ホルマリンのマンネリ感

北海道在住、ホルマリンです。旅行、怪しい珍スポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、昭和レトロなどなど…。

乙部町 シラフラ

2023-03-24 01:39:40 | ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編


(2020年8月訪問)

新型コロナウイルスの流行で、海外旅行はまだ気が引ける……。そんな貴方へ(?)。
異国へとGO TOできる素敵な景勝地が、北海道の桧山管内乙部町にあります。


場所は日本海に面した町はずれの滝瀬海岸
シラフラという不思議な名前のこの場所は、アイヌ語で「白い傾斜地」を意味するそうです。
高台にシラフラを見下ろせる展望スペースがあったので、まずは立ち寄ってみます。


おぉ~!予想以上に壮観!
いやが上にも高まる期待!


案内板に従い、住宅街の奥の駐車スペースへ。
滝瀬海岸へと続く細道を降りて行きます。


ものの数分で海岸へと降りることができました。
この辺りの地質は、数百万年前の火山の噴火で火山灰が堆積したものらしく、独特な景観となっています。




そして忘れてはいけない海岸のもう一つの見どころくぐり岩
かつて乙部町は「ニシンの千石場所」と呼ばれるほどニシン漁で栄えた地域。
約400年前に、かつての漁師たちがニシンを運ぶ陸路に使うため開けた穴だそうです。


さて、いよいよシラフラへ。
早朝ということもあってか、人っ子一人いない静かな砂浜をしばらく歩いていくと……見えてきました。






……北海道で生まれ育ってもうすぐ30年ですが、見た事の無い光景が目の前に広がっていました。
噴火による軽石が海底の貝類などと共に堆積し、隆起して出来上がった地層との事で、高さ数十メートルの白亜の断崖5~600メートルほど続いています。
あいにく曇天なのが残念ですが、それでも圧巻ですよね。


正直、この場所の存在はつい最近まで知りませんでした。
訪れる人もそう多くはなさそうで、知る人ぞ知る超穴場の景勝地といったところでしょうか。
調べてみると夕陽がとても綺麗との事で、晴れている日にまた訪問してみたいところです。

シラフラ
北海道爾志郡乙部町字滝瀬
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中頓別鍾乳洞(後編)

2021-10-11 20:48:10 | ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編


中頓別鍾乳洞(後編)前編はこちら


上部に開けた「メアンダートレンチ」(かつて水の流れがあった痕跡)を見上げながら、岩の隙間に作られた木製の階段を上って行きます。
ところどころで岩が出っ張っているので、頭をぶつけないように注意ですね。


やや急な階段を15メートルほど進むと、通路は右に大きくカーブしていました。
この辺は予想以上に狭く、中腰でないと進めないので中々ツラいですね……(笑)。


さて、見学路の半分以上を進んできましたが、当麻鍾乳洞で見られるようなツララ状の鍾乳石はここでは見られません。
これは、この第1洞が前回お話ししたように4層(階)構造である事が関係しています。
鍾乳洞は、雨水が地面に染み込んで石灰岩を徐々に溶かし、空洞が生まれることで形成されます。
さらに、石灰岩の炭酸カルシウムが溶け込んだ地下水が鍾乳洞内に染み出してくると、洞内の空気に触れることによって再度固まり、鍾乳石が形成されるわけです。

ここ中頓別鍾乳洞の第1洞は4階部分にある第4支洞、3階の第3支道、第2支道の順に形成され、地下水は徐々に下に落ち込んで停滞。
その後、溶食によって形成された主洞(現在いる場所)は地下水の吐き出し口となり、内部の崩落を伴いながら拡大し、現在の形になったとのことです。
よって鍾乳石などは無く、代わりに水流によって形成された侵食地形が見られるということなのです。
(※3層部分には鍾乳石があるとのことですが、安全性の関係で非公開。)


板張りのスロープを抜けると、洞内は緩やかにカーブして行き止まりとなっていました。見学路はここで終了です。
ここでは、かつて水面があったことを示す連続した窪み「ノッチ」を観察することが出来ます。



戻りぎわ、少し開けた支洞?と思われる箇所を見学路から覗き見。
人が入れる規模の洞内なのか分かりませんが、今いる主洞の他にも地下空間が広がっていることを考えるとワクワクしますよね。
そして苔がキレイ。地下水が水滴になってキラキラ輝いていました。



