舟 弁 慶
五番目物 猛将物 観世信光 作
頼朝のと不和により都落ちした源義経主従は、舟で大物の浦に到着した。弁慶は、義経の愛妾静御前がお供をしていると知ると送り帰す様進言し、静に告げる。静は別れることを決意し、義経の行く末を案じて舟の上で舞を舞って別れる。途中暴風雨となり平知盛が怨霊が現れるが、弁慶に退けられ退散する。静御前と知盛が同じ役者にさせるというのも奇妙な演出です。
前ジテ:静御前 後ジテ:平知盛怨霊 子方:源義経 ワキ:武蔵坊弁慶
ワキツレ:義経郎党 アイ:船頭
地 ただ頼め。【序の舞】
シテ ただ頼め、標茅が原のさしも草
地 我世の中に、あらん限りは。
ただ頼め、標茅が原のさしも草我世の中に、あらん限りは
第二十 釋教歌 1917 (よみ人知らず)
なほ頼めしめぢが原のさしもぐさわれ世の中にあらむ限りは
このふた歌は清水觀音の御歌と云ひ傳へたる