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■■■■■■■■■■■■響き合う言葉■■■■■■■■■■■■
■「言葉の誕生」
●地球が生まれて46億年。哺乳類が誕生して6600万年、人類
が地球に生存し始めて20万年になる。
当初、人々は小さな群をなし、手振り身振りで意思疎通を図り
ながら、口語による対話で集落を創り、そこから社会の仕組み
の原型が生まれたと言われる
おりしもこの時期に、意志を伝える対話方法として言葉の原型
が生まれたと想像される。言葉による文字の誕生は、民族が文
明的な時代に入った事を告げているという。
●対話によって意思が通じ合い、仲間ができ集落が誕生。部族
が栄え、やがて国が誕生する。人類の発達の鍵は、言葉による
対話だった言われる所以だ。
やがて此処から物語が生まれ、歴史が創られてゆく事になる。
しかし 対話がない世界では、往々にして力の対決となり、物事
の決着は、全て力による事になる。
歴史学者 ユべァル、ノアハラリが語る、雄大な地球の歴史物語
「ホモサピエンス全史」によると、言葉による対話が 力の対決
という人類の歴史を大きく変えたと言う。
■「伝える言葉」
⚫️私達が日常使う「言葉」その存在価値たるや計り知れず大きい。
言葉が対話を生み、対話により情報が作り出され、情報が価値を
所産し、経済社会が成り立つて行く。
言葉は常に情報のソースでもある。情報があるから社会が成り立
つ側面がある。
● 「ことば」は、国によって異なる。本来 その国の言語は、その
民族、固有の文化として生まれ、語り継がれてきた経緯がある。
日本語の起源は、未まだ明確になっていないが、日本の国の発祥
時からあったに違いない。
漢字そのものは 仏教と同じく 中国より伝来したと伝えられるが、
日本には漢字の他に「かな」があり 海外語が入ってからは「カタ
カナ」が 加わったとされる。
このように多岐に亘る言語の形態は、他に類を見ないという。
●古くから「国語」は、近代国家の特徴だと言われてきた。 日本
の場合、明治維新後の欧州に学んだ学者たちが、こぞって日本語
を「国語」にという制度を提唱し、国民の一体感を呼び起こそう
としたという。
まず教養ある東京の人々の話ことばを「標準語」と決めた。そし
て1916年に「口語法」が制定され、標準語の励行運動が進んだ。
爾来105年が経つ。
世界には193の国(国連加盟国)があるが、方言に当たるものまで
いれると、言語の数は3000とも5000ともいわれる。しかし母語と
して認められる主な言語は、下記の様である。
●「母語としての主な言語のランキング」
(順位)(言語名) (使用者数)万人(主に公用語として使う国数)
1 位 中国語 11億9700 ・中国と香港、マカオ
2 位 スペイン語 4億0600 ・スペインはじめ21ヶ国
3 位 英語 3億3500 ・英国、米国はじめ12ヶ国
4 位 ヒンディ語 2億6000 ・インドの国語
5 位 アラビア語 2億2300 ・エジプトはじめ中近東27ヶ国
6 位 ポルトガル語 2億0200 ・ポルトガル、ブラジルなど8ヶ国
7 位 ベンガル語 1億9300 ・バングラデシュなど2ヶ国
8位 ロシア語 1億6200 ・ロシアはじめ4ヶ国
9位 日本語 1億2200 ・日本とパラオ共和国
●いま世界で1番の課題はーーーーー
・平和への探究、
・自由交易
・共通意識の具備,
・共通認識の拡大など、
そのためには、正しい意思疏通のための共通の言語が必要な所以
だ。
●いま世界には7097の言語が存在するというが、多くの学者は、
世界の近代化による主要な言語への移行で,既に約3000母国語が
消滅したと言う。
言語や言葉は、多様な文化や人々を結ぶツールとして、非常に大
きな役割を果たしてきたが、今後は人々の交流やそれぞれの意思
を伝えあう「共通言語」に集約されていく傾向にあるという。
いま世界の共通言語といえば、ビジネスの世界、特にインターネ
ットでは「英語」という事になるが、そのランキングは、次のよ
うである。
■「世界のインターネット使用言語ランキング」2019
(順位)(言語名) (使用者数) (使用割合)
・1位 英語 10億5276万人 25,3% ●
・2位 中国語 3億3789万人 8,1%
・4位 アラビア語 2億1904万人 5,3%
・5位 ポルトガル語 1億6915万人 4,1%
・6位 インドネシア語 1億6875万人 4,1%
■「響き合う言葉」
●「YOUは何処から日本へ」という人気番組がある。成田空港の
到着便の出口で、日本にきたばかりの外国人に突撃インタビュー
する。「Youは何処から日本へ」と尋ね、まず訪日の目的を聞く。
出発国も様々で、訪日の目的は観光あり、武闘研修あり、恋人探
しあり、ラーメン行脚あり、日本縦断自転車旅あり、そこで単刀
直入に,同行取材を申し入れて話がまとまれば、話題も一層深まり、
さらに面白い展開になる事が多い。
訪日外国人は、初来日ながら片言で日本語をしゃべる人が多い。
複雑な日本語の会話を 事前に自国で学び、意気込んで訪日する努
力には、ただただ頭が下がるばかりだ。
運よく同行取材となると、意外性の連続で実に面白い展開になる。
