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■地政学の賢い知恵

2019-08-25 | ●日本の海

■■■■■■■■■敗戦の苦渋■■■■■■■■■■

■「自立意識の台頭
日本人にとって魔の戦いと言われた太平洋戦争が終わって,もう74
年にもなる。世代が移り変わり、時がたつにつれ、戦争体験者が少な
くなりつつある。 そして310万人もの日本人が命を落とした,あの悲惨
な戦争に対する思いさえ、どんどん風化していく。

●最近の「集団的自衛権」論争で解った事は、法的な論議は別として、
さしせまった無謀な周辺諸国からの脅威にさえ、平和憲法があれば防
げるという. 全く能天気な不戦論者が多い事である。
まさに挑発国の思うつぼとしかいいようがない。国防と不戦を同じくする
事の愚に、全く思いをいたしていない。

  
友好国タイには、若者は特定の年齢になると、自国の防衛のために
必ず特定期間、国軍に参加する徴兵制度がある。
あくまでも比較論だが、タイの人たちは,若い人たちに至るまで自国防
衛について、たれしも毅然とした国防意識を持っているように思えてな
らない。
それに引き換え日本の場合は、徴兵もなく、まさに平和憲法が自国を
守ってくれると思いこんでいる節がある。言いたくはないが戦後教育の
まずさだけではすまされない問題ではある。まさに平和ボケとしか言い
ようがない。

●しかし戦後70年をすぎたあたりから、日本でも人生百年論争が高ま
り、終活論争とは逆に、シニアのリカレント(学び直し)が台頭してきた。
その理由には、シニアが元気で暇だという説もあるが、意外と「自分の
生き様を見直してみたい」という歴史感に目覚めたシニアが増えてきた
という説が確かなようだ。

  
  

■「賢者は歴史に学び者は経験に学ぶ
●定年後ライフネット生命保険会社を立ち上げ、昨年73歳から立命館
アジア太平洋大学の学長を務める出口治明さんは、いまや経済界きっ

の歴史学者として、多くの著書を上梓しシニアのリカレントをリードして
いる
出口さんの持論は、経済人であれシニアであれ、今後 経済危機や
大地
震が起こった際、歴史を学んで知る人と、歴史を知らない人では、
仕事の
面でも、人間的な面でも雲泥の差がおこるという。

出口説によると、人間の経験はたかが数十年でしかない。でも歴史は
文字
として残るだけでも5500年もあるという。その間、天災や経済危機
は何度と
なく起こっている。
一方で人間脳は、ドメスティケーション〈農耕〉開始来、1万3000年以
上も
進化していないという。だから喜怒哀楽も経営判断も大差ないこと
になる。
悲しいことを学ぶ教材は、「過去」にしかない。「だからこそ歴史
を知り過去
に学べば、必ず危機に対応できる」と出口先生は言い切る。



■「
地政学的知見の威力
●最近、日本の近代史に触れていると、格別目にするのが「地政学」と
いう
知見だ。この地政学は、いまの混迷する世界情勢を読み解くのに、
極めて重
要なキーワードのようにおもえてならない。
俗に「地政学」とは、国土の地理的な環境が国家の政治や経済、社会、
軍事
動向に与える影響をマクロ的に分析する学問の事らしい。

その基本的な考え方には、

隣接する国は互いに敵対するという
・敵の敵は味方などといった考え方もある、
・米国は巨大な島としてとらえる。
いまの混迷する世界情勢は、地政学と歴史で読みとくと、よく理解が深
まると
言うことで、なおさら地政学が重要視されつつあるという。

●この論拠からすると、最近の韓国の日本に対する敵対的な行為など
は、ま
さに地政的な発露というか根拠と言えなくもないように思えてくる
最近では複雑怪奇な国際情勢を読み解く学術的な視点として、地政学
に注
目が集まる。 巨大国土のロシアが、常に南に南に勢力を伸ばした
がるのは、
「不凍港」を求めての事である。



●また海側に野望をむける大陸国家の中国は、すきを見ては南シナ海や
尖閣に向けて
進出の牙をむく、その行動の全ては、地政学的にみるとすこ
ぶる理解しやすい。

●また世界を揺るがすテロの脅威についても、東洋の島国日本は、極
めて安全優位を誇る。これも日本が世界第6位という地政学的に見て
極めて優位な島国国家であることの証でもある。

 
■「
世界のテロ危険指数2015
(順位)(国名)        (指数)
位  イラク        10,000
2位  アフガニスタン    9,233
3位  ナイジェリア    9,213
4位  パキスタン     9,065
5位  シリア        8,108
6位  インド         7,747
7位  イエメン       7,642
8位  ソマリア       7,600
9位  リビア         7,200
10位 タイ            7,279 ●
11位 フイリピン      7,270
12位 ウクライナ       7,200
13位 エジプト       6,813
14位 中央アフリカ     6,721
15位 南スーダン      6,712
16位 スーダン        6,686
17位 コロンビア       6,662
18位 ケニア          6,660
19位 コンゴ          6,487
20位 カメルーン      6,466

