天山不辨何年
雪合浦応迷舊
日珠
あまのはらふりさけみれ
ばかすがなるみかさの
やまにいでしつきかも
和漢朗詠集 月
天山に弁(わきま)へず何れの年の雪ぞ。
合浦にはまさに迷ひぬべし旧日の珠に。
禁庭翫月 三統理平
古今集 羇旅歌
もろこしにて月を見てよみける
この歌はむかしなかまろをもろこしにものならは
しにつかはしたりけるにあまたのとしをへてえかへ
りまうてこさりけるをこのくにより又つかひまかりい
たりけるにたくひてまうてきなむとていてたちけるに
めいしうといふ所のうみへにてかのくにの人むまの
はなむけしけりよるになりて月のいとおもしろくさし
いてたりけるを見てよめるとなむかたりつたふる
仲麿
天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山にいでし月かも
平成27年12月13日 點八九/十四枚