第1洞を出て、第3、4洞を目指します。



残念ながら現在はいずれも立ち入りは出来ないようですが、入り口だけでも見ておこうと思いまして。
なお、道中には手動のクマよけサイレンが……(゜ロ゜)
ハンドルを回すとパトカーみたいなサイレンが大音量で鳴ります(笑)。


カルスト地形に関連したドリーネがあちこちに見られます。
雨水が地下に浸透する際、周囲の石灰岩を溶かすことによって出来るすり鉢状になった窪みのことを指します。これは四国カルストでも見ることができましたね。
大抵、ドリーネの下には鍾乳洞があるとの事で、もしかしたらまだ未発見の鍾乳洞があるかもとのこと!

第3洞に到着。

入口は幅3メートル、高さ1メートル程度。
奥行きは30メートルほどで、かつては多くの鍾乳石が生成していたとのことですが、内部の崩落が進んでしまったため、現在は立ち入り禁止となっています。残念。

続いて第4洞へ。

こちらの入り口は幅1メートル、高さ1.2メートルほど。
規模は約15メートルと小さいものの、こちらでも鍾乳石が確認できたといいます。現在は崩落で立ち入り禁止です。


第3洞、第4洞ともにドリーネの底部に入り口が開口しており、我々見学者は岩の割れ目へ降りて行き、入り口を覗きこむかたちとなっています。
特徴的な地形が楽しく、青々と苔むした岩肌が両側に迫り、何やら幻想的でもありますね(^_^)。


第4洞のドリーネ開口部のすぐ脇には、樹齢500年と言われる立派なミズナラがそびえていました。
この森のといったところでしょうか。
幹にはかつて受けた落雷の跡がありますが、長い年月をかけて少しずつ再生を続けているのだそう。


最後に。「ぬく森館」の前にあった貝殻石灰岩です。
近づいてみると、ホタテガイの化石が密集しているのが分かりました。

中頓別町、いまいち何があるのかイメージしづらい町ですが、中心部にある中頓別町郷土資料館では、同町の開拓や砂金採取の歴史などが学べるほか、重さ205匁(768グラム)の日本一の塊金や古いダットサンの消防車などが見られるのでオススメです(入館料一般120円)。近くの定食屋も美味しかったし。


完。
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中頓別鍾乳洞(前編)

2021-10-10 17:49:49 | ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編

・中頓別鍾乳洞(枝幸郡中頓別町字旭台)
(2020年8月訪問)

北海道内の鍾乳洞といえば、高純度の見事な鍾乳石が見られる上川郡当麻鍾乳洞が有名ですが、道北の中頓別町にも一般公開の鍾乳洞があると知ったのは比較的最近のことです。
日本の鍾乳洞の多くは、サンゴをはじめとする石灰質の殻などが暖かい海底に堆積した後、地上に押し上げられた石灰岩層に出来たもの。
対して、中頓別鍾乳洞はサンゴのいない冷たい海で、フジツボ類やホタテガイの殻が堆積した貝殻石灰岩にできた大変珍しい鍾乳洞であるといいます。
形成時期は比較的新しいものの、昭和13年には道の天然記念物に指定されており、一帯は日本最北のカルスト地形として、数々の特徴的な風景が見られるとのこと。


2020年8月16日。オロロンラインを北上、稚内宗谷岬を経由し、猿払、浜頓別のオホーツク海沿いを南下して中頓別町にやってきました。遠いですね……。
看板に従い、鍾乳洞のある「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」を目指します。


公園入口のゲストハウス「ぬく森館」に着きました(入館無料)。
1000万年前は海の底だったという中頓別町。鍾乳洞の概要や発見に至る経緯をはじめ、町内で採取された化石などが展示されているのでまずはお勉強しましょう。

鍾乳洞内にはコウモリもいるようです。

モモジロコウモリとウサギコウモリが生息しているとか。
運が良ければ出会えるかも!」とありますが、狭い洞窟内で飛び回られたら嫌だな……(^_^;)
その他、ニホンザリガニやカマドウマ、トビムシなどが住んでいるそうです。


ここ「ぬく森館」から鍾乳洞まで数百メートル歩くのですが、公園内と言えども周辺にはヒグマが多いのか、ご覧の通りクマよけの鈴が貸し出しされています(!!)
さまざまな大きさや音があり、好きなものを選べます(笑)。適当に革製ベルトでぶら下げられる大きめのをチョイスしました。
いきなりの探検ムードに気分が高まってきました……。

