ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

北海道秘宝館跡 ~戦慄の迷宮廃墟~(前編)

2015-08-06 23:11:41 | ホルマリン漬け北海道 珍スポット編
※エロ&ホラーあり。やや閲覧注意!
(2013年1月撮影 2015年に解体済み)


 札幌の奥座敷、定山渓温泉地区に存在していたエロスのパラダイス「北海道秘宝館」。1980年にオープン、2010年に閉館するまで「滝野霊園」「レトロスペース坂会館」「北の京芦別」と並ぶ北海道を代表する珍スポットであった。ボロッボロの外観は現役当時でも殆ど廃墟同然であり、黄ばんだ外観に「秘宝館」の巨大看板、隣にはこれまた特大の観音像(涙を流すとして話題になったらしい)を備えており、なんとも異様な雰囲気。しかも、温泉街の入り口に堂々と存在しているもんだから、温泉目当てで、もしくは中山峠越えで通りかかる人間には1000%目に入る物件であった。なお、道路拡張で解体されるという噂が現役時から流れていたが、閉館後もしばらく放置され続け、2015年についに解体された。

 秘宝館―。珍スポットを代表するジャンルの1つである。1972年、三重県に「元祖・国際秘宝館」がオープンしたのを始まりに、日本各地に登場した「昭和の産業遺産」ともいえる施設。秘宝というだけあって、展示物のテーマはズバリ「性」に関するもの。お客さんは、マネキンや蝋人形がふんだんに使われたSEXのジオラマに歓喜し、交尾中の動物のはく製を見ながら(動物のチ○コの大きさに)驚嘆し、館内のあらゆる参加型のアトラクション(たとえば、ハンドルを回すと風が出てモンロー人形のスカートがめくれる、等)に子供のように夢中になる。昭和の時代だからこそ通用した、完全なるエロ・グロ・ナンセンスな世界であった。
 平成に近づくにつれて、徐々にその人気は薄れていき、各地の秘宝館は次々と閉館してゆく。2007年の「元祖・国際秘宝館」閉鎖のニュースは、全国の珍スポファンに相当な衝撃と悲しみをもたらした(僕もその1人。一度行ってみたかった・・・)。最盛期には全国に約20あった秘宝館。2013年現在、その中で現存するのはわずか1軒(静岡県熱海)のみ!!もう、秘宝館の時代は終わったのだ。

 北海道秘宝館も、比較的最近まで営業していた貴重な物件であり、現役時は「秘宝館の最後の生き残りのひとつ」として重要視されていた。僕も昔から入ってみたかった(もちろんエロに対する興味でなく、珍スポ的な興味からである!!!)のだが、当時はまだ18歳未満である。受付のオバサンに断られるのが怖くて、近寄る事もできなかった。18になったら絶対に行ってやるぞ!!と思っていたのだが・・・。残念ながら、僕が誕生日を迎える頃には既に「完全閉館」となっていたのであった。それまでも不定期(受付のオバサンの気まぐれ?)で細々と営業しており、風前の灯状態であったのだが、一時営業停止中の2010年に泥棒が入り、展示物数点が盗まれ再開不可能となってしまったのだ。GWには営業再開の噂もあったのに・・・残念だ。


で、その秘宝館、現在はどうなってるんだろうという事で、2013年1月、定山渓温泉を訪れた。
閉館からもう2年以上が経っているので所々崩壊個所が目立ち、昔にも増して異様な雰囲気を放っている。完全に「おばけやしき」だ。




戦慄の迷宮廃墟、



内部に侵入してきた!!

北海道秘宝館廃墟、実はこっそり内部へ潜入していたのである。というのも、訪問当時、入り口のドアは何者かによってすでに壊され、勇気さえあれば誰でも入れる状態となっていたのであった。
つい先日に「秘宝館廃墟、もしかしたら入れるかもしれない」という噂を聞き付けており、今回訪問した目的は内部探索
学校の授業もそこそこに、授業道具を抱えたまま定山渓行きのバスに飛び乗ったのである。
(※しかし、内部へ侵入したという記事はいくら調べても皆無であったため、この時は入れるかどうかははっきりと分からず、今回の行動は一種の「賭け」であった。)

真冬のため、建物周辺が深い雪におおわれており近づけなかったらどうしよう、と心配したのだが、先客によって作られた道がうっすらと残っていたので一安心。平日の昼、車通りが少ないのを良い事に、足首まで雪に埋もれながら堂々と強行突破。


入り口である。真っ赤なドアが御覧のようにパックリと割れ、漆黒の内部が丸見えとなっている(別に、そんな、アレな意味ではない)。
そして、門番のように構える巨大なチン●!!(真ん中にうっすらと見える茶色い物体)
・・・少し怖気づいてしまったが(下半身の方も)、懐中電灯を手に、いざ潜入!