海外から来た外国人に、意外にも日本の四文字熟語や、優れた日
本の秘境文化を教えられて、驚くこともある。
彼らが日本の魅力を、どのようにして知つたかと聞くと、殆どの
人が日本のアニメ番組で日本の言葉や日本の知識を得たと言う。
まさしく響き合う「日本の言葉」の威力、日本ブームの成果と言
えよう。
●いま世界の日本ブームや日本企業の世界展開に追随して、世界
各地で日本語を学ぶ人が急増している。
■「世界の日本語学習熱」(日本語を学習する人数」
●「世界の地域別、日本語学習者数」
(地域) (学習人数)
●東南アジア 113万2700人 ●
●南アジア 2万9100人
●西欧 7万6100人
●東欧 2万5400人
●中央アジア 2800人
●中東 3500人
●アフリカ 8300人
(出所 国際交流基金)
■「言葉の文化」
●何事も、言葉が通じない程、難儀なことはない。意思が通じない
となると物事は何一つ進まない。道を聞いたりは、身振り手振りで
良しとするも、仕事となると、そうはいかない。
遥か昔、鎖国から開国へ、 かっての江戸から明治維新の開国のとき、
時の先達は、まずは共通言語を学び、それを活用することで外国人
と意思の疎通を図り開国の危機を脱却後、外交や貿易や国際交流で
国力を伸ばしてきた。その先駆者たちの発想力とご苦労たるや、並
大抵ではなかったと想像できる。
●人々の初めての出会いでは、
・言葉を介して、多くの事が始まる、
・言葉によって意思が通じ、お互いの事が判り始める。
・そして仲良しになる。
・やがて新しい関係が芽生える。
言葉は、人と人との関係性の接着剤の役割を果たしてきた。
●私たちがタイとの国際交流事業を始めた時、今から20年前に
遡るが、タイ語の素養は全くなかった。
しかし、タイの文化は、言葉の文化だと聞いて興味を抱いていた。
最初に聞き覚えたタイ語は
・「サワディカ」(今日は)と
・「マイペンライ」(お構いなく)
だった。
●私どもが日タイの国際交流の活動を始めた当時は、
・通信は固定電話、
・外国との交信はほぼFAX。
・文書の作成は、ワードプロセッサー。
その後、瞬く間にパソコンが普及し海外との交信は、
・電子メールに代わっていった。
JTIROは2005年にメールマガジンの配信をはじめ、2008年
にはブログの配信も始め、今に至る。
振り返るたびに、その後の通信手段の革新は驚異的だった。
特に
・携帯電話の小型化、スマホの登場。
・Lineなど通信の国際化、
・WiFiの普及、
最終的には、
・AIによる携帯翻訳器の出現
につながった。ことごとく言葉を繋ぐ機器と便益の登場である。
●過ぎ去った20年ばかりの間、当初は言葉のトラブルで折角の
プロジェクトが、うまくいかなかったケースは山ほどある。
特に説明不足や 説得の不備は、1台のポケトーク(携帯翻訳機)
とパソコンとスマホがあれば、全く問題はなかったと思う。
科学の進歩、特にITの進化は、あらゆる情報分野で、驚くよう
な成果をもたらしたと言っていい。
世界の国を一瞥するとき、言語で国名の識別が可能かというと、
そうではない。伝統国家は,かたくなに自国語を守りぬいてきた
という歴史的な一面はあるが、植民地支配が長きになきにわたっ
た東南アジアの国などは、欧米の洋風化で主国語に変わった国も
多い。そのため戦後独立したことで、その主国語の英語が、何か
と情報社会で役立つているという国もある。これはまさに人と同
様、その国の運としか言いようがない。
●またその国の言語は、その国の歴史を語り継いできた伝統文化
の側面をもつ。
日本の場合も、タイも同様だが、伝統文化の母国語をしっかり守
りながら、第2言語の世界共通語の英語を全国民が体得し、存分
に活用していく事が、IT時代の重要な課題と言える。そのため
には、決して言葉の危機があってはならない。
そんな思いを込めて、お互いの国々の平和のために響きあう言葉
の未来を探り合う努力が必要だと思う。
■「好きな言葉」
●作家の力量は、人々と同じ言葉を使っているにも拘わらず人
々に何とも言えぬ魅惑の世界へと読者を誘う。言葉の魔術師と
言われる所以だ。
⚫️座右銘 堀口大学「ことばの流星群」集英社)
暮らしは分が大事です
気軽が何より薬です
嫉む心は自分より いがいのものは傷つけぬことです
⚫️「阿久悠の言葉、阿久悠を送る会」
夢は砕けて夢と知り
愛は破れて愛と知り
時は流れて時と知り
友は別れて友と知り
⚫️[別れの朝」ペトロ&カプリシアス「訳詞 なかにし礼」
別れの朝 ふたりは
さめた紅茶 のみほし
さよならの 口づけ
わらいながら 交わした
●言葉は、その国の文化であり、悠久の歴史の所産でもある。
相手を知るためには、まず相手の国の言葉を知ると言う事だ。
文豪漱石も述べるように、人々は一つの言葉から派生して、生活
体験の様相や思い出など、視覚的なイメージをうかべることが出
来ると言う。
これは、脳の想像機能と言うよよりも、言葉の魔力と言っていい。
どうあれ、日本人として日本の言葉の所以をよく知り 日本の言葉
をもっともっと、大切にしてゆきたい。 (山)
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