はじめに
今日から定期更新を再開します。(更新頻度は上げる予定です。)
では本題です。今日は兵庫県の播磨地区から丹波地区をを縦断する加古川線に関した話題です。
皆さんも知っての通り、加古川線は2004年12月に全線が電化されました。
しかし特急列車はおろか快速列車すら運行されない地方ローカル線が何故、全線で電化されたのか…。
その背景には阪神大震災の時、加古川線が迂回路線として機能したことが関係していました。
かつて東海道本線は阪神大震災の時に高架橋が落下するなど大きな被害を受けました。
これによって東海道本線は74日間に渡り不通となるなどの影響を受けました。
さてこの時、非常に役に立った路線が加古川線、播但線、福知山線の3路線です。
加古川線でも多くの臨時列車が運行され、迂回路線として非常に大きな役割を果たしました。
そしてその甲斐もあってか先述の通り、2004年12月には全線が電化されました。
ただあれから18年…実際に再び東海道本線が不通になった時、本当に迂回路線として機能するのか…。
私は疑問を通り越して、大きな不信感を抱きました。
まずは阪神大震災の時、実際に加古川線で行われた特別ダイヤでの時刻表をご覧下さい。
(各画像はクリックすることにより、拡大表示可能です。)
はっきり言いますが、現在の加古川線では阪神大震災の時と同程度の輸送を行うことは不可能です。
ただそれでも加古川駅〜西脇市駅間においては、これ以上の増発は出来るかもしれません。
しかし西脇市駅以北では「最早、話にならない」と言って良いでしょう。
まず単線路線では増発を行う場合、交換設備の数が極めて重要となります。
つまり路線長が比較的長いにもかかわらず交換設備が殆ど無い場合、増発はまず無理です。
その為、交換設備の全く存在しない西脇市駅〜谷川駅間は全く使い物になりません。
(1995年頃は西脇市以北でも交換設備を備える駅は幾つか存在しました。)
さて路線自体の規格がそれほど高くない事も迂回路線としては少々、無理があると言えます。
最高速度は最大でも85km/hとやや遅いだけでなく、末端区間では更に25km/h制限が加わります。
またホームの有効長が最大でも4両編成と短い為、入線出来る車両・編成は大きく限定されてしまいます。
(西脇市駅以北はホームの有効長は更に短い2両です。)
以上の点から結論を述べると「ただ路線を電化すれば迂回路線として活用出来る」などとという考えは甘いです。
もし仮に迂回路線として機能させるには、交換設備を増設するなど更なる設備改良が必要となります。
それ故に加古川線は今後何らかの手を施さない限り、迂回路線として活躍出来る日は来ないと言えます。
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突然ですが皆さんにとって「鉄道における最大の転換点」は何ですか?
私が思う「鉄道における最大の転換点」は「石油の枯渇」だと思います。
今回はこれを中心とした話題です。
数多く存在する化石燃料の中でも石油は数十年以内に枯渇すると推定されています。
よって石油を燃料として使用する交通機関は何らかの代替燃料を用意する必要が出てきます。
特に鉄道は自動車や航空機以上に代替燃料の確保が早急な課題であると言えます。
軽油を燃料とする気動車は石油が枯渇すると同時に運行が不可能となります。
仮にバイオ燃料を使用した場合でも列車の運行本数が大幅に削減されること確実です。
よって「石油の枯渇」が「路線自体の廃止」に直結する可能性も十分に考えられます。
では電車を使用する路線は大丈夫なのかと言われるとそうでもありません。
これらの路線でも可能な範囲内で間引き運転を行う必要が出てきます。
電車で使用される電力の大部分は火力発電と原子力発電によって供給されています。
火力発電で使用される燃料は主に天然ガスと石炭ですが石油も僅かに使用されています。
つまり石油が枯渇すると火力発電による発電量は必然的に減少してしまいます。
よって鉄道会社は電力需要に応じて間引き運転を行うことを強いられます。
最後にですが鉄道会社は今後、出来るだけ軽油の使用量を削減する必要が出てきます。
その為には非電化路線の電化やバッテリー電車の早期実用化が求められると言えます。
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今回は路面電車の可能性に関する話題です。
皆さんも存知の通り、現在の日本では広島などの一部を除き路面電車は殆ど運行されていません。
かつて路面電車は戦後から高度経済成長期にかけて庶民の足として大きな役割を果たしていました。
しかしそれ以降は目にも止まらぬ速さで全国から次々と姿を消していきました。
特に地下鉄や路線バスが発達するに従って、その「悪い流れ」は更に加速していきました。
しかし近年、それまで扱き下ろされ続けてきた路面電車が徐々に見直されつつあります。
