広島、ボルゴグラードの日に
ハバロフスク原爆展で託された千羽鶴を公開
9月13日(日)広島市留学生会館で、「ボルゴグラードの日」イベントがありました。広島市とロシア(旧ソ連)のボルゴグラード市は、「原爆ないし通常兵器により人類史上未曾有の戦渦を身をもって体験したことにかんがみ、・・・両市が世界平和達成のために力を合わせて努力することが必要」と、1972年9月28日姉妹都市提携が成立しました。広島市は15年前から毎年9月の第2日曜日を「ボルゴグラードの日」と定め、催物を開催しています。
今年のプログラムはロシア・ボルゴグラードの紹介展示コーナー、ビュヒェート、セレモニー、ヒロシマ・メッセンジャーによるボルゴグラードの紹介、ロシア音楽コンサート、ロシアグッズ抽選会、参加者全員による合唱で構成されました。展示では、日本ユーラシア協会広島支部のコーナーに、8月6日ハバロフスク原爆展の映像がテレビで紹介されました。また原爆展を中心になって企画推進された神奈川県日本ユーラシア協会柴田会長からの原爆展のまとめが掲示され、ハバロフスクの子供たちや友好団体の人たちが折った千羽鶴が、ハバロフスク対外交流協会のリボンとともに公開されました。ビュヒェートでは、ロシア料理レストラン”ペチカ”特製のとても美味しいボルシチとピロシキ、それにグルジアワインなどが参加した全員に振る舞われました。セレモニーでは、実行委員長の黒川日本ユーラシア協会ヒロシマ支部長の他に、竹内副広島市長さんが挨拶され、来賓として、在大阪ロシア連邦総領事館のショールコワ・マリーナさんが上手な日本語で挨拶されました。
今日の広島は、「ボルゴグラードの日」と同じ時間に、ストップ!戦争法「1万人」の人文字行動が広島市中央公園でありました。いても立ってもおられずストップ戦争法の集会におよそ七千人の方が行かれたようですが、それでも「ボルゴグラードの日」に百数十人の参加がありました。ロシア音楽コンサートでロシア民謡を歌った広島合唱団は、戦争法案を強行採決しようとする動きを厳しく批判され、「私たちは歌声を通じて戦争法案を廃案に追いこみます」と高らかに宣言されました。これがとても印象に残りました。
ハバロフスクからの千羽鶴とリボンは「原爆の子の像」のところに展示されます。
(呉支部F)
ー参考ー【ボルゴグラードの日と日本ユーラシア協会】
2001年に広島市の姉妹都市であるボルゴグラードとの提携記念行事が企画された。背景としては国際化の流れの中で、海外からの留学生の増加、就業の為の定住者の増加があった。また行政施策として「行政と市民との協同」が提唱された。広島市には「ぺあせろべ」「国際交流協力の日」も立ち上がっている。6つの姉妹都市提携の意味を確認する必要もあった。ボルゴグラード市との姉妹都市提携は1968年から1972年にかけて機運が高まっている。調印から議会承認まで4年程かかっている。この間には広島市行政・議会関係者以外に様々な団体が「民間外交」に関わっている。
広島支部の事情は「広島支部40年史」に記述されている。「ボルゴグラードの日」の第1回は、2001年に広島支部会員やロシア語学習会参加者(1994年のアジア大会広島大会以降、広島市内の各公民館で交流や語学学習会が始まっていた。)が関わって開催された。第2回の2002年はボルゴグラード市との姉妹都市提携30週年で広島市から訪問団が派遣され、その中に広島支部会員が広島メッセンジャーとして参加した。ボルゴグラードグラードの日は実行委員会形式で実施している。実行委員会構成は、広島市、平和文化センター、日本ユーラシア支部の4者で、後に広島国際青少年協会が加わった。男女2名で構成される広島メッセンジャーは公募されているが、広島支部会員も担っている。
(黒川日本ユーラシア協会広島支部長より)