日本ユーラシア協会広島支部のブログ

本支部は、日本ユーラシア地域(旧ソ連邦)諸国民の相互の理解と親善をはかり、世界平和に寄与することを目的とする。

「広島の名水と平和」講演会への御案内

2011-05-29 19:30:14 | 日記
「広島の名水と平和」講演会への御案内
「広島の名水と平和」講演会

講師:錦川鯉(名水フリーライター)
日時:
1回 2011年7月23日(土)13:00~14:30
2回 2011年8月27日(土)13:00~14:30
3回 2011年9月24日(土)13:00~14:30

内容:
1回 広島市内の名水、原爆献水16ヶ所
2回 広島の全国名水百選
3回 名水あるところに銘酒あり

受講料:6930円(3回合計)

主催:中国新聞情報文化センタークレドビル教室
問い合わせ:082-502-3456
広島市中区基町6-78 基町クレド(パセーラ)11F

参加者へのプレゼント
名水賛歌VOL.2、VOL.3(テキストとして使います)

錦川鯉からのメッセージ:
全国各地の水場、約6000ヶ所を取材し、水をテーマに民族学の本を出版しています。水はすべての命を育んでいます。歴史・民俗・環境・経済・平和・信仰など、広い視野で水についてお話します。
生きていくうえで欠かせない大切な「水の姿」が見えてくるはずです。

錦川鯉の名水賛歌HP
http://hc2.seikyou.ne.jp/home/n-koi/


詳しくは、今日(2011.5.26)の中国新聞をご覧ください。募集要項が掲載されています。
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都合により、しばらくの間下記のアドレスのみを使用します
n-koi2@sings.jp
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名水フリーライター 水琴窟師
ペンネーム 錦川 鯉
n-koi@mc2.seikyou.ne.jp
http://hc2.seikyou.ne.jp/home/n-koi/

本名 中村 一夫
Kazuo.Nakamura@mc2.seikyou.ne.jp

KN企画(KOI-NISHIKGAWA PROJECT)
自費出版サポート、自費出版、企画出版、手作り本、印刷
http://hc2.seikyou.ne.jp/home/n-koi/KNkikaku001.html

広島の水場を守る会
Kazuo.Nakamura@mc2.seikyou.ne.jp
http://hc2.seikyou.ne.jp/home/n-koi/mamorukai.html

西日本作家協会
新 http://wawj.main.jp/index.html
旧 http://hc2.seikyou.ne.jp/home/n-koi/WAWJ-top.html
新 wawj@uv.main.jp

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2011年5月1日 参議院 予算委員会 :森ゆうこ議員(民主党・新緑風会) 午前質疑より

2011-05-24 08:21:28 | 日記
2011年5月1日 参議院 予算委員会 :森ゆうこ議員(民主党・新緑風会) 午前質疑より
http://enzai.9-11.jp/?p=3194
2011/5/1 参議院 予算委員会 :森ゆうこ議員(民主党・新緑風会) 午前質疑より 5 mSv/年が、放射線管理区域の基準値。その4倍の20mSv/年を、なぜ子供たちの学校安全基準値にしているのか?これは絶対に認められない!
参議院 インターネット審議中継 
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

