「給食はまるで修行」完食指導で登校さえも苦痛に 食の悩み、どう解決 #令和の子(ベネッセ教育情報) - Yahoo!ニュース
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「給食はまるで修行」完食指導で登校さえも苦痛に 食の悩み、どう解決 #令和の子
3/3(日) 20:01配信
3998
コメント3998件
ベネッセ教育情報
「給食はまるで修行」完食指導で登校さえも苦痛に 食の悩み、どう解決 #令和の子 ※写真はイメージです
楽しいはずの給食や食事の時間が、苦痛を伴う時間になっている子どもたちがいます。「残さず食べよう」「好き嫌いはしないように」、よくある指導がプレッシャーとなり、人前で食べられない、学校に行くことまで苦痛となってしまうことも……。
給食や食事の時間を豊かで幸せな時間にするために、大人にはどのような対応や心がけが求められるのでしょうか。お子さまの給食への恐怖をきっかけに子どもたちへのサポート活動を行う鈴木さん(仮名)と、自身も会食恐怖症を経験し、子どもから大人まで幅広い食の悩みに向き合い続ける山口健太さんにお話を伺いました。
帰りの会まで居残り…給食はまるで修行のよう
帰りの会まで居残り…給食はまるで修行のよう ※写真はイメージです
お子さまが給食を食べられずに悩んでいるという鈴木さん。お子さまは現在小学5年生ですが、その悩みは幼稚園時代から続いていると言います。
鈴木さん「登園が嫌だと泣くので、理由を聞くと『給食が嫌だ』ということでした。もともと小食で、離乳食もあまり食べない子だったため、給食では苦労するかもと思ってはいたのですが……。食べきれずみんなから見られることや、食べ慣れないものが出てくることもストレスに感じていたようです」
園の先生に相談したところ、園の方針で完食指導をしていたとわかりました。量を減らす対応はしてもらえたものの、残すことは受け入れてもらえなかったと言います。
鈴木さん「昼休みだけでなく、午後の活動まで居残りして給食を食べていました。一度は帰りの会まで残っていたことも。さすがにやりすぎだと思ったのですが、先生も園の方針があるため『残していいよ』とは言えなかったようで……。『他のお子さんも頑張って食べているので』とも言われてしまいました」
週に2日間のお弁当の日を活用しながら、ごまかしごまかし卒園まで乗り越えた鈴木さん。しかし、完食指導による悩みは小学校でも続きました。
鈴木さん「事前に先生に相談していたため、量は減らしてもらえたのですが、完食を目指す方針は変わりませんでした。量を減らす際も、苦手なメニューだけでなく全てのメニューを一律に減らされてしまい、汁物は底が透けて見えるくらいだったと聞きました。少ない量の給食が変に見えてか、クラスメートの注目を集めてしまったことも娘にとってはつらかったようです」
「量を減らしたんだから食べられるよね」「小学生なんだから食べきらないと」といった周囲からのプレッシャーを感じて、給食をノルマや修行のように感じるようになってしまったとのこと。
3/3(日) 20:01配信
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ベネッセ教育情報
「給食はまるで修行」完食指導で登校さえも苦痛に 食の悩み、どう解決 #令和の子 ※写真はイメージです
楽しいはずの給食や食事の時間が、苦痛を伴う時間になっている子どもたちがいます。「残さず食べよう」「好き嫌いはしないように」、よくある指導がプレッシャーとなり、人前で食べられない、学校に行くことまで苦痛となってしまうことも……。
給食や食事の時間を豊かで幸せな時間にするために、大人にはどのような対応や心がけが求められるのでしょうか。お子さまの給食への恐怖をきっかけに子どもたちへのサポート活動を行う鈴木さん(仮名)と、自身も会食恐怖症を経験し、子どもから大人まで幅広い食の悩みに向き合い続ける山口健太さんにお話を伺いました。
帰りの会まで居残り…給食はまるで修行のよう
帰りの会まで居残り…給食はまるで修行のよう ※写真はイメージです
お子さまが給食を食べられずに悩んでいるという鈴木さん。お子さまは現在小学5年生ですが、その悩みは幼稚園時代から続いていると言います。
鈴木さん「登園が嫌だと泣くので、理由を聞くと『給食が嫌だ』ということでした。もともと小食で、離乳食もあまり食べない子だったため、給食では苦労するかもと思ってはいたのですが……。食べきれずみんなから見られることや、食べ慣れないものが出てくることもストレスに感じていたようです」
園の先生に相談したところ、園の方針で完食指導をしていたとわかりました。量を減らす対応はしてもらえたものの、残すことは受け入れてもらえなかったと言います。
鈴木さん「昼休みだけでなく、午後の活動まで居残りして給食を食べていました。一度は帰りの会まで残っていたことも。さすがにやりすぎだと思ったのですが、先生も園の方針があるため『残していいよ』とは言えなかったようで……。『他のお子さんも頑張って食べているので』とも言われてしまいました」
週に2日間のお弁当の日を活用しながら、ごまかしごまかし卒園まで乗り越えた鈴木さん。しかし、完食指導による悩みは小学校でも続きました。