22位 中国          6,294
23位 ロシア        6,207
28位 英国         5,613
35位 米国         4,613 
36位 フランス       4,553
39位 イラン         4,094
124位 日本             0 ●



識者の話によると戦後の日本では、地政学は禁じれた学問だったと
いう。
本来、地政学は、戦中ドイツのヒットラーが信奉したもので、ユダヤ虐殺
などの負の固定概念が付きまとう「禁断の学問」として永らく封印された
らしい。どちらかというと西欧的な大戦略ツールの趣があったという。
日本では、インターネット時代になって急速に台頭してきたという。」

●地政学者で戦略学者の奥山真司氏による概念によると
地政学における戦略の7階層
1)「世界観」  ・どんな役割があるか。
2)「政策」   ・なにをしていくか。
3)「大戦略」   ・国家の資源をどう使うか。
4)「軍事戦略」 ・現在ある軍隊の力でどう勝つか。
5)「作戦」    ・いつ、どこで、どのような戦いをするか。
6)「戦術」    ・どのような戦術で戦うか。
7)「技術」    ・勝つためにどのような技術を使うか。


■「
アジア植民地国の解放と独立]
●因みに戦前ののアジアの独立国は、わずか日本とタイの2国だけだ
った。
その他のアジアの国は、全て地政学的な戦略思考にたけた欧米
の国々の植民地だった。
●(戦前、戦争中の欧米列強による植民地支配地図) 

 当時の独立国は日本とタイのみだった。

●しかし戦後のアジアは、太平洋戦争が終わりと、機を一にして、アジア
の植民地諸国は
民族独立の烽火(のろし)を挙げた。
中には、日本から引き継いだ形で、支配国の軍隊と祖国独立のための戦
いを始めたところも出てきた。
現地日本軍の中にも、投降しないで植民地
軍の独立
戦争に加担して戦った人たちも多かったと聞く。


■「アジア植民地国、独立への足跡
●インドネシア独立戦争始まる。    (1945)
●第1次インドシナ戦争始まる(ベトナムの独立戦争)
●ベトナムが フランスから独立宣言 (1945)
●ドイツの東西分割統治  東西陣営の対立の火種に(1945)
国際連合の発足 (1945)
●プレトンウッズ体制の確立 金ドル本位制の経済枠組み(1945)
日本の民主化(GHQの占領統治)財閥解体と農地改革 憲法の制定
●フィリピンが米国から独立   (1946)
●インドの独立植民地支配からの解放(1947)
インドが 英国から独立    (1947)
中にはインドネシアのように、首領国と数年に及ぶ内戦の末、独立した国
もある。アジア以外でも中近東、アフリカなどでアジア同様、機を一にして
独立する国が相次いだ。
日本は不幸にして敗れたが、植民地首領国の欧米の列強を相手に戦った
事が契機になり、アジアの国々の独立の機運を創ったとして、多くの国々か
ら慕われ尊敬されることになる。

冷戦の開始 新たな世界戦争 (1947)
●マーシャルプラン(米国の援助西陣営国)VS コミュンフォルム(1947)
●スリランカ(セイロン)が 英国連邦の自治国として独立(1948)
●ビルマ(ミャンマー)が 英国より独立 (1948)
大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が独立 (1948)
●中東イスラエルの建国 (1948)
●ベルリンの東西分断  (1948)
NATOの創設      (1049)
●インドネシアが オランダから (1949)
●中華人民共和国の誕生     (1949)
朝鮮戦争の勃発        (1950)

●日本の独立と日米安保     (1951)自衛隊の発足
●李承晩ラインの設定       (1952)
●第2次中東戦争         (1952)
●ラオスが フランスから独立        (1953)
●カンボジアが フランスから独立  (1953)
●マレーシアが 英国から独立    (1957)
●シンガポールが 英国から独立   (1965)
●バングラデシュが パキスタンから分離独立 (1971)
●ブルネイが 英国から独立      (1984)
多くのアジアの国々が、つぎつぎと独立を勝ちとっていった。
素晴らしいの一語に尽きる。

 
(現在のアジアの地図)

仏印(ベトナムやラオス)など当時のフランス植民地政策は、相
ひどかったらしく、搾取の歴史だったようだ

それだけに植民地からの独立は現地の人々の宿願であり稙民地
からの解放そのものだった。
独立年次が遅れた国ほど、主領国との間で内戦があったり、独
立までの道のりが、遠かった事を表す。

 

 

 

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