2011年5月1日 予算委員会 約6時間42分より
森ゆうこ(民主党・新緑風会)  午前 
■00:00~ 被災自治体支援と財源確保について: 強化策は?
答弁:松本龍 防災担当大臣
: 廃棄物処理、臨時庁舎、等、補助率90%
■02:45~ 地方自治体の負担額(裏負担)の増額と内訳は?
答弁:片山善博 総務(地域活性化担当)大臣
:  2兆3000億円、
自治体負担7,300億円、内訳:(6,700億円は起債)
災害復旧4,400億円、廃棄物処理 590億円、
弔慰金 490億円、救助事業 410億円
■04:55~ 自治体に借金をさせて、なぜ国債を発行しないか?
答弁:片山善博 総務大臣
: 交付金で手厚くしている。実質的負担は極小。
■07:00~ なぜ埋蔵金を使わない?埋蔵金の額は?
答弁:野田佳彦 財務大臣
: 様々利用している。
S23特別会計の剰余金29.8兆あるが、外為特会等使いにくい。
■07:17~ 資料:3/28 公聴会公述人:菊池英博(?)氏によれば、埋蔵金はある。
埋蔵金を使用は「政治の意志」の問題。 私は使うべきと考える。
増税論があるが、過去15年増税し景気が回復、財政が好転したことがあるか?
答弁:野田佳彦 財務大臣
: 政府として、増税ありきではない。
復興の青写真、その実現のため歳出・歳入検討する。
数次の増税の影響は、確定的(?)でない。
■09:50~ 増税して財政再建したことはない。間違った政策(増税)を取らないこと。
■10:28~ 日銀国債引受け等、大胆に財政出動して、東日本復興、日本経済復活させるべき。
答弁:与謝野馨 経済財政担当大臣
: 財政規律をみだす。
「くせになることは、よしたほうがよい」
お金の印刷(紙幣発行?)は、国民の財産の目減りをもたらす。
野放図な財政運営はすべきではない。 
■12:15~ 原発事故:郡山市、除染のため学校の表土を削った。放射線量の減少は?新学期前に、政府の施策とするべきであった。今後の対応は?
答弁:高木義明 文部科学大臣
: 市独自の判断で行った。
表土除去の学校3.9(4/21)→1.0(4/28)μSv/h。
他でも数値下がった。3.7→2.6μSv/h
土入替えなくても3.8μSv/h未満は、安全。
3.8μSv/h以上、屋外時間制限、手洗いうがい励行。
暫定(基準)であり、原子力安全委員会の助言と
原子力安全対策本部の見解による。
■15:45~ ICRP勧告を理由に、こどもに対して20mSv/年は基準してとは認めがたい。除染などあらゆる努力を前提にしている。ICRP勧告109,111:子どもに配慮すべきとしている。大変残念。
■16:40~ 放射線管理区域とは?
答弁:高木義明 文部科学大臣
: 原発や、病院など放射線を扱う施設の中で放射線の線量が一定以上になる恐れのある区域。
■17:15~ そこは一般人は、立ち入り禁止では?
答弁:高木義明 文部科学大臣: そうなっています。
■17:27~ 放射線管理区域1.3mSv/3ヶ月、この数値の根拠は?
答弁:高木義明 文部科学大臣: 
法令に定める職業人の限度。年間限度50mSv/年から、余裕を持っておよそ1/10の5mSv/年程度の1/4として。
■18:40~ 学校安全基準値20mSv/年は、放射線管理区域の規制値の何倍ですか?
答弁:高木義明 文部科学大臣:
管理区域は、5.2mSv/年。強力な放射線源という潜在的危険性を前提に、注意深く放射線管理。することを事業者に課している。強力な放射線源のない学校と比較することは適切でない(?)。
■19:50~ 5 mSv/年が、放射線管理区域の基準値。その4倍の20mSv/年を、なぜ子供たちの学校安全基準値にしているのか?これは絶対に認められないと思うが。
答弁:高木義明 文部科学大臣:
ICRP勧告に基づく。20mSv/年はあくまで上限、1mSv/年をめざして、線量の軽減を図ってゆく。原発の収束が望まれるが、経過中。これを(20mSv/年)出発点として、モニタリングを行い、20mSv/年は暫定として決める。
■21:55~ (通告していないが)医師の意見を聞きたい。20mSv/年はレントゲン200~400回に相当。2日に1回、子供たちにレントゲンを受けさせるような数値。医師として、どう考えるか?
答弁:櫻井充 財務副大臣(医師) 
:妊娠の可能性のある女性は、確認をしてから、検査を行う。子供は、重篤な疾患で、検査を行うことが子供たちに利点があるとき仕方なく行うことはあるが、一般的には、行うことはない。
医療人もカテーテル検査など防護服をきても被曝する。その基準は100mSv/5年(20mSv/年)。患者の検査・治療上利点があるから覚悟して行っているのであって、必ずしも望んでやっているのではない。
