映画紹介
①みかんの丘 ②とうもろこしの島(I女のしんぶん2016年9月25日)
①「みかんの丘」は2018年9月22日に呉市で上映会があります。
[【I女のしんぶん第1149号2016年9月25日より]
対立、分断する世界を変えるカギは?
今回の2作品は、グルジアから国名を変更した「ジョージア」の映画だ。ソ連邦解体後、独立はしたものの、国内で民族紛争を抱えている国や地域は多い。アブハジア紛争で、今も戦火がくすぶり、緊張状態が続いている状況が両作瓦の背景にある。
「みかんの丘Mandarinebi-Tangerines監督ザザ・ウルシャゼ 」
ジョージアの西部、アブハジアはジョージアからの分離独立のためジョージアとは戦闘状態にある。村人たちは戦火を避けて離村し、残っているのはマルコスとイヴォ。マルコスはみかんを栽培し、収穫を控えている。イヴォはみかん箱を手作りしている。2人は戦闘で傷ついた敵同士の兵士を助け、イヴォの家で彼らを介抱することにした。イヴォは「家では戦わない」と約束させるが…
「とうもろこしの島SimindisKundzuli-CornIsland監督 ギオルギ・オヴァシュヴィリ」
ジョージアとアブハジアの間にはエングリ川が悠々と流れている。春になると川には中洲ができ、昔から地域の人々はそこで畑仕事をしていた。両岸では敵同士がにらみ合い、時には乾いた銃声も聞こえる。そこにアブハズ人の老人が孫娘と一緒に小舟で渡り、小屋を建て、畑を耕し、とうもろこしの種を蒔く。ある日、傷ついた兵士が畑に倒れていて・・・
台詞は少なくシンプルだが、人と自然が一体化したような画面が美しい。敵味方なく、傷ついた兵士を介抱する人間としての寛容の大事さが伝わってくる。みかん箱をはじめ、島の小屋は土台から屋根まで手作り。耕作、種まきなどの過程も映しだす。丁寧な人間の営みのお手本のようだ。両作品とも、戦火にあっても大としての視点を忘れまいというメッセージが伝わってくる。まさに現代、必要なものだ。(山)
「みかんの丘」上映会の案内
①広島映画サークル協議会 9月9日 13時~ 15時30分~ 広島県立美術館地下講堂090-6846-5051
②呉映画サークル協議会 9月22日 呉ポポロ①12:50②15:30③18:30 TEL&FAX(0823)24-0217