1日目 午後2時45分。
立ち入ることのできない2両目には、ご覧のとおりモノレールを利用する家族がマネキンで再現されています。
館内の解説によると昭和40年代をイメージしているそう。
また、車両両端の運転席、車掌室にはそれぞれ運転士さんと車掌さんの人形も置かれ、往時の雰囲気を充分に感じることが出来ます(*^_^*)。
車両側面に付いている模様は姫路市の市章です。
米ロッキード社製という事で、車両は航空機の技術を利用しアルミ合金が用いられました。
軽量化、強度を両立させた当時最新鋭の設計であったといいます。
ホーム上にあるモノレールの各種展示。
全国のモノレールの解説や当時の計器類の実物、また現役時の写真などを見ることができます。
そして実際の車両の部品もズラリ。こちらは解体されてしまった100系車両のものになります。
そして。モノレールのほかに、1966(昭和41)年に開催された
「姫路大博覧会」の展示もありました。
実は、姫路モノレールが建設されたのは、こちらの姫路大博覧会がきっかけ。
姫路駅から手柄山を結ぶ交通手段かつ会場の目玉として、市の期待を背負って開業した路線だったのです。
構想を練ったのは、石見利勝 前・姫路市長の父、石見元秀氏。
当時の姫路市は人口が増え続け住宅が密集、また地上を走る鉄道での踏切事故が問題となっていたため、「用地が少なく立体交差が可能なモノレールを」という考えであったようです。
当時の構想は壮大なもので、なんと行く行くは鳥取まで延伸する計画まであったようです(^_^;)。
…しかし、博覧会が終了してからというもの、モノレールの利用者は激減。
距離が1.63キロ程度であったという事、また運賃が100円と高額であった事などが災いしたのでしょう(当時の市バス運賃は10円)。
15分に1回ほどという運行ダイヤもあって「歩いたほうが早いんじゃない??」と、市民はどんどん離れて行ってしまいました…。
後にモノレール反対派の新市長の誕生、またロッキード社の撤退なども追い打ちとなり、開業8年目で運行休止。
利用者を増やすてこ入れとして、一時期は姫路城まで延伸するという案も上がっていましたが、その構想もむなしく1979(昭和54)にとうとう廃止となってしまいました。
姫路大博覧会以後、いつの間にか「姫路の恥」として黒歴史扱いされてしまっていた姫路モノレール。
しかし、悲劇の路線に対する市民の関心は意外と高く、長らく放置されていた駅や車両たちが観光資源として再評価。
小奇麗な展示館に生まれ変わったこの場所には家族連れが絶え間なく訪れ、かつての車両は子どもたちの格好の遊び場に(週末なので大変にぎやかでした)。
廃止から数十年を経て、姫路モノレールは再び光が当たることとなったのです。
石見利勝 前・市長も、父の名誉挽回といった感じで大変うれしく思っている事でしょう(*^_^*)。
午後3時。
モノレール展示館の見学後、姫路大博覧会の会場となった手柄山中央公園を散策してみます。
なかなか大きな公園で、市民プールや体育館などが集中する市民の文化拠点になっています。
そして、博覧会当時に作られた施設も残っているという事で、モノレール展示館とともに楽しみにしていた場所なのです(*^_^*)。
手柄山温室植物園(左)と、太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔(右)
なかなか立派な規模のタマネギ型ドーム。レストハウスに姫路モノレールのオリジナルグッズがあるという事で来てみましたが、残念ながら目ぼしいものは売り切れてしまったようでした(T_T)。
そして太平洋戦争の空爆犠牲者を供養する慰霊塔。先ほど見た姫路大博覧会のジオラマにもちゃんとありました。
剣を地面に刺したさまをイメージしており「もう戦争はしません」という意味が込められているのだそうです。
手柄山回転展望台