■24:10~ 20mSv/年に決めたが過程・議論が、安全委員会のホームページに載っていない。議事録がない。一体、だれが、いつ、どのように議論したのか?ICRPに対する非難としてECRR(欧州放射線リスク委員会)は、内部被曝を重視しなければならない。ICRP111・109にも女性・子供、特に子供たちには配慮すべきとある。配慮がはいって20mSv/年なのか?
答弁:班目 安全委員長 
:4/9頃、文科省から提案があって、その後断続的に安全委と文科省で協議をすすめ、安全委としては子供たちに20mSv/年を浴びさせていいとは回答していない。現存被曝状況である1~20mSv/年を守るべきこと、その上で出来る限りの努力をして、浴びる線量を減らすこと。それを条件に、助言をした。文科省には、2週間おきに、安全委にモニタリング結果の結果を報告し、結果によっては、さらに助言を行っていく。
■24:10~ 議事録がない。出来る限りの被曝をさせない努力をするのは、大前提。子供に対する配慮は何も言っていない。文部科学大臣、郡山市は、市長の英断でグラウンドの表土を削り取った努力、できるだけ除染をしてく。放射性物質を取り除いて、放射線量を減らしてゆく。それが前提。やっていないではないか?ただちに、20mSv/年を撤回して、除染をして、必要であれば子供たちの避難を支援すべきだと思うが、もう一度答弁を求めます。
答弁:高木義明 文部科学大臣
:放射線のリスク、甘く見てはいけないと思っている。子供たちの健康・安全がなによりと考えている。
国際基準、安全委の助言をふまえ、このような措置をしている。20mSv/年、3.8μSv/hの基準を設定し、それ以下では安心してください、といっている。安全委に、モニタリング結果を2週間毎に報告。比較的線量の高いものがずっと続くことがあれば、福島県と連携をとってなんらかの措置をしなければならないと思っている。今後、必要に応じて充分な対応を考えている。表土の取り方、慎重を期し、持っていく場所も検討を要する。そうした事態の変化があれば、最善の対応図っていく。
■29:15~ 放射線作業従事者の労災認定について、認定された最低の被曝量は、何mSvか?
答弁:大塚耕平 厚生労働副大臣
:昭和51年度以降で、10件の労災認定あり。被曝線量の最も低いものは、5.2mSv。
■29:55~ 資料:放射線影響協会しらべ、白血病で労災認定された一番低い被曝線量5.2mSv。
低線量被曝による晩発性の障害(たとえばチェルノブイリのときに子供たちに4,5年後に甲状腺、20,25年たって障害がでている人がいる)について注意が必要。ICRPは、「内部被曝、晩発性障害に考慮がない」と批判がある組織。海外の情報も検証をしていただきたい。
■31:07~ 作業従事者の命を守るために、造血幹細胞の採取と保存を行うべき。米国やドイツでは、セシウム・プルトニウムの被曝軽減薬を国としての備蓄体制がとられている。政府は今後どのような体制をとるのか?
答弁:海江田万里 経済産業大臣
:一時的に大きな線量の被曝にそなえる、造血幹細胞の事前採取・凍結という手法があることは、承知。対応の選択肢の一つ。原子力安全委の現時点での復旧作業従事者の造血幹細胞の事前採取は必要ないという助言を採用。被曝軽減薬の国内備蓄について、原子力安全委の指針をふまえて、広域に影響を与えるヨウ素を考慮して、安定ヨウ素剤を備蓄している。セシウム・プルトニウムの被曝軽減薬については、プルシアンブルーと、DTPAをそれぞれ約500名分を確保、今後海外の状況をふまえ検討していく。
■33:00~ 東電の女性社員が法定被曝限度を超えた。線量計(外部被曝)は少なかったが、3~5倍の内部被曝。ICRPは、内部被曝をぜんぜん重視していない。ECRRを参考にすべき。20mSv/年に内部被曝は考慮されていない。一番被曝が多かったと思われる3/11以降の数日間の積算被曝線量も考慮していない。なぜですか?
答弁:高木義明 文部科学大臣
災害発生直後から、一年間均等に推移した場合に20mSv/年に到達する空間放射線量を、3.8μSv/hとしている。実測に基づく推計値を用いて、事故発生直後から学校再開まで、線量が計測される状況になったと、これを推計値として、積算総量に勘案している。また、放射性物質の減衰がある。空間放射線率の低い校舎・園舎ですごす時間が多い。また屋外活動を一定時間におさえれば、児童・生徒の被曝量が20mSv/年を超えることはない。ICRP勧告の参考値と内部被曝の問題について、土壌検査結果の分析から、内部・外部あわせた全体の被曝量の2%程度。IAEAの土壌検査による内部被曝量を推計するため提唱しているの信頼性の高い専門的手法を用いている。専門家のさまざまな声を聞いて、心配ないと判断している。
・・・・・以下略・・・・・


