
その日は大雪だった。
大粒のベタッとした雪が、結構な勢いで頭に落ちてくる。それほどの距離は歩いていないのに、あっという間にコートが真っ白になる。
「こりゃたまらん!!」
駅前の大通りを歩いていた僕は、避難するように一件のショッピングセンターへと入った。
すると。途端になんともオシャレな吹き抜け部分が目に飛び込んできた。


まるで、入口から入ってきた者を歓迎するかのようにドドンと配置された階段。その堂々とした構造は、なにやら西洋の巨大なお屋敷を思い出させる(←ちょっと大げさか)。
「むむ。この建物は只者ではない感じがするぞ・・・。」
すぐさま、内部をくまなく散策する。道路を挟んだ向かいにある某有名スーパーに人が流れて行ってしまっているのか、かなり閑散としており、空き店舗も多い。
結構古めの物件らしく、建物内は昭和のかおりが色濃く残っていた。
素朴な字体の、それでいて堂々とした風格のある看板たち。わずかなスペースにこぢんまりと設けられた靴修理コーナー。理髪店の70年代感あふれるイラスト、占い屋・・・。
時が、止まっている・・・。
すっかり魅了されてしまった僕は、夢中でシャッターを押し続けた・・・。








建物の外観には、お世辞にもカワイイとは言い難い動物たちのイラストが。その中に紛れて何気に「バ○ビ」(小鹿)もどきの姿も・・・。


2階は、1階に増して空き店舗が多い、むしろ殆ど空き店舗でガランとしている。酒屋、呉服屋、理髪店など数店舗が営業しているのみ。

当時のままの案内看板。2階は「ペット」「電化製品」「食堂」などの表示があり、かつては巨大な複合ショッピングモールであった事がうかがえる。現在のガラガラの光景を見るとなんとも悲しい。

ということで、ホームページでは未公開の写真を紹介する「蔵出し写真館」コーナー、久しぶりの今回は、札幌市・地下鉄東豊線「東区役所駅前」にある「ショッピングセンター光星」でした。かれこれ2年前の初め(当時高校1年)に撮影した写真なんで、全体的にヘタクソさが目立ちますね(笑)。あと、この時は若干カメラの調子がおかしかったので、全体的に露光過多なのが気になります。
思いがけず発見したレトロ物件で、当時は結構なネタだと思ったんですが、後に冷静に考えてみるとHPで公開するにはパンチに欠ける、ということでお蔵入りになっていたんですね。つい最近、北海道新聞の記事に「寂れているショッピングセンター光星を地元の高校生がPR!」的な記事が載っており、PC中に写真が眠っているのを思い出して公開ということになりました。
実はこの物件、隣に大手100円ショップのテナントが入っており、直結でつながっているのですが、流れてくるお客さんは殆どいません。賑やかな100円ショップと、ひとけの無いレトロなセンター内のギャップがまた楽しかったです。
ショッピングセンター光星・・・札幌市東区北12条東7
(今回は、店舗名の看板を写した写真を数枚UPしましたが、問題がある場合はお知らせください。)