見し人の
けぶりと成し
夕より
なぞむつ
まじき
塩がまの浦
新古今和歌集巻第八 哀傷歌
世のはかなき事を歎く頃陸奧の國に
名ある所々かきたる繪を見侍りて
紫式部
見し人の煙になりしゆうべより名ぞむつまじき鹽竈のうら
よみ:みしひとのけぶりになりしゆふべよりなぞむつましきしほがまのうら 隠
意味:よく知った人が死んで荼毘の煙となってしまった夕べから、塩を焼く煙の名をもつ塩釜の浦も親しみをもつようになりました。
備考:歌枕 塩釜。女房三十六人歌合。亡くなったのは夫藤原宣孝と言われている。