の通称アジアかぜ(ロシアかぜとも)が世界中で流行したことで、当時の子どもたちがスペインかぜに似たH1N1型を経験していないことに気づいた。つまり彼らはスペインかぜに対する免疫を獲得していなかったのだ。そして、1900年以降にはまたスペインかぜに似たH1亜型が流行し、それ以降に生まれた子どもたちには部分的な免疫ができたという。 

「史上最悪のインフルエンザのパンデミックで罹患者が最も多かった高齢者は、基本的にほとんどが生き残った」と、研究を主導した米アリゾナ大学の生物学者マイケル・ウォロビー氏は述べる。一方で、18~29歳の年齢層では大量の死者が出て、罹患者が200人に1人の割合で亡くなった。

  子どものときにウイルスに接しなかった世代の大人たちの死亡率が高かったというこの発見は、将来のパンデミックの予防や、ワクチンの接種法に役立てられる可能性がある。現在のように流行が予想されるウイルスに対してワクチンを接種するのではなく、子どもの頃に免疫を獲得できなかった株に対してワクチン接種を行う手もあるのかもしれない。

 「有益な歴史的データという宝の山を現在の行動に生かす取り組みは、ようやく始まったばかりです」と、2007年のスペインかぜの論文でデータの分析を行った米コロンビア大学の伝染病疫学者、スティーブン・S・モース氏は言う。「1918年の教訓を正しく生かせば、同じ過ちを繰り返さないための一助になるかもしれません」 この記事はナショナル ジオグラフィック日本版とYahoo!ニュースによる連携企画記事です。世界のニュースを独自の視点でお伝えします。







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【速報】オミクロン株、初の市中感染を確認。大阪府の吉村知事が発表。海外への渡航歴がない家族3人が感染

2021年12月22日 17時24分55秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス
【速報】オミクロン株、初の市中感染を確認。大阪府の吉村知事が発表。海外への渡航歴がない家族3人が感染

大阪府は22日、海外への渡航歴がない家族3人が新型コロナウイルスのオミクロン株に感染したと発表した。

感染経路は不明で、吉村洋文知事は「市中感染に当たる」とし、国内初とみられるとの見方を示した。

3人は30代の男女と10歳未満の女児で18~20日にかけて発症し、発熱など軽症で入院中。
3人の濃厚接触者を特定しており、保健所が検査や健康観察をしている。

3人の他、渡航歴があり、濃厚接触者として府内の専用ホテルに入所していた30代男性も、
新たにオミクロン株への感染が確認された。
 吉村氏は「オミクロンの市中感染があることを前提に、感染対策をしてほしい」と呼び掛けた。 


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容疑者宅からガソリンタンク押収 現場からはライター 大阪ビル放火

2021年12月22日 15時01分38秒 | 事件と事故


大阪市北区の雑居ビルの心療内科クリニックで男女24人が死亡した放火殺人事件で、患者だった谷本盛雄容疑者(61)=職業不詳=が住んでいたとされる市内の民家から、ガソリンのタンクが押収されていたことが捜査関係者への取材で判明した。

クリニックでは谷本容疑者のものとみられるライターが押収されていたことも判明。大阪府警は19日未明、谷本容疑者が事件に関与した疑いがあると判断し、氏名を発表した。逮捕状の請求前に容疑者名を公表するのは極めて異例。 

【写真で見る】大阪ビル放火事件 

 谷本容疑者は事件当日、ガソリンの可能性が高い液体入りの紙袋をクリニックに持参していたことが分かっている。府警は事件の準備を入念に進めていた疑いが強いとみて、現住建造物等放火と殺人の疑いで詳しい経緯を調べている。 


 捜査関係者によると、谷本容疑者の自宅とされるのは大阪市西淀川区の3階建て民家。府警は18日に現住建造物等放火容疑で家宅捜索した際、2階の一室からガソリンのタンクが見つかった。容量は約1・5リットルで、タンク内の液体が少量だけ使われていた。府警は液体はガソリンとみている。 

 事件は17日午前10時20分ごろ、「西梅田こころとからだのクリニック」で発生。府警捜査1課によると、谷本容疑者の運転免許証やクリニックの診察券が入った財布が雑居ビル内で見つかった。院内の防犯カメラにも出火当時の映像が記録されており、谷本容疑者が関与したと判断した。  

◇ライターで着火か  映像では、谷本容疑者が出入り口近くで紙袋を蹴り倒してしゃがみ込んだ直後に炎が上がっていた。府警は谷本容疑者が付近で見つかったライターで着火したとの見方を強めている。

  府警によると、谷本容疑者は事件後、心肺停止状態で救急搬送された。集中治療で蘇生したが、重度の気道熱傷や一酸化炭素中毒などの影響で重篤な状態が続いている。

  府警幹部は氏名公表に踏み切った理由について、「容疑者の状態から逮捕状を請求できる状況にはなっていないが、事案の重大性を踏まえた」と説明。被害者遺族の感情などにも配慮したことを明らかにした。【安元久美子、郡悠介、沼田亮】


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【大阪ビル放火】谷本盛雄(61)、放火後、燃えさかる炎や煙から逃げ惑う人々を捕まえようとしていた

2021年12月22日 11時02分12秒 | 事件と事故
2021/12/21(火) 22:00:22.
【大阪ビル放火】谷本盛雄(61)、放火後、燃えさかる炎や煙から逃げ惑う人々を捕まえようとしていた

25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、現場の心療内科クリニックの防犯カメラ映像に、燃えさかる炎や煙から逃げる利用者らを捕まえようとする谷本盛雄容疑者(61)の姿が写っていたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。より多くの人を火災に巻き込もうとしたとみられ、府警は強い殺意を裏付ける証拠とみて映像の解析を進める。

 捜査関係者によると、クリニックに通っていた谷本容疑者はエレベーターで来院した。受け付けを済ませるようなそぶりを見せた後、ガソリンとみられる液体に着火。突然の火災に混乱する現場で、谷本容疑者は逃げ惑う人々を捕まえようとしていた。



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新型ウイルス「治療法ない」、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら BBC >これもまた

2021年12月22日 06時02分24秒 | 医療のこと
新型ウイルス「治療法ない」、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら BBC

治療法ない」新型ウイルス、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら

2時間前
2020/01/31

中国・武漢市から世界中に感染が拡大している新型コロナウイルスには現在、治療法やワクチンはない。

しかし今回は、ワクチンの開発に何年もかかった過去の数々のアウトブレイク(大流行)とは状況が異なる。
新型ウイルスの発見から数時間以内に、世界中の研究機関でワクチン開発が始まった。

アメリカとオーストラリアの研究者は、ワクチンの早期実用化を目指し、24時間態勢で対応している。


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