~念願の自販機バーガーを食す in埼玉~
2016年4月某日。東京研修生活20日間の合間に、私はとある昭和スポットを訪問した。
埼玉県の郊外にあるその場所の名は「オートレストラン鉄剣タロー」。
開業は昭和63年と比較的新しい方ですが、ここは知る人ぞ知る昭和自販機の聖地。
「うどん・そば」「トーストサンド」「ハンバーガー」などといった絶滅危惧種の自販機たちが現存し、故障もせず元気に稼働しているのは全国的にも大変貴重です。
昨今の自販機ブームのおかげで注目の集まる場所ですが、私も数年ほど前から憧れていた場所でした。
何と言っても自販機のハンバーガーが食べられるというのが、その最も大きな理由ですかね…(^_^;)。
2015年2月に「千葉県で自動販売機とふれあう旅」を決行した際、私は「うどん自販機」と「トースト自販機」は味わう事が出来たのですが、「ハンバーガー自販機」は残念ながら売り切れで食べる事が出来なかったという悔しい思い出があります。
今回の訪問で、念願の自販機バーガーは食べられるのでしょうか!?
…もはや執念ですね(笑)。それでは行きましょう。
4月某日、午前11時半。
同期と渋谷で飲み会をしていたので寝ていないのですが、そのままJRのフリーきっぷを購入して埼玉県へ。
都内から電車に揺られること1時間ほど、「吹上」駅で下車してしばらく歩きます。
駅からはそれなりに距離があるのですが、周囲には畑が広がっており「これまたヘンピな場所に来てしまった…」と一人で苦笑い。私の旅はいつもこうですね。(^_^;)笑
高架を走る北陸新幹線「かがやき」を見る事が出来たのは嬉しかったですが♪
…直線道路を歩き続けること30分ほど。
広い通りに面して、ようやく目的の「鉄剣タロー」が見えてきました!(*^_^*)
・オートレストラン鉄剣タロー(埼玉県行田市下忍315-1)
いや~、昭和感漂いまくりの店名とこの外観。やっと来る事ができました!(*^_^*)
広い駐車場が示すように、本来はドライバーの休憩所という位置づけのようですね。
そして「鉄剣タロー」という印象的な名前は、近くに史跡として残る「埼玉(さきたま)古墳群」から出土した鉄剣にちなんでいるそうです。
それでは、さっそく店内へ。
…ガランとした店内は予想よりも小さめか。名物のカラフルな蛍光灯は日中なので存在感が薄いですが、夜は怪しげな雰囲気を演出するといいます。
中央には休憩のできる机といすが3セットほど。その後ろには噂の自販機たちが横一列に並ぶ。
壮観ですね!
そしてその奥には年代物のゲーム機たちがズラリ。クレーンゲームは壊れていたり、中の景品が黄ばんでいたりとやはり昭和テイスト。数年前までは更に多くの旧型ゲームがあったとのことですが、少し整理されてしまったようで残念ですね…。
なお、入店時はゲーム中のお客さんが一人いるだけでした…。
では、いよいよ一番の目的であるハンバーガー自販機を。
ズラリと並ぶ新旧の自販機たちの中に。
あった。(しかもトースト自販機と仲良く並んでいます♪)
チーズバーガー220円。ボタンは3つありましたが、2つはテープで封鎖されていました。残る1つのボタンはひび割れ、すっかり黄ばんでしまっています…。
このタイプのハンバーガー自販機は昭和46年~平成6年まで製造されたようで、稼働するものは全国で10数台しか残っていないのだとか。この風格をとくとご覧あれ。
品切れを心配していましたが、まだ残っているようでホッと一安心。やっと辿り着いて売り切れだったらシャレになりませんからね(^_^;)。
ドキドキしながらお金を入れてボタンを押すと、「加熱中」のランプが光り出して隣のタイマー(ニキシー管)がしっかりカウントダウンを始めました!
そして待つこと1分。「チンコン」という小さい音が鳴るとともに、取り出し口からゴトンという音が…。
これが念願の自販機バーガー。
ご覧の通り、小さな箱に入っています(*^_^*)。しっかり温まっていて、取り出す時は箱から湯気が出ていました。
紙の独特な匂いと共に取り出すバーガーは重量感があり、パテも分厚いです。
ひとくち食べてみると、ソースはややトマト風味が強く、更にタマネギが利いている印象で、チェーン店のハンバーガーとは全く違った味わいでした!(^-^)
パンは多少シワシワですが、さほど気にならず。分厚い肉とトロトロのチーズが合って美味。かなり食べごたえがありました!
こちらのバーガーは、「マルイケ食品」という群馬県のメーカーが販売している自販機専用のハンバーガーだそうで、噂によると週に2回、おばあさんがわざわざ車を走らせて補充に来ているのだそうです。
…ううむ。自販機でこの味わい。値段に見合った予想以上のクオリティでしたよ。
そして素朴なデザインの箱は持ち帰るのが鉄則ですね!(笑)
店内の至る所にある機械類、そのすべてが年代物な雰囲気ですね。
次回!トーストサンドを味わう!
続く。