カヤックを始めて何年になるでしょうか。25年近くなります。その間に、何度カヤックの死亡事故が起きたでしょうか。直接知っている人どころか、カヤックの師匠も亡くしました。直接話をした事がある人、友人の友人ぐらいの人も含めて、知り合いを失くしています。
多くの事故は、だいたい同じ理由、繰り返しで亡くなっています。バカじゃないかというくらい似ている死に方です。今回の三河の事故と3年前の東京湾の事故、あまりに似ているところが多いと思っている人は多いと思います。2名だった事、強めのオフショア、低い水温、開いたハッチカバー。一人も帰ってこなかったこと。118を押さなかった(押せなかった?)こと。
カヤックの安全団体やプロのインストラクターが事故防止のために率先して動くと多くのカヤッカーが考えているようですが、それは間違えです。それならば、今頃事故の連鎖は止まっているはずです。何かやっているかもしれませんが、それは効果がみられません。そして結果が出ていません。そもそも、事故自体の事実関係や報告書、情報が開示されませんので、対策の打ちようがありません。情報がどこかで止まっているのです(僕はどこで止まってるか知ってます)。
今後、事故はなくならないにしても、少なくしていくには、パドラー個々人の自覚、対応、努力にかかっています。他人や団体はあてになりません。個人個人が事故防止のために腕を磨き、情報を集め、切磋琢磨する事。そして、そういった個人が今度は周りにいい影響を与えていき、手に入れたものを回りに分け与え、伝えていく事。これ以外手は思いつきません。おそらく唯一、有効な手段はこれだけです。
メーカーさんも、カヤックを売る人も、後輩を指導する立場にある人も、皆考える必要があると思います。ここではプライドや、自分の立ち位置は関係ありません。シーカヤックで人が死んでいるという事実の前で、プライドなど鼻くそほどの価値もありません。「死亡事故の再発を未然に防ぐ」、これはシーカヤッカーの責任です。
まだ考えはまとまっていないのですが、いくつか、課題があると思います。特定機種のハッチの問題。ハッチカバーがコンバットな環境に耐えられない、浸水してしまうもの。隔壁強度に問題があるもの、またはそもそも隔壁がないカヤック。カヤックのデザインを変える、または廃盤にする。世に出来てしまった船で問題のある船は「廃船」にする。メーカーが廃船を助ける。
漕ぎ手の問題。亡くなる人の問題。死亡事故の後コソコソ必ず出てくる話は、「実は」とか「あの人は」みたいな話。問題ある事は分かってるのに、周りの人が気が付いていない本人に問題を伝えていない。言わなければいけない事は、死ぬ前に言っておかないといけない。死んでから言っても遅いのです。順番を逆にして、死ぬ前に言ってあげましょう。カヤックと海を愛している人なら出来るはずです。言うべき事は言う、この勇気を持ちましょう。これが出来ない人も、厳しい言い方ですが、海から去った方がいい。
技術の向上も、役に立つ技術もあるし、そうでないものもあるし、議論して、研究して妥当なものを見いだす。道具も、いい面と悪い面、両面を明らかにする。垣根を越えて、しっかりやらないと、また事故が起きます。事故を防ぐためにやらなければいけない事。それを考え、具体的な対策を実行し、その努力を続ける事。それ以外、事故を減らす事は出来ないでしょうね。こんなふうに考えています。
苗を植えよう! 未来を創ろう! 白井貴子
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