金沢文庫、正確にいうと神奈川県立金沢文庫、行って来ました。金沢文庫駅はよく乗り継ぎで降りる駅ですが、実際、その名前の由来になった金沢文庫には行ったことがありませんでした。簡単にいうと、鎌倉時代後半、鎌倉の行政文書や記録を残した記録館。鎌倉幕府滅亡後、有力寺院の「称名寺」がこれを守り抜き、近代に入ってからは神奈川県が運営しています。
まずはこの称名寺が素晴らしかった。広い空間、広がる緑。とても横浜市とは思えない自然の濃い公園としても整備されています。終戦直後、学校が焼けてしまい、数年はこのお寺で地元の子供達は授業を受けていたとか。まさに寺子屋。
この神奈川県立金沢文庫で行われている運慶展に行って来ました。国宝級の(国宝でした)作品、展示物が見れて・・、本物に触れることが出来ました。普段は上野の国博やお寺に収められている作品が一堂に集められていて、滅多に見れない企画展となっていました。運慶だけでなく、三浦一族にまつわる国宝も国博から戻って来ていました。三浦一族の本拠地、衣笠城で大正時代に発掘された計筒(景徳鎮の焼物)の存在は、話だけ聞いて知ってはいたのですが、国博に納められていて目にしたことはなかったのですが・・、なんと!、里帰り展示で本物を見ることが出来ました。興奮、です。
運慶では、和田義盛がお寺に寄進した写真、真ん中の毘沙門天像がよかったです。近代に入り、修繕のためこの像をバラしたときに、中から木札が出てきて、その由来がわかったという逸品。その木札も一緒に展示されていて、「和田義盛」「運慶」の文字が読み取れます。
来月末までの展示です。ぜひ訪れてみてください。僕もあと何回か足を運んでみようとおもいます。
現代社会は感覚から入るものを軽視する。 養老孟司