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「脱原発」の社会を―フクシマの悲劇の教訓―平岡 敬

2011-05-20 08:51:03 | 日記
【平岡 敬 先生】
京城中学校・京城帝大予科・旧制広島高校・早稲田大学卒業、中国新聞記者、中国放送社長
1991年 広島市長(2期)
1998年 ヒロセミ会員・世話人代表・現在名誉会長
「脱原発」の社会を
―フクシマの悲劇の教訓―
平岡 敬

 市民ボランティアの力でプノンペンに建設した「ひろしまハウス」の運営について協議するため訪れたカンボジアから福岡空港に帰ってきた途端、東日本大震災のニュースに接した。二〇一一年三月十一日午後八時過ぎであった。

 巨大地震と津波によって壊滅した地域の惨状は、戦後直後の焼け野原の光景と二重写しになって、私に迫った。かてて加えて、福島第一原子力発電所の放射能汚染は、核兵器廃絶を訴えてきた私には、大変衝撃であった。

 放射線被害の深刻さについては、私の場合、広島だけではなく例えばカザフスタンの核実験被害者の現状を見て、一定の認識を持っている。彼らは、核実験場の爆心地から数十キロメートル離れていた広大な地域へのフォールアウト(放射線降下物=死の灰)にさらされた。地上や空中爆発の際に放出される莫大な量の放射性物質から出る放射線によって外部被爆したり、汚染した土地でつくられた農作物やその草を食べた牛のミルクを飲食することで内部被曝した。

 原発の水素爆発のテレビ映像を見た瞬間に思ったことは、福島の人たちもカザフの被曝者と同じ運命をたどるのではないか、ということであった。

 被曝線量が発表されるが、数値の多寡よりも広島・長崎と想起することによって、その真の意味が理解できる。この目に見えない放射線の脅威に対して、政府や東京電力の対応はあまりにも無責任すぎる。巨大地震による津波について「想定外」という弁明が繰り返された。想定内であろうと想定外であろうと、放射線事故の重大さに対する危機感、切迫感が伝わってこない。

 おそらくは「パニックを起こさないため」という言い訳が用意されているのだろうが、放射能汚染分布を示すSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の数値を公表しなかったような情報隠しをはじめ「いま直ちに健康に影響はない」といった類の言い逃れに終始して真実を語らず、対策を怠る罪深さに慄然とする。土地は放射能に覆われ、着の身着のまま避難した人たちの絶望にこたえることのできない政治に、私は激しい怒りを抑えることができない。これは核戦争なのだ。

 これまで原子力発電を必要とする理由については、主として二つのことが挙げられていた。

①地球温暖化対策=CO2を出さないため環境への影響が少ない。
②エネルギーの安全保障対策=中国、インドなどの需要急増による石油資源争奪戦に備える。

 それは、日本の経済成長をさらに発展させるためであった。

日本の原子力政策を進めてきた政府や電力会社は、広島・長崎からもチェルノブイリからも、何も学ばなかった。学者やマスメディアを使って「原発は絶対安全だ」と言い続けてきた。さらに水力発電、火力発電に比べて原子力発電のコストは安いと宣伝してきた。

