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■響き合う言葉

2021-02-28 | ●情報の時代

■■■■■■■■■■■■響き合う言葉■■■■■■■■■■■■
  
言葉の誕生
●地球が生まれて46億年。哺乳類が誕生して6600万年、人類
が地球に生存し始めて20万年になる。

当初、人々は小さな群をなし、手振り身振りで意思疎通を図り
ながら、
口語による対話で集落を創り、そこから社会の仕組み
の原型が生まれた
と言われる

おりしもこの時期に、意志を伝える対話方法として言葉の原型
が生
まれたと想像される。言葉による文字の誕生は、民族が文
明的
な時代に入った事を告げているという。

対話によって意思が通じ合い、仲間ができ集落が誕生。部族
が栄え、
やがて国が誕生する。人類の発達の鍵は、言葉による
対話だった
言われる所以だ。
やがて此処から物語が生まれ、歴史が創られてゆく事
になる

しかし 対話がない世界では、往々にして力の対決となり、物事
の決着は、全て力による事になる。

歴史学者 ユべァル、ノアハラリが語る、雄大な地球の歴史物語
「ホモサピエンス全史」によると、言葉による対話が 力の対決
という人類の歴史を大きく変えたと言う。

伝える言葉
⚫️私達が日常使う「言葉」その存在価値たるや計り知れず大きい。
言葉が対話を生み、対話により情報が作り出され、情報が価値を
所産し、経済社会が成り立つて行く。
言葉は常に情報のソースでもある。情報があるから社会が成り立
つ側面がある。

● 「ことば」は、国によって異なる。本来  その国の言語は、その
民族、固有の文化として生まれ、語り継がれてきた経緯がある。

日本語の起源は、未まだ明確になっていないが、日本の国の発祥
時からあったに違いない。
漢字そのものは  仏教と同じく 中国より伝来したと伝えられるが、
日本には漢字の他に「かな」があり 海外語が入ってからは「カタ
カナ」が  加わったとされる。
このように多岐に亘る言語の形態は、他に類を見ないという

●古くから「国語」は、近代国家の特徴だと言われてきた。 日本
の場合、明治維新後の欧州に学んだ学者たちが、こぞって日本語
を「国語」にという制度を提唱し、国民の一体感を呼び起こそう
としたという。

まず教養ある東京の人々の話ことばを「標準語」と決めた。そし
1916年に「口語法」が制定され、標準語の励行運動が進んだ。
爾来105年が経つ
世界には193の国(国連加盟国)があるが、方言に当たるものまで
いれると、言語の数は3000
とも5000ともいわれる。しかし母語と
して認められる主な言語は、下記の様である。

母語としての主な言語のランキング
(順位)
(言語名)  (使用者数)万人(主に公用語として使う国数)
1 位  中国語      11億9700   ・中国と香港、マカオ
2 位       スペイン語     4億0600   ・スペインはじめ21ヶ国
3 位  英語        3億3500   ・英国、米国はじめ12ヶ国
4 位  ヒンディ語     2億6000   ・インドの国語
5 位    アラビア語     2億2300   ・エジプトはじめ中近東27ヶ国
6 位    ポルトガル語    2億0200   ・ポルトガル、ブラジルなど8ヶ国
7 位    ベンガル語        1億9300   ・バングラデシュなど2ヶ国
8位   ロシア語         1億6200   ・ロシアはじめ4ヶ国
9位      日本語          1億2200   ・日本とパラオ共和国

いま世界で1番の課題はーーーーー
 ・平和への探究、 
 ・自由交易
 ・共通意識の具備,
   ・共通認識の拡大など、

そのためには、正しい意思疏通のための共通の言語が必要な所以
だ。

●いま世界には7097の言語が存在するというが、多くの学者は、
世界の近代化による主要な言語への移行で,既に
約3000母国語が
消滅した
と言う。
言語や言葉は、多様な文化や人々を結ぶツールとして、非常に大
きな役割を果たしてきたが、今後は
人々の交流やそれぞれの意思
を伝えあう「共通言語」に集約されていく傾向にあるという。

いま世界の共通言語といえば、ビジネスの世界、特にインターネ
ットでは「英語」という事になるが、そのランキングは、次のよ
うである。

■「世界のインターネット使用言語ランキング」2019
(順位)(言語名)            (使用者数)    (使用割合)
・1位  英語         10億5276万人  25,3% 
・2位  中国語                    3億3789万人    8,1%
・4位  アラビア語             2億1904万人      5,3%
・5位  ポルトガル語         1億6915万人    4,1%
・6位  インドネシア語        1億6875万人    4,1%

響き合う言葉
YOUは何処から日本へ」という人気番組がある。成田空港の
到着便の出口で、日本にきたばかりの外国人に突撃インタビュー
する。「Youは何処から日本へ」と尋ね、まず訪日の目的を聞く。

出発国も様々で、訪日の目的は観光あり、武闘研修あり、恋人探
しあり、ラーメン行脚あり、日本縦断自転車旅あり、そこで単刀
直入に,同行取材を申し入れて話がまとまれば、話題も一層深まり、
さらに面白い展開になる事が多い。

訪日外国人は、初来日ながら片言で日本語をしゃべる人が多い。

複雑な日本語の会話を 事前に自国で学び、意気込んで訪日する努
力には、ただただ頭が下がるばかりだ。
運よく同行取材となると、意外性の連続で実に面白い展開になる。
海外から来た外国人に、意外にも日本の四文字熟語や、優れた日
本の秘境文化
を教えられて、驚くこともある。

