■■■■■■■■■■日本の気概■■■■■■■■■■
■■「戦争と平和」
●敗戦後78年が経つ。もう日本には, あの忌まわしい敗戦の面影は
ない。いまウクライナ戦争たけなわなの時でさえ,日本の国民は,平和
を満喫していると言っていい。
🔵改めて日本の国防環境を検証すると、
・北の韓国は,竹島を不法占拠(1952年来)返さない。
・北朝鮮は,多くの日本人を拉致して戻さない。
・東の隣国ロシアは,終戦来(1945年来)北方4島を強奪,返さない。
・西の隣国中国は「尖閣諸島」を自国領と主張,領海侵犯を繰り返す。
日本は外交手段を用い打開を目指すが、解決の目途は立たない。
何故解決の糸口も見いだせないのか、考えてみた。
・相手国がしたたかなのか、傍若無人なのか。
・我が国を見くびっての悪行なのか。
・我が国が弱腰なのか。
どうあれ異常であり,尋常ではない。
ただ一つ考えられる事は, 日本が専守防衛主義を国是としており,取り
返すために攻め込んでは来ないと見て取っての行為のように見えてな
らない。
🔵ここしばらくのアジア情勢は、
・中国の台頭
・米中の台湾問題、
・中国の南シナ海不法進出問題
・中国の尖閣不法侵入問題、
・北朝鮮の軍備拡大問題(大陸間弾道弾)
など,日本を取り巻く安全保障環境は,日増しに悪化しているといって
いい。ようやく日本も,今年の国防予算を,世界列強並みの国家予算の
2%にまで増額に踏み切った。
しかし実感としての日本の国民感情は,戦争に対する危機感や逼迫感
はない。いささかでも戦争体験や戦争の恐怖を知る,極く少数の高齢
世代(90歳以上)からすると,いまこそ,この押し迫ってきた戦争の局
面を何とか防御しないといけないとの焦燥感に駆られるばかりだ。
●私達人間の特性として,一度体感した恐ろしい事,こわい事案は,必然
的に避けて通る習性が生まれる。厭戦国など,戦争,特に厳しい敗戦体
験を持つ多くの国際事例が示す通りだ。
今年戦後78年を迎えるに当り,大東亜戦争の戦争体験を持つ90歳
以上の人たちは,高齢化の進展で 206万人に減った。
政府統計によると,そのうち健康な高齢者は,31%,約64万人で、
全人口の僅か0,5%に過ぎない。残念ながらこれはもう, ないに
等しいと言っていい。戦争体験者の一人として、残念でならない。
要は日本の国は,既に戦争を知らない国が直面する極めて不安定な国
になったと言っていい。
●裏返しの理論になるが, 今後は,いかにして、
・「戦争をしない」というよりも、
・「いかに戦争を避けるか」
単純なようで,極めて難しい道を選択する必要に迫られる事になる。
日々の報道で,尖閣や台湾問題、北朝鮮の不法拉致や軍拡情報を見て
いると,戦争の緊急事態に疎い日本は、厚かましくも執拗な国の中国
や北朝鮮などからすれば、どう見ても,日本が戦争に無知な国に見え
てならないのではないかと,想像してしまう。
■■「平和でありたい」
●別に感傷に浸る訳ではないが,ウクライナ戦争など,国際環境がきわ
めて厳しいにも拘らず,日本は戦後78年にわたり, 何とか平和を続け
て来た事は,おおいに評価したい感動に駆られる。
因みに,第2次世界大戦後(戦争をしなかった国は,世界193ヶ国(国連加
盟国)の中で日本を含め,わずか8ヶ国しかない。
・アイルランド (北欧)
・フインランド (北欧)
・スエーデン (北欧)
・ノールウエィ (北欧)
・デンマーク (北欧)
・スイス (欧州)
・ブータン (アジア)
・日 本 (アジア)●
●永久平和国家スイスを除くと,殆どが北欧の国である。
中でも北欧の中立国スエーデンが,此度トルコの加盟承認を得て, EU
への正式加盟が決まった事は特筆に値いする。
特に朝鮮戦争やベトナム戦争や,米ソ対立など大戦後の戦争要因の殆
どは、
「民族の対立」
「宗教の対立」
「経済的な貧困」
「政治体制の未成熟」
が皆無だった。
なぜ北欧の国が戦争に巻き込まれなかったのかというと、地政的に
戦争の原因になるものがなかったといわれれてきたが,今回のロシア
のウクライナ侵攻で,そのイメージは大きく変わったと言っていい。
■■「日本の気概」
