歌論 無名抄 仲綱歌詞事
おなじたびの百首に、伊豆守仲綱の哥に「ならはしがほ」などよみたりしをば大貮入道聞て か...
歌論 無名抄 晴歌一見人事
はれの哥は必人に見せあはすべき也。我心ひとつにてはあやまりあるべし。予そのかみ高松の女院の北面のきく合といふ事侍し時、戀哥に、 せきかぬるなみだの川の瀬をはやみくづれにけりな人目...
歌論 無名抄 隔海恋事
或所にて哥合し侍し時、海路をへだつる戀と云題に《哥は忘れたり》つくしなる人の戀しきよし...
歌論 無名抄 静縁こけ歌事
静縁法師みづからが哥を語て云、 鹿の音を聞に我さへなかれぬる谷のいほりは住うかりけり と...
歌論 無名抄 あさも川明神事
丹後の國よさの郡に、あさも川の明神と申神います。國の守の神拝とかいふ事にも、みてぐらな...
歌論 無名抄 和琴起事
或人云 和琴のおこりは、弓六張を引ならして、是を神樂にもちゐけるを、わづらはしとて、後の...
歌論 無名抄 貫之家事
或人云 貫之がとし比すみける家の跡は、かでの小路よりは北、とみの小路よりは東のすみなり ...
歌論 無名抄 猿丸大夫墓事
或人云 たなかみの下にそつかと云所あり。そこに猿丸大夫がはかあり。庄のさかいにて、そこ...
歌論 無名抄 連がら善悪事
歌はたヾ同ことばなれども、つヾけがらいひがらにてよくもあしくも聞ゆるなり。彼の友則が歌...
歌論 無名抄 周防内侍家事
又、周防内侍、 われさへ軒の忍草 とよめるいへは、冷泉堀川の北と西との隅也。 ※われさへ軒の 金葉集 雑歌上 家を人にはなちて立つとて、柱にかきつけける 住み侘びて...