理由としては路線バスなどには無い様々な利点を兼ね備えている事が大きく関係しています。
路面電車における利点と欠点は以下の通りです。
利点
・大量輸送(バスの約2~3倍)が可能。
・二酸化硫黄などの有害物質を排出しない。
・比較的、走行音が小さい。
・定時性の高い運行が可能。
・惰性走行が可能。
・建設費が比較的、安価である。
欠点
・走行経路が限定される。(迂回が困難。)
・路線・車両の維持費が高額。
・自動車と衝突する可能性が高い。
路面電車は路線バスと異なり編成を組める点などから大量輸送が可能です。
これは朝夕などに次々とバスを走らせている路線では大きな効果が見込まれます。
(路面電車でもバスと同様に次々と発車させる事が出来ます。)
惰性走行が出来る点も路面電車の大きな売りです。
「車輪と線路の摩擦」は「タイヤと道路の摩擦」と比較してもかなり小さいです。
つまりバスの様に常時加速を行う必要が無い為、エネルギーの消費を抑える事が出来ます。
さて近年では走行用電源に蓄電池を採用した路面電車も試験的に登場しています。
搭載される蓄電池は座席下に収納出来る程度に小型化・大容量化されています。
後は蓄電池の低価格化を待つのみです。これが行われれば確実に導入は進むはずです。
最後にですが「今後、路面電車は確実に増えるはず」だと私は予想します。
(今日はこれで失礼します。)
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少々早いですが間も無く国鉄が分離されてJRになってから25年が経過します。
民営化を境に改善された点が多く存在する一方でかって酷くなった点も多く存在します。
最大の問題点は「民営化後は簡単に路線が廃止されるようになった。」点です。
民営企業となったからには必然的に自由競争の波にさらされます。故にある程度は利益追求が求められます。
その結果、JR北海道やJR九州を中心に赤字の続く不採算路線が爆発的な勢いで次々と廃線とされました。
場合によっては代替手段(バス輸送)なども一切登場せずに廃止される場合も存在しました。
ちなみにかつて加古川線の野村駅(現:西脇市駅)には鍛冶屋線が接続していました。
民営化後もJR西日本の路線として存続しましたが約3年後の平成2年4月に廃線となりました。
この路線は国鉄時代に赤字路線に指定されましたが僅かの採算区間(野村駅~西脇駅間)が存在しました。
再び廃線が検討された際には部分存続などが提案されましたが最終的にバス転換とされました。
かつて私は述べましたが超高齢社会を迎える現代では確実に公共交通機関が大変重要な存在となります。
特に自動車を運転出来ない中学生は高齢者などにとっては公共交通機関は「貴重な足」となります。
鉄道会社や行政はこれ以上廃線を増やさない為にも相当の努力(増便や定期券購入補助など)をする必要があります。
(姫新線には期間限定で増便を行った結果、利用者が増加したという実績が存在します。)
今回のダイヤ改正でも廃止には至らなくとも大幅に本数が激減する路線・区間が存在します。
先程も述べた様に簡単に廃線や減便という手段をとる前に何かすべき事があるのではと私は考えざるを得ません。
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肥薩おれんじ鉄道株式会社では現在「車両一口オーナー」という制度を実施しています。
これは利用客や各種企業からから1口1万円で寄付金を募集する制度です。
また集められた寄付金は主に今年度に行われる全般検査の費用の一部に使用されます。
(鉄道車両の全般検査は安全運行を維持する目的から法律で義務付けられています。)
しかし何故、この様な制度が最近になって行われているのか?
その答えは「ローカル線特有の厳しい経営状況」の中にありました。
殆どのローカル線は「利便性が悪い」・「運賃が高額」といった点から利用客は毎年減少し続けています。
また最近では沿線道路の整備が進むなどローカル線の経営はより一層、厳しくなっています。
基本的に利用客が減少すると減便が行われますが、これは余程の事が無い限り選択すべき方法ではありません。
「減便が行われると更に利用客が減少する」という悪循環が繰り返され、最終的には廃線へと追い込まれます。
(松浦鉄道では試験的に増便を行った結果、利用客が大幅に増加したという実績もあります。)
自動車を運転出来ない高齢者や高校生などにとっては公共交通機関の重要性は非常に大きな物です。
「超高齢化社会」を迎えることが予想される現代では「公共交通機関の存続」が国家の行方にも大きく関わってくるでしょう。
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突然ですが皆さんは踏切事故の現場を一度でも目撃した事がありますか?
