そのとき実際のスケール感は無効になっていますが、「位相的」というのはそんなことでもあるのかと思います。実際のスケール感を一旦括弧入れて(忘れて)、細胞の中にいるような気持ちになります。その時あの部屋がまさに細胞そのものになっていて、それが位相的という事なのでしょうか。あの部屋にいる人は位相的にスケール感をなくして10マイクロメートルくらいの大きさの細胞の中に入ってることになるというのか・・・。
あの緑色もとても印象的でした。仰向けに寝そべってあの緑色を見ると。ジャングルにいる気分になりました。他の日に見れば他のものにも見えるかもしれません。波打つ床は砂漠の風景に見えて、ここでもスケール感が吹っ飛んでしまっている事に気つきました。普通の部屋ではそんな想像をする事はほとんどありません。前おっしゃってた芥川賞作家の高木のぶ子さんは少女の頃毎日病気がちで天井ばかりみているうちに作家になったとおっしゃっていましたが、あの部屋では全ての人にそういうことが起きるのかも知れません。