今日で2011年度の期末を迎える。性にも無く固い話が多くなるが、せっかくの機会なので、本年度のビジネスシーンを「家族」というキーワードで振り返ってみたい。
本年度は、東日本大震災の対応に追われ、日本中がまだ混乱する中で始まった。あの頃は、来年の3月(つまり、今)をこうして生活できるかも分からないほど、先行きの視界が全く開けていなかった。それを考えたら、日本の経済や社会は当時想定されていたより早いペースで回復しているように思う。原発事故に端を発した電力需給問題による夏冬の節電、タイで発生した大洪水による電子機器を中心としたサプライチェーンへの打撃、世界経済の不振による円高などのマイナス要因を乗り切りつつあるのは、政治や経済の力ではなく、「日本の家族力」に起因していると考える。1年前、避難所で生活した時に感じた、「この体育館に避難している500人みんなが、自分の家族だ!」という感覚は、「被災地のみんなも家族だ!」という意識に変わっていった。誰しもが、大なり小なり、そうした感覚を体験したのではないだろうか。自分に何ができるかを問い直し、義捐金・物資・労働力をボランティアで提供いただいた多くの方の支援が、単なる物質的な意味だけでなく、心の繋がりをもたらしたと思う。これを端的に示した一文字、それが「絆」である。
一方で、放射能や原発の問題、生活の再建、仮設住宅の入居期限問題など、まだ解決しなければいけない課題は山積している。これらの課題に対して、自分自身が、あるいは企業がどのようにアプローチし、困っている人に手を差し伸べられるのかを、自問し続けることが必要だ。ともすれば、深く考えることや実行することをためらいがちになる私たちは、これから長く、これらの課題と向き合わなければならない。止まってはいけない。満足してもいけない。2012年は「東日本復興元年」との想いを強くして、「絆」をより深く、広くする貢献を続けていく決意を示したい。そう、家族を想うごとく、被災地を想いながら。
視点を変えて、もう一つトピックを挙げるとすれば、大きな組織におけるガバナンスの問題が表面化したことに注目したい。震災・原発事故での政府の対応は、民間調査委員会の報告書から、指揮官の役割について多くの示唆に富んでいる。当時の総理大臣個人の資質をどうのこうのと言うよりも、「未曽有の事態に遭遇した時、自分は、人の命を預かる者は、どうあるべきか」という視点で読むと、実に勉強になる。また、大手製紙会社と電子機器メーカの経営者を巡るそれぞれの問題も、内部統制の重要性が叫ばれる昨今、10年前に対処しておくべき問題だと切り捨てざるを得ない。日本シリーズの直前に抗争が起きた球団であったり、反社会勢力への対応の中でタレントが一人表舞台から姿を消した大手芸能マネジメント会社であったり、国技と呼ばれるスポーツを仕切る財団法人であったり、不明瞭な問題が表面化した組織は、枚挙に暇がない。これまで「業界」という法的に意味をなさない「枠」に守られているという錯覚が、「虚構なのだ」と警告する事象と言える。これらガバナンスの視点から見えてくる共通因子は、組織における「家族主義」を履き違えたことに他ならない。「家族なのだから許される」「家族なら家のルールで守ればよい」「汚いことは家族だけの秘密」という、内的な「家族主義」が横行したと考える。
自分自身のことを振り返ると、2011年度のテーマは、「家族をつくること」であった。昨年秋から始まったプロジェクトは、延べ50名のアルバイトの方にお手伝いいただくという、弊社が経験したことの無い体制を組んだ。面接時から皆さんにお話ししたことは、「とにかく楽しく、コミュニケーションをしっかり取りながら仕事をしてほしい」という一語に尽きる。幅広い年齢の方が一堂に会す形で同じ仕事に取り組んでいただくとき、マネージャとして前職から変わらず心に決めている目標がある。それは、「スタッフ全員を家族のように気を配り、思いやることができる職場」を雰囲気ごと作ることだ。いい意味での「家族主義」を作り上げるためには、マネージャの接し方とスタッフの人柄に負うところが大きい。その点、今回のプロジェクトは自信がある。携わる社員・アルバイトだけでなく、お客さまも含めて感謝を伝えたい。
もちろん、プロジェクトの資金をカジノに流用したり、「たかが○○が!」と言ったり、そんなことをしないのは当たり前だが、それぞれのプロジェクトメンバーのことを思えばこその、厳しい対応も取ることがある。そこに偽りない愛情があり、その愛情を正しく伝えることができれば、人は必ず受け止めてくれる。その想いにあふれた2012年度が来るように、努力を続けていきたい。
え?プライベートでも家族が増えただろって?そっちは、こんなきれいごとでは済まされなかったりして・・・。(啓)
monipet
動物病院の犬猫の見守りをサポート
病院を離れる夜間でも安心
ASSE/CORPA
センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
「できたらいいな」を「できる」に
OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
短納期HEMS開発をサポート!