なお、公園、鍾乳洞ともに無料ですが、同館で協力金を受け付けています。


公園内マップです。敷地内にはメインの第1洞のほか、第3洞、第4洞があるようです(第2洞は土砂崩れにより入口消滅)。
そして鍾乳洞の他にも、カルスト地形に関連した見どころが点在しています。

階段を登って行くと、最初の見どころ「軍艦岩」が現れました。



これぞ、約1000万年前、まだ海の底だった頃にフジツボやホタテガイの死骸が堆積した貝殻石灰岩です。
隆起と河川による浸食で、このように取り残されるような形になったと考えられています。
縞状の模様になっているのは何度も堆積を繰り返したことによるもので、フジツボ類の密集度の違いによって、侵食時に段差がついたのだそうです。
近づくと、フジツボの細かな破片によって岩が形成されているのが分かります。

ひとけの無い遊歩道、ケータイは圏外……。



昭和31年、北海タイムズ社の「文化財百選」に選定されたときの記念碑が、石灰岩の上に建っていました。


そして鈴をガラガラ鳴らして歩くこと約15分、ついに鍾乳洞入り口(第1洞)に着きました!!


この第1洞は長さ約170メートル、高低差15メートルの範囲が入洞可能との事ですが、全体で見ると4層(階)構造となっており、道中に第2支洞(約60メートル)、第3支洞(約90メートル)が直角で交わっています(いずれも入洞不可)。
我々見学者は1階から3階部分へ登って行く形になるわけです。



入り口ではご親切に懐中電灯がレンタル可能。これまた気分を高めてくれますね(^_^)。
さっそく一本お借りし、探検スタートです。


まずは、高さ数メートルはある縦長の見学路を進んでいきます。
天井を見上げると岩が波打って開けており、これはかつて蛇行する水の流れがあった痕跡、「メアンダートレンチ」と呼ばれるものだそうです。


少しずつ奥へと進んでいきますが、一定間隔でライトアップされているため、懐中電灯を使わずともそれなりに明るいです。
見学路から奥を覗きこむと、流水による浸食などで岩が滑らかに形成された「波状溶食痕」が確認できます。



そして、ここから階段を上り「2階」部分へ。
だんだん狭くなってきましたよ……。


後編へ続く。
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円山原始林

2015-08-10 16:48:04 | ホルマリン漬け北海道 大自然の驚異編
(2011年訪問)

円山公園の奥に広がる、神秘のパワースポット。



 札幌市民には言わずと知れた、標高225mの小さな山「円山」。地下鉄駅からそれほど遠くなく、標高も低いので、誰でも気軽に登れる山として市民に親しまれている。四国八十八か所を模したという、地蔵の点在する登山道も魅力的だ。
 実は、円山を含む麓の森は、「円山原始林」として、国の天然記念物に指定されている。指定年は大正10(1921)年で、北海道で最初に指定された天然記念物となっている。
 この円山原始林は、とある雑誌でその存在を知り、「これは凄そうな場所だ」と言う事で、学校に提出する「写真講座」の素材集めも兼ねて、探索してきた。やはり、太古の姿を残す森と言われているだけあって、その凄さは期待以上のものであった。森のあちこちに、樹齢数百年はありそうな大木がたくさんあり、中央区に存在するにもかかわらず、少し「屋久島」的な光景が広がる。鳥の声に交じり、近くの道路を走る車の音や、夏の大会で白熱している円山球場からの歓声が聞こえてくるが、そんな事を忘れてしまうほど、この森は厳かな雰囲気に満ちている。









「円山原生林を散歩していると、時々リスに会えることがある」という話を耳にしていたので、少しワクワクしながら散策していたのだが、まさかこの1日で2種類も見られるとは思ってもいなかった。上のシマリスは2、3匹でじゃれあったり、倒木の近くを走り回っていたが、カメラを向けると立ち止まってポーズもとってくれた。イイ奴だ。

そして右のエゾリスは、登山道を歩いていた時、登山客の親子がしゃがみ込んでいたので、何かと思って見ると、何やら木の実を食べていた。すぐ近くでしばらく観察していたがまったく逃げず。人間慣れしているのだろうか。

完。
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