彼らが日本の魅力を、どのようにして知つたかと聞くと、殆どの
が日本のアニメ番組で日本の言葉や日本の知識を得たと言う。
まさしく響き合う「日本の言葉」の威力、日本ブームの成果と言
えよう。

●いま世界の日本ブームや日本企業の世界展開に追随して、
世界
各地で日本語を学ぶ人が急増している。
■「世界の日本語学習熱」(日本語を学習する人数」

●「世界の地域別、日本語学習者数
(地域)          (学習人数)
東南アジア   113万2700人  ●
●南アジア                2万9100人
●西欧        7万6100
●東欧           2万5400人
●中央アジア        2800人
●中東           3500人
●アフリカ         8300人
(出所 国際交流基金

  
言葉の文化
何事も、言葉が通じない程、難儀なことはない。意思が通じない
となると物事は何一つ進まない。道を聞いたりは、身振り手振りで
良しとするも、仕事となると、そうはいかない。

遥か昔、鎖国から開国へ、 かっての江戸から明治維新の開国のとき、
時の先達は、まずは共通言語を学び、それを活用することで外国人
と意思の疎通を図り開国の危機を脱却後、外交や貿易や国際交流で
国力を伸ばしてきた。その先駆者たちの発想力とご苦労たるや、並
大抵ではなかったと想像できる。

人々の初めての出会いでは、
言葉を介して、多くの事が始まる

言葉によって意思が通じ、お互いの事が判り始める
そして仲良しになる
やがて新しい関係が芽生える
言葉は、人と人との関係性の接着剤の役割を果たしてきた。

私たちがタイとの国際交流事業を始めた時、今から20年前に
遡るが、
タイ語の素養は全くなかった。
しかし、タイの文化は、言葉の
文化だと聞いて興味を抱いていた。

最初に聞き覚えたタイ語は
・「サワディカ」(今日は)と
・「マイペンライ
(お構いなく)
だった。

私どもが日タイの国際交流の活動を始めた当時は、
・通信は固定
電話
・外国との交信はほぼFAX

・文書の作成は、ワードプロセッサー
その後、瞬く間にパソコンが普及し
海外との交信は、
電子メールに代わっていった。

JTIROは2005年にメールマガジンの配信をはじめ、2008
には
ブログの配信も始め、今に至る。

振り返るたびに、その後の通信手段の革新は驚異的だった。
特に
携帯電話の小型化、スマホ
の登場
Lineなど通信の国際化
WiFiの普及、
最終的には、
AIによる携帯翻訳器の出現
につながった。ことごとく言葉を繋ぐ機器
と便益の登場である

過ぎ去った20年ばかりの間、当初は言葉のトラブルで折角の
プロジェクト
が、うまくいかなかったケースは山ほどある。
特に説明不足や 説得の不備
は、1台のポケトーク(携帯翻訳機)
とパソコンとスマホがあれば、全く問題はなかったと思う。
科学の進歩、特にITの進化は、あらゆる情報分野で、驚くよう
な成果を
もたらしたと言っていい。

世界の国を一瞥するとき、言語で国名の識別が可能かというと、
そうではない。
伝統国家は,かたくなに自国語を守りぬいてきた
という歴史的な一面はある
が、植民地支配が長きになきにわたっ
た東南アジアの国などは、欧米の洋風化で主国語に
変わった国も
多い。そのため
戦後独立したことで、その主国語の英語が、何か
と情報社会で役立つている
という国もある。これはまさに人と同
様、その国の運としか言いようがない。

またその国の言語は、その国の歴史を語り継いできた伝統文化
の側面をもつ。

日本の場合も、タイも同様だが、伝統文化の母国語をしっかり守
りな
がら、第2言語の世界共通語の英語を全国民が体得し、存分
に活用していく
事が、IT時代の重要な課題と言える。そのため
には、決して言葉の危機があってはならない。

そんな思いを込めて、お互いの国々の平和のために響きあう言葉
の未来を
探り合う努力が必要だと思う。              

 

好きな言葉
作家の力量は、人々と同じ言葉を使っているにも拘わらず人
々に何とも言えぬ魅惑の世界へと読者を誘う。言葉の
魔術師
言われる所以だ。

⚫️座右銘  堀口大学「ことばの流星群」集英社)
暮らしは分が大事です
気軽が何より薬です
嫉む心は自分より  いがいのものは傷つけぬことです

⚫️「阿久悠の言葉、阿久悠を送る会」
夢は砕けて夢と知り
愛は破れて愛と知り
時は流れて時と知り
友は別れて友と知り

⚫️[別れの朝」ペトロ&カプリシアス「訳詞 なかにし礼」
別れの朝 ふたりは
さめた紅茶 のみほし
さよならの 口づけ
わらいながら 交わした

言葉は、その国の文化であり、悠久の歴史の所産でもある
相手を知るためには、まず相手の国の言葉を知ると言う事だ。
文豪漱石も述べるように、人々は一つの言葉から派生して、生活
体験の
様相や思い出など、視覚的なイメージをうかべることが出
来ると言う。

これは、脳の想像機能と言うよよりも、言葉の魔力と言っていい。
どうあれ、日本人として日本の言葉の所以をよく知り 日本の言葉
もっともっと、大切にしてゆきたい。        (山)

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