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中学受験>保護者を悩ます“新小4生”の入塾問題…「我が子がSAPIXに通えば将来安泰」は親の見当違い?

2024年03月21日 00時03分33秒 | 受験のこと


保護者を悩ます“新小4生”の入塾問題…「我が子がSAPIXに通えば将来安泰」は親の見当違い?(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース 



>「3年間で塾代に300、400万円を費やすのだから、東大や国立とはいわないまでも、早稲田、慶応くらいには入ってほしいというのが夫の本音です。もしMARCH以下の大学にしか進学できないとしたら、それは地元の公立中から都立高に進んでも可能なはずなので、『この選択でよかったのか』という結果にならないようにするしかありませんね」(Bさん)

 コスパと子育ては本来相容れないものです


保護者を悩ます“新小4生”の入塾問題…「我が子がSAPIXに通えば将来安泰」は親の見当違い?

3/12(日) 9:06配信

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SAPIX小学部東京校(C)日刊ゲンダイ

 コロナ禍が収束に近づきつつある中、今年4月入学の中学受験者数(首都圏)は、過去最高の6万6500人を記録。少子化にもかかわらず受験者数は8年連続で増加し、小学校卒業生数に占める受験率は22.6%と初めて22%を突破した(コアネット教育総合研究所「2023年首都圏中学入試総括レポート」から)

    教育ジャーナリストの鳥居りんこ氏は、中学受験熱はコロナ禍の3年で一段と高まったと話す。 SAPIX出身者卒業大学の中央値はMARCH以下…受験生の親がザワつく 

かつての中学受験は、もともと地頭がいいお子さんか、富裕層のお子さんが大半を占めていました。2008年のリーマンショックで受験熱は一時落着き、少子化から受験産業の減退が囁かれていましたが、今や盛り返すどころかさらに伸びている状況です。日本経済の衰退を筆頭に、定員厳格化で大学がより狭き門になり、AIなどの技術によってホワイトカラーの仕事が見通せなくなっている中、将来不安から都市部を中心に受験する層がさらに広がっていると言えるでしょう」 

 3月の受験シーズン終了とともに新たに始まる新学期。受験勉強が本格的にスタートする新小学4年生の保護者が直面するのが、我が子をどの塾に通わせるかという問題だという。 

  「サピのほかに四谷大塚、日能研、Gnoble(グノーブル)が通学圏内ですが、難関校の合格実績とカリキュラム、指導方法、ブランド力でサピに決めました」 

 こう話すのは、都心3区の公立小に3年生の息子が通っている30代の保護者Bさん。御三家など難関校の合格実績で知られる首都圏の大手進学塾「SAPIX」に、3学期から我が子を通わせている。さまざまな塾が進学実績でしのぎを削る中、Bさん同様、どの塾に通わせるかを最後まで迷った親は少なくないとのこと。

  ■中学受験は「ダービースタリオン」さながら? 

 今受験生の親たちの間で読まれている「コスパで考える学歴攻略法」(新潮新書)は、中学受験を競走馬育成ゲーム「ダービースタリオン」に例えるなど、ユニークな記述が評判となっている。 

 “SAPIX出身者の卒業大学の中央値は「MARCH以下」(MARCH=明治、青山学院、立教、中央、法政、5つの私立大学の略称)”  著者の藤沢数希氏によるこの指摘に、親たちが少なからず動揺しているという。 

「学校のクラスメイトの9割が中学受験をするようですが、今どきSAPIXに入塾するのは必ずしも優秀なお子さんだけではないようです。息子の学力も学校のクラスの中で決して高いほうではありません。初めから難関校を目指さないまでも、学年とともに学力が伸びてくれれば、上位の中高一貫校に入学できるのではと期待を込めてサピに入れた面が大きいです」(Bさん) 

 子どもが将来進学する大学に関しては、都内の有名女子大出身のBさんよりも、地方出身で理系の国立大学を卒業している夫のほうがこだわりが強い。

 「3年間で塾代に300、400万円を費やすのだから、東大や国立とはいわないまでも、早稲田、慶応くらいには入ってほしいというのが夫の本音です。もしMARCH以下の大学にしか進学できないとしたら、それは地元の公立中から都立高に進んでも可能なはずなので、『この選択でよかったのか』という結果にならないようにするしかありませんね」(Bさん)


 ■教育費に見合った学歴が得られる訳ではない  

数年前に長男が男子御三家に、長女が難関女子高に合格している40代のCさんも、2人の子どもをSAPIXに通わせた経験の持ち主だ。 

「サピの場合、校舎の規模によってAからαまでコース分けがされていますが、御三家など難関校合格を勝ち取るには、6年生の時点で最上位のαか、少なくてもその下のコースくらいまで昇りつめる必要があります。うちの長男は5年から入塾して、下位クラスからスタートしました。仮にテストで上位の成績を叩き出したところで、一気にαに到達するわけではなく、一歩一歩着実にランクアップしていく仕組みです」(Cさん) 

   SAPIXの場合、上位クラスになると生徒一人ひとりに合った志望校を的確にアドバイスしてくれるなど、講師陣のレベルが高かったとCさんは振り返る。 「長男の場合、継続して成績がよかったからか、途中、講師から『αに行かないか』と誘われ、1年でαに行きつきました。行き帰りの送り迎えはもちろんのこと、プリント整理や授業の復習など、より上に行くためには親子二人三脚で伴走しなくてはならないので親の負担も小さくありません」(Cさん)

  最近は、大手進学塾に小学1、2年生から入塾するケースも増えている。 「文教地区といわれる教育熱の高いエリアにある進学塾では、塾の席取り合戦が行われていて、学年ごとに定員があるため小4からでは遅いということで、入塾が低年齢化しています。ところが、塾の側からすれば、もともと学力の高いお子さんであれば何年生からでも入塾を歓迎しています。模試などで好成績をとれば、特待生という塾もあります。早く塾に入ったからといって、望ましい結果が得られるとも限らないのが中学受験の難しいところです」(鳥居りんこ氏)  

昨今はリセールバリューを意識して自家用車の車種を選ぶがごとく、教育費に見合った学歴が将来的に得られるかなど、親の間でコスパが意識されているという

 「コスパと子育ては本来相容れないものです。親が望むのは我が子がどんな道に進んでも、笑顔で元気に楽しく過ごしてくれればいいという点に尽きると思います。隣の子がどうであるとか他人と比較したり、コスパにフォーカスし過ぎると将来の親子関係にヒビが入りかねません。偏差値だけでなく子どものいい面をどう伸ばすかで学校選びをすることが、非常に重要になってくるのではないでしょうか」(鳥居りんこ氏) 

 受験を勝ち抜いたからといって、将来が約束された訳では決してない。課金型教育の沼にハマるのもほどほどにしたいところだろう。





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