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■■■■■■■■健康のための食養と食事■■■■■■■■■
■「日本は健康大国か」
●日本は高齢者人口が3350万人、4人に一人が高齢者という世界
一の高齢化国家である。そしてまた寿命年齢が世界一の長寿国でもあ
る。日本がそんな健康大国になった理由を探ると、日本人が、伝統的
に古来から重んじて来た「食べ物」にある事がわかってきた。
しかし困ったことに、おひとり様の増加や 食の洋風化や簡便化によっ
て痴呆症が700万人、要介護高齢者が600万人に増え 今や大きな
社会問題になりつつある。
●そんな時に上梓されたのが 「食べ物で健康になりたい人が読む本」
である。著者は、藤田きみえさん(滋賀県立大学名誉教授)
藤田さんは有能な医師であり大学教授の研究者でもあり、かっては2
児を育てた家庭の主婦としての多彩な生活体験から、伝統的な日本の
家庭食の知見や、家庭の主婦の知恵を活かした食事の在り方や、生活
習慣病にたいする 医師としての対照療法などを、イラストを交えて
判りやすく専門的に構成したという。
■「食養と理想の食事の本」■
●「食べ物で健康になりたい人が読む本」
生活習慣病を改善する(食物礼賛)のこころ
元気に働き、健やかに暮らすために、食事はあなた自身を作る糧です。
藤田 きみえ著
宮武 明彦監修
創元社 刊 定価(本体1200円+税)
(全国の書店で、10月12日より好評発売中)
●元気に暮らしたいと願う高齢者はもとより、全ての働く人たちに
常に座右に置いて欲しい、かけがいない生活科学、生活医学の一冊
である。
●ブロガーの私も、今回の書評を書くに当たり、早速詳しく読ませて
いただいた。この本の構成は、下記のようになつている。
■「構成の概要」
●「まえがき」
●「食養と手当」
1)活力を与えるフエッとケミカル
2) 薬効のある食べ物(漢薬)
3) 豆類の薬効について
4) デトックスとは
5)発酵食品はなぜ必要なにか、
6)免疫力を高める食品
7)風邪への対応
8)胃腸への対応
9) 脳を健やかにする食品
10)泌尿器疾患の対応
11)食物アレルギーについて
12)アトピー性皮膚炎などのかぶれを軽減する対策
13)眠りへの誘い その1 眠りを誘う食べ物
14)眠りへの誘い その2 眠りを誘う手技
15)女性のための食養と手当
16)産前の食事と手当
17)妊娠後期と産後の食事と手当
●「理想の食事」
1)理想の食事とは
2)タンパク質の功罪
3)代謝に不可欠な脂質
4)カロリー源として重要な炭水化物
5)生理作用を司るビタミン
6)バランスの必要性
7)食物繊維の必要性
8)人はなぜ太るのか?
●「あとがき」
冒頭から、核心の課題に迫る、無駄のない構成である。
しかも内容がいい。健康に暮らすためには、まず食べることを知識
する事だという事がよく解る。
■「健康は食にあり」
●出来れば、読み始めた途中で「あとがき」をお読みいただく事を
おすすめしたい。
その理由は、この本が著者の医師として研究者として家庭の主婦と
しての多彩な生活体験から生みだされた 食養の知見の集積であるこ
とに注目をいただきたいためである。
●またこの本を読んでよかった事は、日本の家庭で古くから食べら
れてきた伝統食の玄米スープや、子どもの頃、風邪気味の時に 年寄
りが作ってくれた「梅干し番茶」が、名うての伝統的な対処法で
あつた事を、改めて知ることができた事である。
●最近 高齢者医療の薬ずけ問題 特に多剤投与や残薬が、国の医療
行政と絡んで常に話題になるが、高齢者は,この本を読むことでただ
投薬に頼るのでなく、自衛のための自身の健康について 改めて学ん
だり 知恵を出したりすることが、いかに重要か解ってもらいたい。
●私も後期高齢者の一人だが、昨年中断していた「糠ずけ」を再開
した。いまでは毎日、旬の野菜の漬物を、欠かしたことはない。
糠ずけのお陰で長らく苦しんでいた便秘が、いつの間にか解消した。
糠ずけは、聞きしに勝る日本の伝統的な家庭内食品だと聞いてはいた
が、この本の43ページ「醗酵食品はなぜ必要か」にも、腸内フ
ローラの役割や、免疫力を高める食品として醗酵食品の効用が、実に
詳しく記載されている。
●と言う訳で、私は糠ずけを食べる限り、便秘で投薬のお世話になる
ことは、まずないと確信している。
高齢者シニアのみなさんが、 この本を読む事によって自分の健康につ
いて、見直していただくことができれば 日本の医療行政も大きく改善
できるだろうし、また 社会保障の次世代への付けも低減できるはずで
ある。
日本の高齢者3350万人の健康への自衛力が集積すれば、いかに大きな
マンパワーになるか 些か<おおげさな話のようだが「健康」がもたらす
国家的な効用について改めて確信を深めた次第である。
●私の書棚には、食べ物や歳時にかかわる愛読書が多くある。
「食卓の情景」 池波正太郎著 新潮文庫
「檀流クッキング」 檀 一雄著 中公文庫
「あと千回の晩餐」 山田 風太郎 朝日文庫
「料理歳時記」 辰巳 浜子著 中公文庫
「置酒歎語」 楠本 健吉著 朝日新聞社
「御馳走帳」 内田 百聞著 中公文庫など
●そのほとんどは、日本の伝統的な和の食物にまつわる話である。
今回の藤田さんの本を読んで、名著にある日本の食文化について改め
て解ってきたことがある。
これらの旧き文人たちが日本の四季の中で、ひたすら求め続けた日本
の食文化の背景には、常に旧き時代を支えてきた人々の暮らしや健康
への営みがあったという事実である。
「健康」は、今も昔も私共日本人の暮らしの最大の命題である事に違
いない。
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