鈴木さん「事前に先生に相談していたため、量は減らしてもらえたのですが、完食を目指す方針は変わりませんでした。量を減らす際も、苦手なメニューだけでなく全てのメニューを一律に減らされてしまい、汁物は底が透けて見えるくらいだったと聞きました。少ない量の給食が変に見えてか、クラスメートの注目を集めてしまったことも娘にとってはつらかったようです」
「量を減らしたんだから食べられるよね」「小学生なんだから食べきらないと」といった周囲からのプレッシャーを感じて、給食をノルマや修行のように感じるようになってしまったとのこと。
部活の指導がきっかけで会食恐怖症になるケースも
部活の指導がきっかけで会食恐怖症になるケースも
給食に悩む子どもの姿を目の当たりにした鈴木さんは、教育者向けに給食指導の情報提供をする「きゅうけん」の活動に参加。編集長の山口健太さんは、自身も人前で食事ができない「会食恐怖症」の経験者です。現在まで、延べ5,000人の会食恐怖症に苦しむ人を支援してきました。そのきっかけは部活の指導にあったと言います。
山口さん「当時所属していた部活の合宿で、食べる量のノルマがありました。白米を朝昼は2合ずつ、夜は3合食べるよう指導されていたんです。でも、食べられなくて部員みんなの前で怒られてしまって……叱責された恐怖で『また怒られたらどうしよう』というプレッシャーに。吐き気や、嚥下(えんげ)障害といった体の症状まで現れるようになりました。」
食事への不安は、部活動の時のみならず、友人との食事にまで影響し、人との食事の機会を避けるように。自身の状態への違和感を覚える中、「会食恐怖症」という症状を知り、支援に携わりたいと思うようになったと言います。
山口さん「20代前半に参加したセミナーの講師から、『自分が情熱を持って取り組めることをやろう』と助言があった時、改めて自分の人生を振り返りました。その時に、会食恐怖症や食に関する悩みに苦しむ人のためだったら、情熱を持って取り組めると思ったんです」
山口さんは、給食指導に関する情報を発信する活動をスタート。「食べられないことはわがままではなく、子どもなりの理由がある。適切な支援を伝え、楽しく食べることを広げていきたい」との思いのもと、保育士や栄養士、カウンセラー、医療従事者などと情報発信に取り組んでいます。
給食が会食恐怖症のきっかけになることも
会食恐怖症に苦しむ人は、給食や部活など学校での指導がきっかけとなったケースが少なくありません。山口さんが代表を務める一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会が行ったアンケート(2019年11月実施)によると「完食指導や周りからの強要」が原因となった人が34.7%。そのうち、72.1%が「給食で先生から」と回答しています(※1)。
部活の指導がきっかけで会食恐怖症になるケースも
給食に悩む子どもの姿を目の当たりにした鈴木さんは、教育者向けに給食指導の情報提供をする「きゅうけん」の活動に参加。編集長の山口健太さんは、自身も人前で食事ができない「会食恐怖症」の経験者です。現在まで、延べ5,000人の会食恐怖症に苦しむ人を支援してきました。そのきっかけは部活の指導にあったと言います。
山口さん「当時所属していた部活の合宿で、食べる量のノルマがありました。白米を朝昼は2合ずつ、夜は3合食べるよう指導されていたんです。でも、食べられなくて部員みんなの前で怒られてしまって……叱責された恐怖で『また怒られたらどうしよう』というプレッシャーに。吐き気や、嚥下(えんげ)障害といった体の症状まで現れるようになりました。」
食事への不安は、部活動の時のみならず、友人との食事にまで影響し、人との食事の機会を避けるように。自身の状態への違和感を覚える中、「会食恐怖症」という症状を知り、支援に携わりたいと思うようになったと言います。
山口さん「20代前半に参加したセミナーの講師から、『自分が情熱を持って取り組めることをやろう』と助言があった時、改めて自分の人生を振り返りました。その時に、会食恐怖症や食に関する悩みに苦しむ人のためだったら、情熱を持って取り組めると思ったんです」
山口さんは、給食指導に関する情報を発信する活動をスタート。「食べられないことはわがままではなく、子どもなりの理由がある。適切な支援を伝え、楽しく食べることを広げていきたい」との思いのもと、保育士や栄養士、カウンセラー、医療従事者などと情報発信に取り組んでいます。
給食が会食恐怖症のきっかけになることも
会食恐怖症に苦しむ人は、給食や部活など学校での指導がきっかけとなったケースが少なくありません。山口さんが代表を務める一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会が行ったアンケート(2019年11月実施)によると「完食指導や周りからの強要」が原因となった人が34.7%。そのうち、72.1%が「給食で先生から」と回答しています(※1)。
Q. 会食恐怖症の1番のきっかけとなったことを教えてください。
●完食指導や周りからの強要…223人(34.7%)
●その他、体調不良から…135人(21.0%)
●明確には覚えていない…122人(19.0%)
●自分や周りの嘔吐に関する体験…115人(17.9%)
●周囲からの注目を浴びたことに関する体験…47人(7.3%)
《完食指導や周りからの強要》の具体的なシチュエーション
Q.《完食指導や周りからの強要》と答えた方(223人)は、具体的にどのようなシチュエーションで、誰からでしたか?