 しかし、福島原発の事故によって、政・官・産・学・メディアの馴れ合いが安全対策をおろそかにした原因だという批判が起きている。また、原発の寿命が尽きて廃炉にした場合、その解体には建設費以上の費用を要し、高レベルの核廃棄物の処理方法も確立していない以上、原発のコストは安いと言うことはできない。

 スリーマイル原発事故(一九七九年)、チェルノブイリ原発事故(一九八六年)、東海村JOC臨界事故(一九九九年)に次いで福島の原発事故が起きたいま、原発の抱えている致命的な危険性が誰の目にも明らかになった。

 天災や人災によつ原発暴走の危険性は、これまで原発に批判的な人々によって散三指摘されてきたことだが、原発推進論者や原発利権に群がる人々が耳を貸すことはなかった。経済成長至上主義、効率最優先主義という価値観の下では、費用のかさむ安全性確保は二の次になってしまう。

 こういう社会に生きてきた私もまた、生活者として原発を必要悪と考え、容認してきた。

 私は核兵器廃絶をめざす立場から、核の軍事利用の危険性にのみ、目を向けていた。したがって原子力発電については、核兵器の原料となるプルトニウムを無くすことが重要だと考え、プルトニウムを生み出すウラン系原発方式を止めて、トリウム溶融塩炉の研究を進めるべきだと主張してきた。

 原発に対して「絶対反対」と言ってこなかったのは、エネルギーを消費する文明を享受しながら、つまり原発が生み出す電気を使いながら「反原発」を叫ぶことの矛盾が、「核の傘」の下で「核兵器廃絶」を訴える欺瞞と通じているような気がしていたからである。さらに「原子力利用は人類の夢」といった科学技術に対する私のオプティミズム(楽観論)が、原子力の“平和利用”への幻想をふくらませていた。

 しかし、資本主義システムのなかでは、特に政治や企業に無責任体質がはびこり、利潤追求を第一とする風土のなかでは、学術研究の成果も科学技術も歪められてしまうことをフクシマは教えている。

 これから先、表面化するはずの福島の放射能被曝者の苦悩を考えるとき、経済よりも生命が大切だ、という当たり前のことを、これからの日本社会のあり方を変える思想の根底に据えなければならない。それは、脱原発社会であり、集中から分散へ、さらには地方主権の確立へとつながるものである。

 いまこそ大量生産→大量輸送→大量消費→大量廃棄というエネルギー消費型社会から自然共生型社会への転換を図るときである。エネルギー政策を見直し、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマス、潮力などあらゆる再生可能エネルギーの開発、実用化に向けて、原発建設にかける以上の資金を投入しなければならない。

 原発事故による損害や補償金の総額を考えると、もはや原発に固執すべきではない。原発立地で入ってくる金や生まれる雇用に頼ってきた地方自治体の悩みは深い。しかし、原発の「安全神話」が崩れたいま、地域住民の命と健康と守ることが、何ものにもまして優先されるべきであろう。

 同時に、私たちの価値観、生活スタイルも変わらなければ、原子力依存のくらしから抜けることはできない。

 「原発がなければ日本の経済は衰退する」と原発推進論者はいう。その勢力と生存権を守ろうとする人々とのせめぎ合いが、これから始まる。

 日本はいま深い悲しみと不安のなかにいる。地震と津波によって多くの命が失われた。フクシマの危機はいまも進行中である。収束の見通しは立っていない。毎日、毎日、放射性物質が放出されている。大気や大地は汚染され続け、人々は被曝の恐怖におののいている。劣悪な環境のなかで放射線を浴びつつ作業している現場労働者の健康も心配である。