もし目撃したのであれば恐らく貴方は一生、忘れる事は無いでしょう…。
ちなみに踏切事故の約7割は「警報機が鳴ってからの無理な横断」(人的要因)が原因で発生します。
また上記の状況以外にも下記の様な場合で発生する場合もあります。
・踏切内でのエンジン停止(エンスト)。
・トラック・ダンプカーなどの荷台部分への過積載
・自転車・車椅子等の脱輪
一般に「車は急に止まれない」と言われますが電車はもっと止まれません。
仮に列車が非常ブレーキを動作させたとしても制動地点から200~600m程度は過走します。
そしてこれは踏切事故の現場の一部始終を撮影した画像です。
(画像は九州旅客鉄道[株]鹿児島支社の物を借用しています。)
基本的に自動車の先頭部分は列車と衝突した際に原形を留めない形に変わり果てます。
仮に自動車内に人でも乗っていれば確実に即死するのは言うまでもありません。
それではもし踏切内に閉じ込められた場合はどうすれば良いのか?
最も確実な方法は踏切脇に設置されている踏切支障報知装置(写真左)を押す事です。
これを押す事によって特殊信号発光機(写真右)が発光して運転士に異常を知らせます。
(悪戯で押した場合は業務妨害罪として逮捕・書類送検・厳重注意されます。)
最後にですが踏切事故を起こした場合には非常に莫大な損害賠償(車両修理代・振替輸送費・運転士の葬儀代など)を請求されます。
その金額は最低でも100万円以上、最高で5000万~3億円程度と一般人が簡単に支払える金額では無い事が分かります。
一瞬の不注意が取り返しのつかない大事態を招く踏切事故…。もう二度と上の写真の様な事故が起こらなくなる事を祈るばかりです。
外部リンク
・wikipedia「踏切事故傷害」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B8%8F%E5%88%87%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E6%95%85
・JR西日本~踏切事故防止
http://www.westjr.co.jp/railroad/crossing/
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皆さんは「並行在来線」という言葉をご存知ですか?
これは新幹線の開業時に既に存在する路線で呼ばれる名前の事です。
「大した問題では無い」と考える方もいるかもしれませんがこれは非常に重要な問題です。
原則として並行在来線は新幹線の開業時にJR線から切り離されます。
(この時に沿線自治体は路線経営を存続するか廃線の何れかを選択する必要があります。)
しかし何故、並行在来線はJR線から切り離されるのか?そこには2つの理由が存在しました。
1つ目は並行在来線の殆どはJR線時代から赤字路線だという事です。
新幹線開業前には特急列車が運転されていましたが、開業後は新幹線に役目を託す形で運転は打ち切られます。
分かりますよね?「殆どの乗客は新幹線に流れると言う事は普通列車の利用は殆ど無い。」という事です。
しかし新幹線開業後も一定の利益が見込める一部区間ではJR線が存続して経営を行う場合もあります。
(これは信越本線の篠ノ井駅~長野駅、鹿児島本線の川内駅~鹿児島中央駅などの区間が該当します。)
2つ目は平成2年に可決されたある法案の中に存在しました。
それは「新規に新幹線を建設する場合は並行在来線を自治体が引き継ぐことが条件」という内容です。
この法案は「新幹線を建設する代わりに赤字路線を押し付ける」という自治体にとって非常に理不尽な物です。
(上記で述べた様に一定の利益の見込める区間は引き続きJR線が経営を存続します。)
そしてこの「並行在来線問題」を解決するかもしれない画期的な解決策が数年前に一部の間で話題となりました。
それは10年後の開通を目指して2007年頃に着工した長崎新幹線(武雄温泉駅~諫早駅間)で出された物です。
これまでの並行在来線との最大の相違点は「新幹線開業後も最低20年間は引き続きJR九州が経営を担う」という点です。
また現行本数の普通・快速列車の運転の他、特急列車も朝夕の一部列車に限っては運転が存続されます。
数年後にも開通予定の北陸新幹線や北海道新幹線ではどの様な解決策が行われるのか…?今後の動きに注目です。
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