●戦後日本の現状は,戦後生まれがほぼ,ほとんどで,9割以上を占める。
しかし戦後の厳しい復興を体験した事によって,戦争を望む日本人は
いないばかりか, 何よりも戦争は引き合わない事を, よく知っている
と言える。
第2次世界大戦の開戦の動機は,,無資源国として石油資源を確保する
ためだった。そして戦後は,国内に資源がないため、
・海外から高品位・低価格の資源を輸入する、
・それを高度に加工する事で 高付加価値、高品質の商品を生み出す、
・そして、商品を全世界に輸出する。
これで世界第2位の経済大国にのし上がった輝かしい実績を持つ。
●識者の言葉を借りると,仮に日本が資源国だったとしたら国際経済
協定が厳しい折から,幾ら高品質であれ、自動車にしても電気製品に
しても,輸入成約の壁に阻まれていただろうという。
ほとんどの資源を海外から輸入し,それを高度に加工する事で魅力商
品に作りあげ,全世界に輸出するという、絶妙な貿易バランスがよか
ったのではないかと評価する。
因みに「食糧自給率」をとって見ても―――
・日本 38%
・カナダ 264%
・豪州 224%
・米国 130%
・フランス 127%
世界の先進国の中で、日本の食糧自給率は極めて低い、
しかし,それを価値ある輸入食品素材で補うことによって インバウン
ドでも評価される、独自で極めて高度な食文化の日本市場の評価を
形成してきたといっていい。
●戦後の自由経済社会の中で「平和と経済の関係」は ,極めて密接で
あり,戦争とは全く無縁だ。国際経済のフィールドで,自由闊達に覇を
競うのは,お互いに国益につながる事でもあり,世界平和にも直結する
という概念が共通する。
しかし,中東や中国やロシアなど,一部の民族的な宗教問題や思想的な
覇権問題は,国際的な自由経済による平和志向とは、いまだイコール
しないのは、残念というしかない。
今回のロシアのウクライナ侵攻は,まさに2国間の対立というよりも、
共産圏と自由社会圏のEUとの対立の構想が見え隠れする。
第2次大戦終了後78年、2大対立の世界戦争は,世界から消えたと
期待されたが,そうはいかなかった。
それだけに,台湾問題をはらむ米中問題は、日本や自由諸国やASEAN
諸国を抱き込んだが、いまだ戦争危機が払拭されていない。
ただ中国との経済関係は,日米,米中,中ASEANとも,政治とは別に経済
主体に稼働しており, 政治的な覇権問題が解決できないものか との淡
い期待感も漂う。
やはり経済は,政治(政策)が,その命運を決めることが判った。
かって安部のミックスでは ,政治の大転換に際し,日本経済の方針を改
め、まず景気の押上げを図った。
途中いろいろ異論を読んだが,振り返ると日本経済復活に,大きな活路
を見出し,大きく景気を回復し20年振りの高い株価を実現した。
しかしその後の政局と景気(経済政策)は,突然のコロナパンデミッ
クもあり,その長引く混迷の中で景気は低迷を極めた。菅政権も永続
きしなかった。当然,世界の中での日本の立ち位置も大きく後退した。
コロナ終息後の岸田内閣のスローガン「新しい資本主義のグランド
デザイン」にも,国民の大きな期待がかかるが、成果は出ていない。
■■「中国の台頭」
●今から20年前,中国経済の大躍進が始まる。中国経済の台頭につい
ては, 中国に詳しいほとんどの経済人が 「一時的で永続きしない。
そのうちに崩壊する」と断言していたのを 思い出す。
●それからの日本と日本経済は、
・リーマンショック、
・政権交代、
・円高、
・輸出不振、
・東日本大震災
と、大困難の連続だった。
●その間,中国は「世界の生産基地国」を目指して, 着々と経済を
拡大し2011年(平成23年)には,GDPで日本を抜いて世界第2位に
飛躍する。
それでも疑い深い日本の識者の中には「中国経済は虚構だ,必ず崩壊
する」そう言い張る先生方が多かった。それが今や先人米国と対で
向き合う巨人中国とあいなった。
そういえば「中国は必ず崩壊する」といい続けたあの識者の人達は、
最近とんとマスコミにも顔を出さなくなった。
いまや中国は,侮れない世界的な大国として、米国ともろに覇権を争
