皆さんはこんなことを思ったことはありませんか?
「路面電車は自動車並みの加速をするのに、なぜ普通の電車は徐々に加速するのか?」
「どうして特急列車が全速力で飛ばす一方、普通列車はそれ程速度を出さないのか」
そうです。基本的に電車の加速度は大きく分けて2つのパターンが存在します。
(ただし一部例外も存在します。)
★加速性能は良いが、最高速度は低い(主に鈍行用の車両に多い)
★最高速度は速いが、加速性能は悪い(主に特急車両に多い)
なぜ殆どの鉄道車両はほぼ上の2つのパターンの何れかになるのでしょうか?
それは歯車の歯数が大きく関係していました。
これは自転車(特にマウンテンバイクなど)を例に考えるとよくわかります。
まず大抵の自転車はペダル側にかなり大型の歯車(≒歯数が多い)が採用されています。
しかし後輪側には3〜5枚程度、大きさの異なる歯車が重なる形で装備されています。
ではこれから何が言えるのでしょうか。
殆どの方は自転車を漕ぎ始める時は比較的、軽い歯車を使用するはずです。
これによって自転車はそれほど大きくない脚力でも走ることが出来ます。
そして更にスピードを出したい場合は変速機を使用して重い歯車に変更するはずです。
この時使用する歯車は、軽い物よりも装備されている歯の数がかなり多くなります。
従ってペダルに装備されている歯車と後輪に装備されている歯車の歯数の比率はほぼ等しくなります。
その為重い歯車を使用した場合、自転車の速度は速くなります。
では話を元に戻します。
路面電車が強力な加速が出来るのは、歯車比を大きくする代わりに高速走行を犠牲にしている為です。
そして逆にそれ程加速力の無い特急車両が、高速域で性能を発揮出来るのは歯車比を小さくしている為です。
今日は以上です。
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はじめに
今日から定期更新を再開します。(更新頻度は上げる予定です。)
では本題です。今日は兵庫県の播磨地区から丹波地区をを縦断する加古川線に関した話題です。
皆さんも知っての通り、加古川線は2004年12月に全線が電化されました。
しかし特急列車はおろか快速列車すら運行されない地方ローカル線が何故、全線で電化されたのか…。
その背景には阪神大震災の時、加古川線が迂回路線として機能したことが関係していました。
かつて東海道本線は阪神大震災の時に高架橋が落下するなど大きな被害を受けました。
これによって東海道本線は74日間に渡り不通となるなどの影響を受けました。
さてこの時、非常に役に立った路線が加古川線、播但線、福知山線の3路線です。
加古川線でも多くの臨時列車が運行され、迂回路線として非常に大きな役割を果たしました。
そしてその甲斐もあってか先述の通り、2004年12月には全線が電化されました。
ただあれから18年…実際に再び東海道本線が不通になった時、本当に迂回路線として機能するのか…。
私は疑問を通り越して、大きな不信感を抱きました。
まずは阪神大震災の時、実際に加古川線で行われた特別ダイヤでの時刻表をご覧下さい。
(各画像はクリックすることにより、拡大表示可能です。)
はっきり言いますが、現在の加古川線では阪神大震災の時と同程度の輸送を行うことは不可能です。
ただそれでも加古川駅〜西脇市駅間においては、これ以上の増発は出来るかもしれません。
しかし西脇市駅以北では「最早、話にならない」と言って良いでしょう。
まず単線路線では増発を行う場合、交換設備の数が極めて重要となります。
つまり路線長が比較的長いにもかかわらず交換設備が殆ど無い場合、増発はまず無理です。
その為、交換設備の全く存在しない西脇市駅〜谷川駅間は全く使い物になりません。
(1995年頃は西脇市以北でも交換設備を備える駅は幾つか存在しました。)
さて路線自体の規格がそれほど高くない事も迂回路線としては少々、無理があると言えます。
最高速度は最大でも85km/hとやや遅いだけでなく、末端区間では更に25km/h制限が加わります。
またホームの有効長が最大でも4両編成と短い為、入線出来る車両・編成は大きく限定されてしまいます。
(西脇市駅以北はホームの有効長は更に短い2両です。)
以上の点から結論を述べると「ただ路線を電化すれば迂回路線として活用出来る」などとという考えは甘いです。
もし仮に迂回路線として機能させるには、交換設備を増設するなど更なる設備改良が必要となります。
それ故に加古川線は今後何らかの手を施さない限り、迂回路線として活躍出来る日は来ないと言えます。
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