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■チェンマイ・ロングスティの再興

2018-03-28 | ●タイロングスティ

■■■■■■■海外ロングスティ再興■■■■■■■■
■「ロングスティ第2ステージ
●20年近くの長きにわたつて、多くの定年後シニアの賛同を得てきた
「海外ロングスティ」が、新たに第2ステージを迎えようとしている。
その主体であった戦前生まれの高齢者世代の多くが去り、戦後生まれ
の団塊世代が台頭する事で、今までの海外ロングスティ・パワーが衰退
しようとしている。

●次の統計は、この4年来,後退がはじまったチェンマイ・ロングステイ
の実態を表す統計である。
■「チェンマイ・ロングステイの近況長期滞在)統計」
    (年次)  チェンマイ)(伸率)  (タイ全国計) (伸率)
平成23年(2011) 3573人 7,3%      49,983人  5,8%
平成24年(2012) 3867   8,2       55,634     11,5
平成25年(2013) 3920   1,4      59,270     6,5
平成26年(2014) 3843 - 2,0        64,285      8,5
平成27年(2015) 3733  2,9       67,424     4,9
平成28年(2016) 3318 -11,1      68,908    4,3

この統計によると、2000年以降,増勢を極めたチェンマイ・ロングス
テイも、平成26年を契機に
減退し始めたことが、よくわかる。
一方タイ全体では、首都バンコクを中心に、日系企業の大量進出によ
って、就業者やその家族が移住し、増勢に向かった事が明確になって
きた。
  

●チェンマイ・ロングスティの衰退は、日タイの経済動向はもとより、海外
情勢の変化や、世代の趣向性やトレンドなど、多くの要因が考えられる。
当初からの推奨利点であった 「月額 15万円で海外生活ができる」 と
いう タイ国観光庁のセールスメッセージは、タイの経済成
長による生活
物価の高騰や、円安バーツ高
などで大きく後退し、 ロングスティヤ—の
期待を裏切る事になった。
加えて、海外ロングスティヤ—の高齢化による医療や介護ケアーの危惧
のために、帰国を余儀なくされるロングスティヤ—が相次いだ。

しかし
シニアの動向に詳しい専門家は、
チェンマイ・
ロングスティは、日本の高齢者の余後を彩る、魅力ある選択肢
のひとつつとして、再び脚光を浴びる時が必ず来る」 と
予測する。
  
■「海外ロングスティに関する学位論
●海外ロングスティは、この20年来、タイチェンマイをはじめとしてマレー
シア、
オーストラリア、ハワイなど日本人高齢者の国際移動を伴うロングス
ティツーリズムとして、脚光
を浴びてきた。
そして団塊世代の富裕層や、かつて海外勤務の経験ある中間層を主体
に、当初の海外ロングスティとは、いささか趣を異にする高度な海外ロン
グスティツーリズムが台頭してきた。それによって海外ロングスティの多様
化が 求めらるようになってきた。

●世界に類のない超高齢化社会の到来で、高齢者のライフスタイルの多
様化が進む。そして
時代の推移と、海外ロングスティについては、既に多
くの研究者が、関心を寄せ、文化人類学の見地から、貴重な学説や研究
論文が
、ウエブサイトに公表されている。

おおむねこれらの論文は、海外ロングスティの歴史的な検証や、参加動
機の解明など、
その時代背景やその解明など、関係する私どもにとっても、
極めて貴重で興味深いものが多い。
  
  
●これから 海外ロングスティを検討する高齢者は、まずこれらの学位論文
にも目を通して、ロングステイの実態を正しく
検証し、理解する事をお勧め
したい。
それによって、海外ロングスティの本質や、発展の経緯や、受け入れ国の
事情にも精通することができる。
ここにお勧めする学位論文は、学説的な書き方方のために、いささか固い
事は否めない。但し研究者の実態調査の成果は、極めて貴重で参考にな
る。
学位論文には、発表機関と著作者の著作権が存在するので、転載はで
きないのでご注意のうえ、(URL)をタップして、お読みいただきたい。


●(機関
琉球大学学術リポジトリ 2016年3月
    (題名)「チェンマイにおける日本人長期滞在者の
                            ライフスタイル型の移動とそのインパクト
   (著者) Duangkaew,Sutpraeana (タイ人 女子大学院生)
    (URL) http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/20.500.12000/33727

●(機関)Japan Soiciety for Multicultural Relation
    (題名)「日本人退職者の異文化居住
    (タイ在住ロングスティヤ—の心理的様相に関する一考察
  Living Abroad After Retirmennt A Discussion on Psychological
     Aspects of Jaopanese Long=Term Stayers in Thailand
   (著者) 竹内 真澄
    (URL)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009605124
  
■「現世を、どう生き抜くか
●英国ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんの著書「ライフ
シフト」(東洋経済 刊)副題「百歳時代をどう生き抜くか」が大ヒットし改めて、
生涯で複数のキャリアを持つマルチステージ人生の素晴らしさが話題を呼
んだ。
これを契機にして政府、首相官邸に「人生百年時代構想会議」が発足した。
政府は全ゆる分野から識者を集め、その今後対応について多面的に検証
するという。
●折しも成立した今年度政府予算では「社会保障費」が 過去最大の約33
兆円と決まった。そして国と地方の公費で賄う社会保障給付費の総額が、年
額120兆円を超すことが解った。
そのうち訳は、―――
・年金が  約60兆円
・医療費が約40兆円
・介護費が約10兆円
になる。