うまでに台頭してきたといえる。
■■「南シナ海の安全」
🔵中国が「一帯一路」の世界戦略を展開するにあたり, まず海の
出口である南シナ海の覇権を握ることが,最重要問題とされてきた。
折しもその南シナ海が、この10年来,中国の周辺海域をめぐる湾岸
諸国との領有権争いや、スプラトリー諸島や,西沙諸島の人工島造成
と軍事拠点化の問題などで、急にきな臭くなってきた。
加えて香港に次いで,台湾の中国合併問題がある。しかし台湾の中に
は,自主独立を目指す機運もある。米国を始め自由社会の国々は,台湾
の自主独立を支援する。米中大国間の覇権問題だけに,その先きゆき
に危惧をはらむ。アジアを取り巻く海の状況は、中国の覇権進出で,
安穏としたものではなくなった。
米国は,公海の自由航行を主張して,西沙諸島周辺に軍艦や航空機を派
遣して強く牽制する。
(原油を運ぶマンモス・タンカー)
🔵海洋国日本の貿易物量の約99,6%は,このアジアの海により運ばれ
る。因みに日本は,世界第3位の石油消費国だが,毎日30万トンクラス
のVLCC(マンモスタンカー )2,5隻分の石油を消費する。そのために、
中近東から原油を運ぶ約390隻のマンモスタンカ ーが,この南シナ海
を往来する。
ほかにも日本からインドや中近東へは,一度に4000台近い自動車を運
ぶ巨大なカーライナー(6万頓クラスの自動車専用船)が,この海を往
来する。まさに南シナ海は,海洋国日本の産業の動脈といっていい。
日本が戦後かくも平和に成長できたのは ,すべての輸出入である世界
貿易を支えた平和なアジアの海の存在が大きい。大きいと言うよりも
全てこれに尽きる。
■■「日本の命題」
🔵当面するアジアの課題は、まさしく日本の課題でもある。
・北朝鮮問題 (軍備拡張)(南北対立)(拉致放置問題)など
・米中貿易問題、台湾問題、
・南シナ海の中国覇権問題、
などなど大きな課題を積み残したままのアジアではあるが,まだまだ
世界のサプライチェンとしての中国の役割理由は高く,当面の米中覇
権問題はあるが,一挙に何もかも手を引くと言うほど,事情は現実的で
はない。
日本やアジア諸国(ASEANなど)や世界は、こぞってよりアジアの
同化と平和が進むよう期待して,米中の覇権闘争の行方を見守つてい
るというのが現状である。
・西にウクライナ戦争、
・アジアでは、米中の経済覇権問題、
・米中の台湾問題
・中国による、尖閣の国境線侵害問題,
・中国による南シナ海の島の不法占拠問題
・北朝鮮による軍拡問題
日本を取り巻く周辺海域の不安定要因は,解決どころか、益々拡大化
の傾向にある。
🔵日本の国防も,周辺事情が急変するに際して,当然の対処として、
予防的な対処が期待される。聞くところでは、仮に米中戦争がはじ
まると,3万人近い在留中国法人を,事前に一挙に退避させる処置が
必要との事。本当にそんなことが出来るのか。政府ばかりか,進出企
業の責任も問われる。
大東亜戦争終結直後の,満州やシベリヤや中国からの邦人引き上げの
際の悲劇の連続の事実は,予測される戦争開始時の教訓として生かさ
れるべきだろう。
🔵最近の総合情報機関の「日本経済の実態調査」によると日本経済
の劣勢が危惧される。
・GDP(国内総生産)は,20年前, 世界の1/6が、1/20に下落、
・1人当たりのGDPは,香港を下回り、今年韓国に抜かれそう。
・「世界競争ランキング」世界65ヵ国中、35位と過去最低に。
・岸田内閣の内閣支持率は40%に低下、
戦争が国を亡ぼす事は,78年前に体験で学んだ。貴重な経験だった。
しかしいくら平和であれ,政治が混迷し経済が低迷すると景気は低下
し国民生活は劣化する。
🔵しかし,インバウンドも好調, 貿易収支も改善、
低迷していた,日本経済に明るい兆しが見えて来た。
いま米中覇権対立の中,良識ある経済大国日本の存在に,期待の声が高まり
つつある。
改めて,GDP600兆円という日本経済の潜在的なパワーに刮目。
捲土重来、日本の景気回復と世界貢献に大いなる期待を寄せたい。
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