こちらも先ほどのジオラマにちゃんとありました。
博覧会のシンボルタワーとして1966(昭和41)年に建設されたもので、一度見たら忘れられないような特徴的なデザインをしています。
その名前の通り、てっぺんの展望台には床ごと回転する喫茶店があったそうです(14分で1周)。
昭和の雰囲気そのままの大変レトロな施設だったようですが、残念ながら去年の3月に老朽化で閉鎖されてしまい、現在は中へは入れませんでした……。
スリラー塔とロックガーデン
これぞ姫路大博覧会の雰囲気を最も感じられる建物。お城風の変わった形の建物がそびえ、とても不思議な風景です。
それにしても、どうしてこんなホラーな名前にしたんでしょうね……(^_^;)。
小さな内部は意外と入り組んでおり、らせん階段で上部に上ることも可能。何も無いですが、一応展望フロアになっていました。
最上階から姫路市街を眺める。
大雨に霞む姫路城…。
姫路城がこれほど高い建物だとは知りませんでした。
そしてそのだいぶ手前、看板が付いた三角屋根の倉庫の向こうにモノレールの軌道跡もちゃんと見えますよ(*^_^*)。
ここからは新幹線が行き交う高架も眺めることができ、しばらく一人で展望を楽しみました。
午後5時。
相変わらずの強い雨の中、再び歩いて姫路駅前に戻ってきました。
体じゅうビチョビチョで歩くのもそろそろダルい。
「モノレールがあればな…」と本気で思いました(笑)。
宿ですが、駅前に安いのに超キレイなカプセルホテルを見つけたので迷わずそこにしました。
しかもチェックイン時「ネットから手続きだと1000円安くなりますよ~」ってどんだけ良い場所なんだ…(T_T)。
全国のカプセルホテルもこれぐらい素晴らしくあってほしいものですな。
濡れた衣類を干してシャワーを浴び、すぐ隣のアーケード街で夕食を食べて早々に眠りに就きました。
1日目、完。
次回!2日目!
チャリで朝の姫路城&ローカル列車で岡山の山中へ!
続く。
立ち入ることのできない2両目には、ご覧のとおりモノレールを利用する家族がマネキンで再現されています。
館内の解説によると昭和40年代をイメージしているそう。
また、車両両端の運転席、車掌室にはそれぞれ運転士さんと車掌さんの人形も置かれ、往時の雰囲気を充分に感じることが出来ます(*^_^*)。
車両側面に付いている模様は姫路市の市章です。
米ロッキード社製という事で、車両は航空機の技術を利用しアルミ合金が用いられました。
軽量化、強度を両立させた当時最新鋭の設計であったといいます。
ホーム上にあるモノレールの各種展示。
全国のモノレールの解説や当時の計器類の実物、また現役時の写真などを見ることができます。
そして実際の車両の部品もズラリ。こちらは解体されてしまった100系車両のものになります。
そして。モノレールのほかに、1966(昭和41)年に開催された
「姫路大博覧会」の展示もありました。
実は、姫路モノレールが建設されたのは、こちらの姫路大博覧会がきっかけ。
姫路駅から手柄山を結ぶ交通手段かつ会場の目玉として、市の期待を背負って開業した路線だったのです。
構想を練ったのは、石見利勝 前・姫路市長の父、石見元秀氏。
当時の姫路市は人口が増え続け住宅が密集、また地上を走る鉄道での踏切事故が問題となっていたため、「用地が少なく立体交差が可能なモノレールを」という考えであったようです。
当時の構想は壮大なもので、なんと行く行くは鳥取まで延伸する計画まであったようです(^_^;)。
…しかし、博覧会が終了してからというもの、モノレールの利用者は激減。
距離が1.63キロ程度であったという事、また運賃が100円と高額であった事などが災いしたのでしょう(当時の市バス運賃は10円)。
15分に1回ほどという運行ダイヤもあって「歩いたほうが早いんじゃない??」と、市民はどんどん離れて行ってしまいました…。
