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■■■■■■■■■■■平成の軌跡 (1)■■■■■■■■■■■
平成の終わりに!
■「昭和から平成へ」
●あと2ヶ月で平成が、幕を閉じる。
昭和は復興と高度成長の時代」だったが、平成は「危機と停滞の時代」だっ
た。
ゼロスタートからの戦後復興、そして安定成長に沸いた昭和から、激動と低
迷に揺れ動く平成へ。その平成は、バブルの崩壊と2つの大震災で、「失わ
れた20年」という経済の大停滞をもたらした。 まさに予想だにしない大苦難
の30年間だった。
●昭和48年(1973年) 第4次中東戦争、 石油価格が暴騰。
●昭和49年(1974年) 第1次石油ショック、 物価の上昇と不況。
●昭和54年(1979年) 第2次石油ショック、再度の不況に突入。
米国の金利が20%に上昇、たちまちドル高、円安になった。
世界不況の中で世界貿易は縮小した。しかし日本の車やモノが米国でバカ
売れして、最大の貿易黒字国になったが、米国の財政赤字で、貿易不均衡
が起きた。
●極度な円安ドル高によってバブル経済が台頭、三菱地所が,ニューヨーク
のロックフェラーセンタービルを2200億円で買収.世界の話題を集めた。
その後、日本の地価が暴騰、東京山手線内の土地価格で、広大な米国全土
が買えるという異常ぶりだった。
●昭和60年(1985年)
先進5ヶ国と米国は貿易不均衡を是正するため、全面協力することで合意、
「プラザ合意」が発効される。これにより貿易環境は激変、日本の商品が売れ
なくなる、忽ち日本企業は儲からなくなった。いわゆる「円高不況」である。
丁度いま起きている「米中貿易戦争」と類似しているといっていい。
●昭和60年の1985年、
日銀は「円高不況」打開のため、日銀金利を4回下げ3%に。 不動産価格や
1万3000円の株価が1万8000円に急上昇した。
●昭和62年(1987年)
逆にドル安が続き、その修正を先進国で協議し「ルーブル合意」はできたが、
ドル安円高は是正されず、世界的な株価暴落の「ブラックマンデー」がおきる。
●平成元年の1989年 平成天皇が即位。
1956年から1986年の昭和の30年間に、物価は400%(4倍)の上昇にもかか
わらず、地価は約50倍に高騰した。「億ションブーム」である。
●時代は昭和から平成へ日経平均株価 最高の3万8915円をつけた。後に
平成4年の1992年、日経平均株価は、1万4309円に下落した。 いま平成
30年の2019年2月、2万1000円まで戻したところだ。
平成の終わりに際し、改めて日本と世界、次いで日本とタイについて、この
30年間の世相と経済の足跡を振り返ってみたい。
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■「平成の軌跡」
(西暦)(平成) (世界の情勢) (日本の情勢)
(1989)01 ●ベルリンの壁崩壊、 ●バブル株価最高の3万8915円
(1990)02 ●東西ドイツ統一 ●公定歩合8,3%高金利時代に
(1991)03 ●ソ連の崩壊、 ●バブル経済の崩壊
(1992) 04 ●米国世界一極体制 ●失われた20年の始まり
(1993)05 ●ECの統合市場発足 ●総選挙自民過半数割
(1994) 06 ●外為1ドル100円越え ●自民・社会・さきがけ連立内閣
(1995)07 ●1ドル79円最高値 ●阪神淡路大震災 ●地下鉄サリン事件
(1996) 08 ●日米安保共同宣言 ●小選挙区比例代表制に
(1997)09 ●韓国大統領金大中 ●拓銀、山一証券倒産(大不況)
(1998)10 ●EU単一通貨ユーロに ●明石海峡大橋開通(世界一)
(1999)11 ●世界人口60億人 ●不況リストラで中高年自殺急増
(2000)12 ●シドニ―オリオンピック ●総選挙与党勝利、民主躍進
(2001) 13 ●米国同時多発テロ ●小泉総理、就任
(2002)14 ●米国、悪の枢軸と北鮮を非難 ●小泉総理訪朝 ●拉致5人帰国
(2003)15 ●イラク戦争始まる。 ●統一地選で石原慎太郎都知事
(2004) 16 ●EU,10ヶ国加盟25国に ●非正規社員が3割に(不況格差募る)
(2005)17 ●北朝鮮核、兵器保有宣言 ●郵政民営化法成立、
(2006) 18 ●日米安保協議米海兵隊グァムに移転●自衛隊イラク撤退
(2007) 19 ●台湾新幹線 開業 ●参議院選民主党圧勝●団塊世代定年問題
(2008) 20 ●オバマ大統領当選 ●リーマンショック ●洞爺湖サミット開催
(2009) 21 ●米国クライスラー倒産 ●株価7054円に下落●鳩山内閣発足
(2010) 22 ●日米、普天間移転声明 ●JAL日本航空破綻,更生法申請
(2011) 23 ●中国GDP,世界第2位に ●東日本大震災
(2012) 24 ●北鮮 弾道ミサイル発射 ●衆議員選挙,自公政権奪還