 私はテレビに写る福島の被曝者の姿を見るとき、一九九九年夏、セミパラチンスクで聞いた歌声を思い出す。それは核実験場閉鎖を求めて立ち上がったネバダ・セミパラチンスク運動で歌われた「ザマナイー時代よ!」である。放射能によってふるさとを失ったカザフの人たちの悲しみを、フクシマは共有してゆく。

   健やかなる子らは なぜ消えた
   風になびく髪は  なぜ消えた
   心ない仕打ちよ  ザマナイ
   ザマナイ ザマナイ
   清き故郷は なぜ消えた
   哀れなるわが大地
   数え切れぬ 爆発 閃光に
   引き裂かれたわが心よ  

(作詞:Ulugbek. Esdauletov
、原語訳:アケルケ・スルタノワ、日本語詞:高橋朋子 )

 私たちは広島・長崎で人類初めて放射能の脅威を体験したにもかかわらず、環境対策やエネルギー源枯渇対策を理由に、原発導入を選択した。それは、「絶対安全」という前提があってこそ認められるものであった。しかし、機械は故障し、人間は誤りをおかす。子どもたちの未来に対し、原発への道を選んだ私たちの責任は重い。

 近代化の歴史には、自然を科学の力で支配できると考える人間の驕りが潜んでいる。ところが、目に見えない放射線を発する原子力の利用は、神ならぬ人間の手に負えるものではない。放射能の寿命はあまりにも長い。その半減期が万年単位で語られるとき、これはもう人間のスケール、人間の能力を超えている。人間の無力を痛感するだけである。

 放射性物質の人類に対する脅威に関して、軍事、平和利用の区別は意味がない。そして放射性物質を管理することはきわめてむずかしい。一歩間違えば取り返しのつかない破局をもたらす。核兵器をコントロールできるとする戦略にもとづく核抑止論の思想と、原発の制御は可能だとする思想とは、根本的に自然に逆らう人間の驕りが生み出したという点で、根はつながっている。

 核兵器廃絶は戦争を否定し、人間の尊厳を守ることであり、原発脱却もまた自然と生命への畏敬を取り戻すことである。

 (お断り)この文章は、近く出版される拙著の「あとがき」から転用したものである。

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放射線リスク欧州委員会(ECRR)のバズビー教授のインタビュー

2011-05-20 01:32:07 | 日記
放射線リスク欧州委員会(ECRR)のバズビー教授のインタビュー

Press TVとクリス・バズビー教授とのインタビュー
2011年3月24日付
http://www.presstv.ir/detail/171460.html日本の当局は、原子炉からの放射線物質漏えいを軽視し、最小限の危険性を市民に知らせることの重要性を軽視しているが、実際はその反対を行うべきである。
バスビー教授はロンドン在住の放射線リスク欧州委員会(ECRR)の委員である。彼は今回の日本の原発事故はチェルノブイリのレベルあるいはそれ以上で、東京が危機にさらされている可能性があると警告した。
http://groups.yahoo.co.jp/group/hgr/message/5304
郡山の安積黎明高校 線量測定報告がさらにグレードアップ
http://www.monipo.net/blog/radiation/asaka-reimei-0519/

放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/
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シルクロードからの平和の天使(ひろしまフラワーフェスティバル )

2011-05-14 23:33:34 | 日記
団体名:ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト
    シルクロードからの平和の天使
日時:5月3日(日)13:40~ 約20分間
場所:「 シクラメンパーク  」ステージ NHK 広島玄関前
出演者:
アイダナ・アシックパエワ 1993年11月20日生 17歳
(カザフスタン留学生、山陽女学園高等部2年)
小畠 知恵子 こばたけ・ちえこ   (プロジェクトスタッフ)
曲 目:
1. 民族舞踊「カラジョルガ(競走馬)」(2:50) CD1
2. 民族舞踊:「クアナムン(歓喜する)  」  (2:05) CD2 
3. ザマナイ カザフ語版 CD1 最初の 30秒
4.      日本語版  30秒
5.      英語版   30秒
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