後にモノレール反対派の新市長の誕生、またロッキード社の撤退なども追い打ちとなり、開業8年目で運行休止。
利用者を増やすてこ入れとして、一時期は姫路城まで延伸するという案も上がっていましたが、その構想もむなしく1979(昭和54)にとうとう廃止となってしまいました。
姫路大博覧会以後、いつの間にか「姫路の恥」として黒歴史扱いされてしまっていた姫路モノレール。
しかし、悲劇の路線に対する市民の関心は意外と高く、長らく放置されていた駅や車両たちが観光資源として再評価。
小奇麗な展示館に生まれ変わったこの場所には家族連れが絶え間なく訪れ、かつての車両は子どもたちの格好の遊び場に(週末なので大変にぎやかでした)。
廃止から数十年を経て、姫路モノレールは再び光が当たることとなったのです。
石見利勝 前・市長も、父の名誉挽回といった感じで大変うれしく思っている事でしょう(*^_^*)。
午後3時。
モノレール展示館の見学後、姫路大博覧会の会場となった手柄山中央公園を散策してみます。
なかなか大きな公園で、市民プールや体育館などが集中する市民の文化拠点になっています。
そして、博覧会当時に作られた施設も残っているという事で、モノレール展示館とともに楽しみにしていた場所なのです(*^_^*)。
手柄山温室植物園(左)と、太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔(右)
なかなか立派な規模のタマネギ型ドーム。レストハウスに姫路モノレールのオリジナルグッズがあるという事で来てみましたが、残念ながら目ぼしいものは売り切れてしまったようでした(T_T)。
そして太平洋戦争の空爆犠牲者を供養する慰霊塔。先ほど見た姫路大博覧会のジオラマにもちゃんとありました。
剣を地面に刺したさまをイメージしており「もう戦争はしません」という意味が込められているのだそうです。
手柄山回転展望台
こちらも先ほどのジオラマにちゃんとありました。
博覧会のシンボルタワーとして1966(昭和41)年に建設されたもので、一度見たら忘れられないような特徴的なデザインをしています。
その名前の通り、てっぺんの展望台には床ごと回転する喫茶店があったそうです(14分で1周)。
昭和の雰囲気そのままの大変レトロな施設だったようですが、残念ながら去年の3月に老朽化で閉鎖されてしまい、現在は中へは入れませんでした……。
スリラー塔とロックガーデン
これぞ姫路大博覧会の雰囲気を最も感じられる建物。お城風の変わった形の建物がそびえ、とても不思議な風景です。
それにしても、どうしてこんなホラーな名前にしたんでしょうね……(^_^;)。
小さな内部は意外と入り組んでおり、らせん階段で上部に上ることも可能。何も無いですが、一応展望フロアになっていました。
最上階から姫路市街を眺める。
大雨に霞む姫路城…。
姫路城がこれほど高い建物だとは知りませんでした。
そしてそのだいぶ手前、看板が付いた三角屋根の倉庫の向こうにモノレールの軌道跡もちゃんと見えますよ(*^_^*)。
ここからは新幹線が行き交う高架も眺めることができ、しばらく一人で展望を楽しみました。
午後5時。
相変わらずの強い雨の中、再び歩いて姫路駅前に戻ってきました。
体じゅうビチョビチョで歩くのもそろそろダルい。
「モノレールがあればな…」と本気で思いました(笑)。
宿ですが、駅前に安いのに超キレイなカプセルホテルを見つけたので迷わずそこにしました。
しかもチェックイン時「ネットから手続きだと1000円安くなりますよ~」ってどんだけ良い場所なんだ…(T_T)。
全国のカプセルホテルもこれぐらい素晴らしくあってほしいものですな。
濡れた衣類を干してシャワーを浴び、すぐ隣のアーケード街で夕食を食べて早々に眠りに就きました。
1日目、完。
次回!2日目!
チャリで朝の姫路城&ローカル列車で岡山の山中へ!
続く。