(「河北新報」令和元年12月1日(日)付け記事より引用)
義務教育を修了できなかった人たちが学び直す仙台・自主夜間中学の開校5周年記念講演会「いのちのことば」が、教室にしている仙台市青葉区の市市民活動サポートセンターであった。運営団体「仙台に夜間中学をつくり育てる会」が主催し、生徒や市民約70人が聴講した。
脳性まひなどで重度障害のある太白区の詩人大越桂さん(30)と母親の紀子さん(58)、フリーアナウンサー渡辺祥子さん(54)が講師を務めた。
桂さんは13歳の時に気管切開で声を失い、コミュニケーションの手段はもっぱら筆談。講演会は紀子さんが桂さんと筆談でやりとりし、桂さんの経験や思いなどを代弁した。渡辺さんによる詩の朗読もあった。
桂さんは「筆談を覚えたことで『勉強したい』という思いを伝えられた。小説を読んだり歴史を勉強するなどし、世界が広かった」と学ぶ面白さを強調。「勇気を出して、自ら学び直しめ道を選んだ皆さんは素晴らしい。継続してほしい」
と生徒にエールを送った。
夜間中学で学ぶ青葉区の主婦越後康子さん(69)は 「一歩を踏みだすことが大切だと再認識した。今後も新しいことを一生懸命学んでいきたい」と語った。
講演会は11月6日に開かれた。