●給食で先生から…161人(72.1%)
●家族や親戚から…32人(14.3%)
●クラブ活動の指導者から…21人(9.4%)
●恋人や友人から…2人(0.8%)
●その他…7人(3.1%)
会食恐怖症は、社会不安症という精神障害の一つとされています。子どもたちが毎日接する学校給食が苦手になり、交友関係や通学などに支障をきたす。そんな不幸が起こらないよう、どのような対応が求められるのでしょうか。
※1 【図解】先生でもわかる会食恐怖症 | きゅうけん|月刊給食指導研修資料
学校現場も給食指導に苦慮する一方、変化の兆しも
山口さんによると、学校によっては、先生も給食指導に悩んでいるケースが少なくないといいます。
山口さん「ある中学校の先生は、自分のクラスの残食が多いと隣のクラスの先生から『多いですね』と指摘されるのがつらくて、残った給食を自分で食べているとお話されていました。子どもだけでなく、先生もプレッシャーを感じ、給食の時間がつらいと感じている実態があります」
残食ゼロというプレッシャーに晒されている先生の置かれている状況が、子どもたちを追い込んでしまっていないか、気になるところです。
都内の小学校で勤務経験があるかたによると、「先生も、非常に忙しいなかで給食の指導に悩みながら、子どものためを思ってルールを設定しています。また、給食指導をしっかりしてほしいという保護者のかたもいれば、自由でいいという保護者のかたもいる。その間で先生が苦しんでいるというのが実情です」
●完食指導や周りからの強要…223人(34.7%)
●その他、体調不良から…135人(21.0%)
●明確には覚えていない…122人(19.0%)
●自分や周りの嘔吐に関する体験…115人(17.9%)
●周囲からの注目を浴びたことに関する体験…47人(7.3%)
《完食指導や周りからの強要》の具体的なシチュエーション
Q.《完食指導や周りからの強要》と答えた方(223人)は、具体的にどのようなシチュエーションで、誰からでしたか?
●給食で先生から…161人(72.1%)
●家族や親戚から…32人(14.3%)
●クラブ活動の指導者から…21人(9.4%)
●恋人や友人から…2人(0.8%)
●その他…7人(3.1%)
会食恐怖症は、社会不安症という精神障害の一つとされています。子どもたちが毎日接する学校給食が苦手になり、交友関係や通学などに支障をきたす。そんな不幸が起こらないよう、どのような対応が求められるのでしょうか。
※1 【図解】先生でもわかる会食恐怖症 | きゅうけん|月刊給食指導研修資料
学校現場も給食指導に苦慮する一方、変化の兆しも
山口さんによると、学校によっては、先生も給食指導に悩んでいるケースが少なくないといいます。
山口さん「ある中学校の先生は、自分のクラスの残食が多いと隣のクラスの先生から『多いですね』と指摘されるのがつらくて、残った給食を自分で食べているとお話されていました。子どもだけでなく、先生もプレッシャーを感じ、給食の時間がつらいと感じている実態があります」
残食ゼロというプレッシャーに晒されている先生の置かれている状況が、子どもたちを追い込んでしまっていないか、気になるところです。
都内の小学校で勤務経験があるかたによると、「先生も、非常に忙しいなかで給食の指導に悩みながら、子どものためを思ってルールを設定しています。また、給食指導をしっかりしてほしいという保護者のかたもいれば、自由でいいという保護者のかたもいる。その間で先生が苦しんでいるというのが実情です」
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