(2013) 25 ●中国 習国家主席選出 ●日銀、大胆な金融緩和策転換
(2014) 26 ●ロシア、クリミアを併合 ●消費税8%に
(2015) 27 ●米国キューバ国交回復 ●大阪都構想で住民投票
(2016) 28 ●リオ五輪 ●熊本地震●オバマ大統領広島へ
(2017) 29 ●トランプ米国大統領就任 ●小池都知事●衆議選自民圧勝
(2018) 30 ●初の米朝首脳会談 ●大阪北部地震
(2019) 31 ●
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●平成の時代を振り返るに際し'改めて日本と世界が、どのように動いたか
時系列的に実証してみた。情報が多いため「日本とタイ」は次号に譲るが、
成長を目指しながら、それぞれ相克するさまが、浮き彫りになってきた。
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■「敗北の時代」
●今年元旦の産経新聞の年頭社説では、次のように論じている。
平成は「敗北」の時代だった。
・平成23年の東日本大震災、
・平成7年の阪神大震災と地下鉄サリン事件
という大きな厄災に見舞われたとはいえ日本は、おおむね「平」和で、バブル
時代の狂騒を経て「成」熟した社会になったなあと総括していたのである。
しかし、数字は平成日本の「敗北」を冷酷に物語っている。
平成元年世界全体に占める 国内総生産(GDP)は、米国の28%に次ぐ15%
を占め、(中略) 米国の巨人の背中が見えた、ように思えた。
危機感を持った米政府は日米構造協議で日本に圧力を欠け、ITに活路を
見出して再び成長軌道に乗り、GDP25%を保っている。
バブルが崩壊し政治も混迷した日本のGDPは、世界比6%まで大きく後退し
てしまった。30年前 世界の上位50社(時価総額)には 日本企業が32社を占
めていたなんて若い人には想像も出来ないだろう。
いまや50社に残るのはトヨタのみだ。人口も1オ0年前をピークに減り続け増
えているのは国債という名の借金のヤマだけだ。」
その最大の敗因の一つは「危機感の欠如」だったと結んでいる。
●日経調査によると、
・日本の実質国内総生産(GDP)は平成元年を100として平成30年は139。
・同じく日経平均株価は、平成元年を100として平成30年は57。
・米国のダウ工業株30種は、平成元年を100として平成30年は928。
その間、米国の産業構造の転換は著しくグーグル、アマゾン、フエイスブック、
いわゆるGAHAが台頭し、世界に先駆け全く新しいAIによる産構造社会を生
み出し、未来社会の夢を手繰り寄せた。
●その結果かつて1位のトヨタやソニーはじめ全ての日本企業が、もろくもラン
キングから脱落した。そして日本の国の財政は、平成元年の5兆円の赤字が、
平成30年には20兆円の赤字に毎年国債費が膨らみ続け、恒常的な借金国
家になりさがってしまった。 そして、社会の分断で一億総中流社会化が進み、
労働は不安定化し、ワーキングプアーが増えて、社会の格差が広がった。
その間GDP世界第3位だった中国が第2位に飛躍し日本は第3位に下落した。
平成30年間の日本と米国と中国の経済格差は広がるばかり。
全く無念、屈辱としか言いようが無い。
●また、作家の五木寛之さんは、平成の30年を次の様に見る。
「昭和は、米ソの対立や労組の対立などで時代は強烈な対立の図式が主流
だったが、平成の時代は両者の対立がなくなり、どこか希薄で曖昧な時代だ
った」
●現在73億の世界人口が、あと30年で100億になると言う。
ところが日本はじめ先進国は、若者が減り、高齢者が増え続け、世代対立と
貧困があらわになると言う。新たな激動の時代、まさかの時代がやって来る。
しかし高齢者にとって来るべき激動の時代がどんなものか、その新たな変動
を垣間見たい衝動にもかられる。それだけに私ども高齢者には、出来るだけ
自分の事は自分でやるという自立の気概が、いま真摯に求め られていると
思う。
●日経新聞によると、70歳を超えても働く意欲のある人が3割を超えると言う。
人生100歳時代の到来で、70歳台はもはや高齢者ではないと言う呼び声が
高い所以だ。
⬛️[更なる知恵と覚悟を」
●さてポスト平成は、どんな世の中になるのか。
・米中戦争は、起きるのか。
・アジアの平和と成長は。
・日本の人口減少は、本当に問題なのか、
・高齢者の増加は、社会保障を破綻に追いやるのか。
●「様々な内外の大きな問題が予測される 「ポスト平成」を、私どもの日本は
どう主導し、生きていくのか。
欧米の自由主義経済と、世界第2位に台頭した国家主義経済の巨大な覇権
の狭間の中で、いかに差別化を図って行くか、日本の知恵と覚悟が問われる。
(続く)
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