階段を下りた正面には、いきなり巨大なヘビの剥製が奉られていた。その隣の祠には・・・何も無かった。盗まれちゃった?
先程も述べたとおり、ネットでいくら調べても、内部を調査したという記事は見当たらなかったので、もしかしたらこの辺に頑丈なドアがあり侵入不可能か?と思っていたのだが・・・そんなことはなく、真っ暗な闇へと続く入り口がポッカリと口を開けていた。何やら意味ありげな形のゲートには手書きで「カジュラホ」とある。
(※注:インドの村名、壁一面にSEXの彫刻が彫られたヒンドゥー寺院が世界遺産として有名。)

ふっ・・・。」思わず笑ってしまった。

あまりの暗さにビビってしまったが、ワクワクしてきた。まさか、一生叶わないと思っていた「北海道秘宝館入場」の夢が、こんな形で叶う事になるとは!
 2010年完全閉館とのことだが、営業停止中の時期を含めると、既に3年以上放置された物件という事になる。

エロ・グロ・ナンセンスの残骸カビの粒子が渦巻く漆黒の世界へ、いよいよ突入する!!
この先には何があるのか?果たして展示物はそのままなのか!?


懐中電灯の明かりの向こうに浮かび上がったのは、立派な木製の像と、壁一面を覆うあらゆるプレイの壁画!!・・・どうやらカジュラホの寺院のレプリカらしい。

そして、その中になぜか「くじらの性器」がヌラヌラと光っていた。色と形がスゴイ。メスのは僕の頭がスッポリ入るほどの大きさです。
それにしても、真っ暗闇に浮かび上がる巨大な性器・・・不気味だ。

部屋にガラスケースがあったが、やはり先客によって粉々に破壊され、カラッポであった。現役時に取材した人の記事によると、この部屋には年代物の、ゴム部分がもうカピカピになった性器具が、ホコリをかぶって展示(放置)されていたらしいが・・・。持ってってどうするんだ、先客よ。
・・・くじらの性器が無事なのが奇跡だ。

カジュラホの空間を抜けると、窓のある比較的明るい空間が出現・・・うわ!


部屋のド真ん中に交尾中の馬が!!!
そのままになっているとは!!


厚く埃を被りながらも行為にふける馬・・・何とも哀愁漂う光景ですな・・・。
それにしても、アレが驚愕サイズ!!!
いったい僕の何倍ほどの・・・いや、そういうのは考えないでおこう。

馬を囲うように様々な祠が並んでいたが、すべてもぬけの殻。かつてはあらゆる性の神々の像が並んでいたというが、盗まれちゃったのか。・・・犯人には今頃バチでも当たってりゃ良いが。
恐らく、馬の剥製はデカすぎるので(チン●ではなく体長が)、運び出せないために現在でも無事なのだろう。
…それにしても、もうすでに展示物は多くが持ち去られてしまった後なのだろうか!?


展示物の中で唯一マジメと思われる水子地蔵のコーナーを抜けると(さすがにお地蔵さんにはイタズラされていなかった)、再び闇へと続く空間の入り口が現れた。


秘宝館というのは、たいていは数々の部屋に区切られて迷路のように複雑な構造になっており、北海道秘宝館もその例に漏れない。誰もいない真っ暗闇ともなると、方向感覚が分からなくなるという事もありえる。そして、この先には何が待ち受けているのかも全く分からない。
下手なお化け屋敷より断然怖いぞ・・・。

・・・とりあえず、進んでみましょうか。


真っ暗な中、「よろめきの部屋」なる通路を抜ける。男、女の体が壁に埋め込まれており、暗闇で見ると非常にブキミ。どうやら部屋全体が揺れる仕掛けになっており、お客さんはチン●型の手すりに掴まりながら通過していた模様。
末期には故障しており、ただの通路になっていたらしいが・・・。

そこを抜けると吹き抜けの巨大な空間が現れた。ホントに真っ暗で何も見えず、こわごわと懐中電灯で照らしてみると、円形の舞台があった。
かつて、ここには巨大なアレが丸見えの先住民族風の人形がおり、カセット・テープのグヨグヨの音声とともに回転していたという。…2010年の泥棒侵入により、残念ながら盗まれてしまった物の一つである。

その向かいには「バイブレーター男根」の表示があったが、何もなし。都築響一氏『珍日本紀行』の1994年取材の記事には、巨大なチン○型のとてつもないデザインの椅子が置かれていたが、これも盗難済みか。・・・家のオブジェにでもするつもりだろうか。
跨るとなにやら凄い仕掛けが作動したというが、実物無き今は詳細はマスマス不明。


奥にはこんなアホなコーナーも。ボタンを押すと黄金のアレから水が噴出して、人形の頭の壺に見事命中させると、人形がひっくり返って局部丸見え、という仕組み。これも末期には故障中で、アレからはチョロッとしか水が出ず、何とも情けない状態だったという。
…埃が厚く積もっており、懐中電灯の薄暗い光の中で見る光景は随分と物悲しい。


階段を上りながら、吹き抜け部分を見下ろしてみると、壁のジャングル風の装飾が随分と凝っているのが分かる。
円形舞台の上の部分には、勇ましい馬やゴジラの絵から生えた極太のチン●が垂れ下がっている(スゴイ色!)。営業中はボタンを押すと元気に起きあがった・・・と言いたいところだが、これも故障していて(このエリア故障しすぎ!!)1本だけがフニャフニャと動くのみであったという。・・・迫力ある絵とブツに対して何とも情けないアクション(笑)。

その2へ!
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