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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

青いピル

2020-10-29 09:03:57 | 日記
涼宮ハルヒの憂鬱の新刊が出るらしい。9年ぶりに

8月のあたま、武蔵野駅を見物した帰り道、立ち寄った秋葉原の店で涼宮ハルヒの憂鬱の笹の葉展が行われていた。
大学の頃にアニメを視たが、メイド喫茶で話したメイドさんは小学生だったそうな。初版の発刊から16年経ったらしく、長門は俺の嫁と言っていた勢も、今では彼女を借りてくるなり、花嫁を5等分にしている。赤いピルを飲んだ悟り世代が作るのは、カーシェアにサブスクリプションの未来だ。最近、減価償却という言葉を覚えた。

当時はyoutubeが出来たばかりで、いろいろと緩く、それによって世界的にハルヒブームが起きたのだと思っている。大学2年ぐらいで、丁度、twitterやfacebookが世に出始めて、web系のスタートアップがバブルの真っ只中だった。流行り廃りの激しい世界で未だスタートアップという言葉が続くことは不思議だが、お伽話のウサギの穴が世界の方を飲み込むのだろう。明日の夜明けには、うちの会社もシリウスへ向けて探査ロケットを打ち上げている。

Railsでrubyが流行りだし、Ryan Dahlがnode.jsを世に送りだす2012年頃までの間、perl, python, ruby, luaを皮切りに、arc, gauche, ocaml, haskell, erlang, coffee script, clojure, scala, vala, julia, dart, golang,...
と原始の海のような多様性の中にあった言語やframeworkが、連日、hacker newsへと記事が投稿されていた。
文法とベンチマークによるフレーム合戦は、v8が出た当たりからすっかり見なくなったが、それらは、昨日の出来事のように思えてならない。今では、rustと呼ばれているそれをみて、上の階のベランダから落ちていくペチュニアの鉢植えみたいな気持ちになっている。
記憶を辿ると、foo言語に足りてないbar機能を付け加えて、fizz frameworkで使われていたbuzzが動かなくなるような出来事ばかりを見た気がする。しばしば、永遠の命が欲しくなり、そのプロパガンダを掲げるFSFのguileのページを覗きには行くが、最期に見たときには、リスト化されたソフトウェアの名前の隣の列に、対応するguileのメジャーバージョンが記載されていた。それ以上は、もう深く調べていない。大方、Y Combinatorやオライリーの壁には、鬼十則が貼ってあるのだ。IoT,AIの次はDXだ。乗るしかない、このビッグウェーブに!

ニューラルネットワークの1分野をAIと呼ぶ昨今ではあったが、古典AIの研究で中核を為した言語には、lispとprologがある。(と思っている)
書かれるよりも、語られる言語として有名なlispだが、それに対してprologというのは静かなコミュニティだ。
グレアムやストールマンに相当する誰かしらが、prologについて語っていたり、語られたりは聞いたことがなく、
ベンチマークでfoo言語のX倍の性能が出たとか、製品出荷前にバグが取れたとか、今後10年のセクシーなキャリアポルノとも無縁に思える。
ちょっとググって出てくるのは、Σ計画の失敗か、できが悪そうな情報系の大学生の愚痴ぐらいのものである。
定期的にググっていると、GeneXusでc++からprologで書き直されたとか、
watsonの構文解析やyarnの中で依存関係の解消に使われていたりと、それなりに興味深い記事がでてくる。

JABEE認可のカリキュラムを組んでいる大学では、手続き型言語とは別のパラダイムの言語を学ぶ必要があり、
今でも国際基準を目指す意識の高い系の情報処理学科では、第2の言語として習得させていると、かつて大学生だった頃にシラバスの説明で聞いたような覚えがある。
つまるところ、授業を任された準教授が熱意を持てば持つほどに、学生たちのprologへの恐怖と劣等感は増していくわけで、幸か不幸か、出るだけは出た大学でのプログラミング演習の担当教官は、人一倍にプログラミング教育には熱心な方だった。オフィスアワーか何かで準教の部屋を覗いたときには、On Lispやオブジェクト指向の分厚い書籍が棚一覧にズラリと並んでいた。cincomのvisualworksでペトリネット演習用のツールを自作したり、これまでの人生で見てきたなかで数少ない本物の1人だったと思えている。教授の方もマルセイユまで行ってprologを持ち帰ったとか何処かで聞いていて、prologを学ぶには事欠かない環境だったと、今更ながらに思う。

prologの演習で記述するのは、1題辺りで、せいぜい3,4行だった。
もっとも、その3,4行を記述するために、演習後に平均的に2、3時間ほど残る羽目になった。
短い行数の中には条件分岐とデータ構造を詰め込んだ、平安の歌人が作る俳句のような技芸で、
バックトラック、末尾再起やassert, 川渡りパズルのようなものが毎週のこと出てきた。
知能を使うのは、あれが人生の中での頂点だったかもしれない。
端末室の環境はシンクライアントだったために、早々と帰っていった連中のホームディレクトリを漁ることは出来たものの、そろいもそろって、どれもこれも正しく動いてはなかった。地方の冬の星空は澄んでいて、とてもキレイだった。第2言語がschemeだと、もっと沢山の星を見ることになっていたのだろう。ぞれが今では、演習用テキストの元ネタになったであろうprologのタネ本を探している。実家の部屋中を探したもののprologの講義資料だけがなく、2冊ほど買ってはみたものの演習で受けたような内容にならない。

この16年程で、pythonは2.xから3Kへとメジャーなバージョンアップが行われ、perl5のマイナーバージョンは、どこまでも上がっていく。TIOBEのインデックスで、perlが再びにrubyを追い越した当たり、この世界の不安定さと、それに辟易している様相を伺える。今後も言語やライブラリはドラスティックに破壊と再生を繰り返すのだろう。
当時、ペトリネットエディタが、Smalltalkで書かれていたことが不思議に思っていたが、1人でメンテナンスを行うともなれば、たかが文法如きで書いたソフトウェアを壊されて貰っては困るのだ。と彼の心境を想像している。
FOSSの世界で枯れ果てたtcl/tkはクールだし、アングラなxpceは一層にクールなのだ。傍から見ていただけだったが、FOSSおろか、ソフトウェアの世界とも、いよいよ縁遠くなってきた。そういう気がしてならない。
トレンドは追えば追うだけ、飛ばし記事を売りたい連中と承認乞食に振り回され続けるだけなのだ。
短冊へ願いを込めるには儚いもので、16年前に気付いていれば今頃は世界の中心になっていたかもしれない。
いつかの七夕には、駅やデパートで飾ってある笹に「世界があたしを中心に回るようにせよ」とでも短冊に書いて吊るしておこう(いつの七夕になるかは分からない)



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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(moniシリーズ)、それに農業も手がけるIT企業

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