●社会保障給付費は、来年から始まる消費税1%に相当するが、
平均2,6
兆円が、毎年増えていくという。特に団塊世代700万人が
一挙に75歳となる
2020年後以降、医療費や介護費用など、社会
保障費が急増し、国の負担
が増加することで、日本の財政を直撃すること
になる。

●因みに65歳から74歳の前期高齢者1人当たりのの公的費用はーーー

・医療費約55,4万円のうち、国負担の公費が約7,8万円。
・介護費5,5万円のうち、国負担の公費が約1,5万円となる。、
●また75歳以上の後期高齢者1人当たりの公費負担は、ーーーーーー
・医療費約90,7万円のうち国負担の公費が、約35万、6万円。
・介護費53,2万円のうち、国負担の公費が約14,5万円となる。


(シンガポールからチェンマイまで、マレーシア半島を縦断する特急列車
[戦後の海外旅行、発展の経緯
●経済再建中の戦後日本で海外ロングスティが発想されたのは、海外との交
易や人的交流や海外旅行が活発になり、ようやく経済的にゆとりが
見えてきた
頃、迫りくる高齢化や定年後の人々の過ごし方をどうするか、
行政としての国
の指針が,求められてきた。
●その端緒は、1986年に通商産業省が海外交易を拡大する施策として日本
の定年者を対象に、海外滞在型余暇構想として「海外ロング
スティ」を提唱した
事に始まるといわれる。

その下敷きになったのが、すでに欧州で定着していた、「定年後を海外で豊か
に暮らす」というシルバ―コロンビア計画である。


●戦後の経済復興の過程で、海外交易の進展と、それに伴う海外旅行の解禁
は、「海外ロングスティ」への前段といえるもので、次いで1972年の
為替の自由
化に伴う円貨の固定相場制の解除は、日本人の海外への志
向性を いやがうえ
にも高めることになったといっていい。

そして2000年には、日本では初の海外ロングスティとして、タイ政府によるチェ
ンマイロングスティ・プロジェクトが具体化することになる。

  
■「戦後、海外旅行の推移
(年次)           (主な出来事)      (海外旅行者数)
1964年(昭和39年)・海外旅行の解禁      12万⑦⑦49人
1964年【昭和39年】・東京オリンピック開幕 ・東海道新幹線開業
1970年(昭和45年)・ジャンボジェット運航開始
1970年(昭和45年)・日本万国博覧会(大阪万博)
1971年(昭和46年)・沖縄返還協定調印
1972年(昭和47年)・海外旅行100万人突破  (1ドル308円)
1973年(昭和48年)・第1次オイルショック
1974年(昭和49年)・戦後初のマイナス成長率
1977年(昭和52年)・平均寿命男72,69歳世界一、
1978年(昭和53年)・成田国際空港開港
1979年(昭和54年)・第2次オイルショック
1985年(昭和60年)・プラザ合意
1986年(昭和61年)・ANA国際定期便就航
1987年(昭和62年)・JAL完全民営化
1991年(平成03年)・湾岸戦争勃発
1992年(平成04年)・一般財団法人ロングスティ財団設立
994年(平成06年)・関西国際空港開港
1995年(平成07年)・阪神淡路大震災
1998年(平成10年)・特定非営利活動促進法(NPO法)成立
2001年(平成13年)・米国同時テロ発生
2003年(平成15年)・イラク戦争勃発
2008年(平成20年)・リーマンショック
2010年(平成22年)・JAL経営破綻
2011年(平成23年)・東日本大震災
2014年(平成26年)・出入国者数 44年ぶりの逆転
2018年(平成30年) 

 
海外旅行の出国数(統計)
(年次)1972年(昭和47年) 45年前 
●出国者数  153万2928人 
●入国者数   66万2474
(順位)(行き先)   (出国者数)
1位  香港     34万9212人  
2位  台湾     27万7704
3位  ハワイ      23万5000
4位   韓国      21万7287
5位  マカオ      19万4128
6位  イタリア      18万9500
7位  グアム      13万8864
8位   英国         13万2697   
9位   タイ         9万3534 
10位 シンガポール 7万0280

(年次)2017年(平成29年
●出国者数  1788万9300人  (前年比 4,5%増)
●入国者数  2869万1000人  (前年比19,3%増)  
(順位)(行き先) 〈出国者数2016〉
1
位  米国      375万8297人
2位  中国      249万7700
3位  韓国      183万7782
4位  台湾      158万6489        
5位  タイ          134万9388 
6位  シンガポール  78万9179
7位  フランス        68万2121
8位  ベトナム         67万1379
9位  ドイツ        64万7243
10位 香港       63万2959
(出所;日本政府観光庁2017統計)


日本政府の高齢者に対する定年後の施策は、百歳時代の到来と地方創成
計画の推進で大きく変容した。 高齢者の余後は、海外ではなく国内の地方移
住が優先のように見える。
タイでは、海外からの観光客の増大で、チェンマイ・ロングスティのPR広報が、
タイ国政府観光庁のホームページから消えた。
タイ・ロングスティの成熟化で、
ゆとりある日本の高齢者にどうか気ままに来て欲しいというスタンスに映る。

海外ロングyステイは、海外旅行とは本質的に異なる。 海外における 異国での
生活滞在には、海外生活に関する広範な知識と、自己責任が要求される。それ
だけに、成功の喜びは、また格別といっていい。  
チェンマイ・ロングステイ第2
ステージに期待したい。

 

 

 


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