GuruPlug
カードサイズ スマートサーバ
株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
本年度は、東日本大震災の対応に追われ、日本中がまだ混乱する中で始まった。あの頃は、来年の3月(つまり、今)をこうして生活できるかも分からないほど、先行きの視界が全く開けていなかった。それを考えたら、日本の経済や社会は当時想定されていたより早いペースで回復しているように思う。原発事故に端を発した電力需給問題による夏冬の節電、タイで発生した大洪水による電子機器を中心としたサプライチェーンへの打撃、世界経済の不振による円高などのマイナス要因を乗り切りつつあるのは、政治や経済の力ではなく、「日本の家族力」に起因していると考える。1年前、避難所で生活した時に感じた、「この体育館に避難している500人みんなが、自分の家族だ!」という感覚は、「被災地のみんなも家族だ!」という意識に変わっていった。誰しもが、大なり小なり、そうした感覚を体験したのではないだろうか。自分に何ができるかを問い直し、義捐金・物資・労働力をボランティアで提供いただいた多くの方の支援が、単なる物質的な意味だけでなく、心の繋がりをもたらしたと思う。これを端的に示した一文字、それが「絆」である。
一方で、放射能や原発の問題、生活の再建、仮設住宅の入居期限問題など、まだ解決しなければいけない課題は山積している。これらの課題に対して、自分自身が、あるいは企業がどのようにアプローチし、困っている人に手を差し伸べられるのかを、自問し続けることが必要だ。ともすれば、深く考えることや実行することをためらいがちになる私たちは、これから長く、これらの課題と向き合わなければならない。止まってはいけない。満足してもいけない。2012年は「東日本復興元年」との想いを強くして、「絆」をより深く、広くする貢献を続けていく決意を示したい。そう、家族を想うごとく、被災地を想いながら。
視点を変えて、もう一つトピックを挙げるとすれば、大きな組織におけるガバナンスの問題が表面化したことに注目したい。震災・原発事故での政府の対応は、民間調査委員会の報告書から、指揮官の役割について多くの示唆に富んでいる。当時の総理大臣個人の資質をどうのこうのと言うよりも、「未曽有の事態に遭遇した時、自分は、人の命を預かる者は、どうあるべきか」という視点で読むと、実に勉強になる。また、大手製紙会社と電子機器メーカの経営者を巡るそれぞれの問題も、内部統制の重要性が叫ばれる昨今、10年前に対処しておくべき問題だと切り捨てざるを得ない。日本シリーズの直前に抗争が起きた球団であったり、反社会勢力への対応の中でタレントが一人表舞台から姿を消した大手芸能マネジメント会社であったり、国技と呼ばれるスポーツを仕切る財団法人であったり、不明瞭な問題が表面化した組織は、枚挙に暇がない。これまで「業界」という法的に意味をなさない「枠」に守られているという錯覚が、「虚構なのだ」と警告する事象と言える。これらガバナンスの視点から見えてくる共通因子は、組織における「家族主義」を履き違えたことに他ならない。「家族なのだから許される」「家族なら家のルールで守ればよい」「汚いことは家族だけの秘密」という、内的な「家族主義」が横行したと考える。
自分自身のことを振り返ると、2011年度のテーマは、「家族をつくること」であった。昨年秋から始まったプロジェクトは、延べ50名のアルバイトの方にお手伝いいただくという、弊社が経験したことの無い体制を組んだ。面接時から皆さんにお話ししたことは、「とにかく楽しく、コミュニケーションをしっかり取りながら仕事をしてほしい」という一語に尽きる。幅広い年齢の方が一堂に会す形で同じ仕事に取り組んでいただくとき、マネージャとして前職から変わらず心に決めている目標がある。それは、「スタッフ全員を家族のように気を配り、思いやることができる職場」を雰囲気ごと作ることだ。いい意味での「家族主義」を作り上げるためには、マネージャの接し方とスタッフの人柄に負うところが大きい。その点、今回のプロジェクトは自信がある。携わる社員・アルバイトだけでなく、お客さまも含めて感謝を伝えたい。
もちろん、プロジェクトの資金をカジノに流用したり、「たかが○○が!」と言ったり、そんなことをしないのは当たり前だが、それぞれのプロジェクトメンバーのことを思えばこその、厳しい対応も取ることがある。そこに偽りない愛情があり、その愛情を正しく伝えることができれば、人は必ず受け止めてくれる。その想いにあふれた2012年度が来るように、努力を続けていきたい。
え?プライベートでも家族が増えただろって?そっちは、こんなきれいごとでは済まされなかったりして・・・。(啓)
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「できたらいいな」を「できる」に
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業