【4月5日投稿分】
檀家9歳の女の子が「住職さん、クラスにね、学校で作った工作をメルカリで売ってる子がいるんだよ」と。「えっ」と驚いて聞き返すと「そうする理由は、小遣い稼ぎ。夜のご飯代にも、そのお金を使うんだって。他にも、給食を何杯もおかわりする子がいてね。先生が『もうそのくらいでやめないと、体調を悪くするよ』と心配して注意すると、その子が『だって、ここ(学校の給食)でお腹一杯食べて栄養をつけておかないと、お母さんが料理しないんだもん』と。凄いでしょ、驚くでしょ。その子の家って、包丁などの調理道具が殆どないんだって。外食以外はご飯は全て、インスタント物(カップラーメン等)か『チン』する物ばかりなんだって」と。
更に、その9歳の女の子が「学校の成績もね、100点(高得点)を取る子と、5点、10点(低得点)しか取れない子と、両極端に分かれていて」と。「それは、んっ、何だい、塾に行ける子と、いけない子の違い、なのかい」と問うと「小学3年生だよ、学校のテストだよ。基本中の基本がテストの問題だよ。塾の試験なら難しい問題がいっぱい出るから、勉強する子と、しない子の差は大きく違ってくるけど。そうなってる理由は、どうも、親の違い(認識)みたいだよ。『勉強なんかしなくてもいい』と学問に関心がないみたいだよ、その子達の親は。担任の先生もやりにくそうに、授業やってるよ」と拙僧に。
実は、この檀家の9歳の女の子も、少々心配な面があってですな。ある時、この子が拙僧に「クラスメイトの大半が、マクドナルドのハンバーガーが美味しいんだって。だけど、あんな物、絶対に体に悪いし、美味しくもないし『私はそんな物は食べない、家庭料理が1番いいに決まってる』とみんなに言ったんだ」と。すると、その横で女の子の話を聞いていた祖母と母親が『うちの子(孫)、凄いでしょ』と言わんばかりの顔で。対し拙僧、この女の子に「君は、マックのハンバーガーを食べた事があるんかい」と問うと「ないよ」と。「ほう、食べた事もないのに『あんなの美味しくない』とクラスメイトに否定したんかい。人が美味しいと言ってるんなら、1度でいいから食べてみな。食べてみて、美味しくない、と判断してからにしな(否定)。何でもがそうだが、やりもせず(経験無し)に『これはこうだ』と決め付けるは、よくないと思うよ。君も頻繁にSNS を見てる様だが、相手の人(SNS に出てくる登場人物)の事を全く知らないのに、狭い、浅い情報だけで鵜呑みにして、みんなで寄ってたかって責めている場面をよく見るだろ。ああなっちゃ、あかんで」と。
この女の子が登校した後、『んっ、えっ、登校って、何』と読者の皆さんは、そう思われたでしょ。この家には毎度、早朝に仏壇参りに伺ってるんですよ。この9歳の女の子の要望で。拙僧の話がどうしても聞きたいんだそうで。さて、話を戻しまして、この子の祖母と母親に「あなた達は、この子(9歳の女の子)の育て方を間違っちゃあかんですばい。知識は経験が伴って、初めて本物になります。いつも言っておりますが、経験なき知識は、ただの『物知りさん』でしかない。ただの『物知りさん』は、自分の中にある知識だけが『正解、正義』と勘違いして、凝り固まった自己主張を人に押し付ける様になる。親(家族)が気を付けてあげないと、あかんよ。親が作った家庭環境で、その親が育てる。親に似た子供が出来る確率は、非常に高いですばい」と。
子育てといえば、先日、こんな話が檀家さんから入ってきました。その檀家女性が「住職さん、これは、知人から聞いた話なんですが、その知人(女性)が、ある家族の話を私に。その話とは、こうです。そこの子供(30代男性)が、こんな事を言ったそうなんです。『親が100歳まで生きると仮定するだろ。そう考えたら俺は、親が定年するまでは、親の給料で飯を食っていけるという事になる。親の定年後は、親が死ぬまで、親の年金で飯を食っていける事になる。俺が70歳までは、これで何とかなる。残りの70歳以降は、贅沢な事を望まなきゃ、生活保護で死ぬまで飯を食っていける。全くもって、この国は天国だぜ。日本に生まれてきてよかったわい』と。働ける頑丈な体を持っていながら、ただの怠け者だよ。これって、どう思いますか、住職さんは」と檀家の女性が。
続けて、この檀家女性が「実は住職(拙僧)、私の親戚の中にも、こんな『寄生虫予備軍』が1人、いるんだよね、男性(高学歴ニート)だけど。住職は、この様な話(寄生虫予備軍の存在)を耳にした事がありますか」と。「似た様な話は、何度か聞いた事もあるし、相談を受けた事もあるかな。これからは、人間100年時代になるらしいが『結婚もしない、子供もいない。寄生虫で生きていく』が増加していくとなると、その内に尻窄みとなって、国も、各々の家庭も『長者三代続かず、をまっしぐら』という事になっていくんだろうね。拙僧の知人の中にも、お寺の檀家さんの中にも、この様な家庭、徐々に増えてきましたもんな。『そうすりゃ、そうなる。そうなっていってるのに、まだ、そうするか』だよね。過保護、過干渉が作り出した、世の中の流れ(世相)だね」と。
最後に、先日、この様な話が読者の母親から入ってきました。その母親が「息子が大学(有名大学)を中退し 、俺の夢は、と自分が共感(心地よい)出来る本ばかりを読んで、理想ばかり吠えまくるので、堪り兼ねて、住職さんの言葉を借り『文句言い、講釈言いは、動かんと相場が決まっとる。建設的意見のない文句、講釈は、雑音でしかない』と言ってやりました。情報過多の時代背景から、頭でっかちになって、自分が知ってる事だけが正解と言わんばかりに。経験なき知識ばかりが身に付いて、ただの物知りさんも、モンスター級に。息子に文句を言ってるうちに、怒りもマックスになり『本の中だけで、生きてんじゃねえよ。さっさと社会に出ろや』と言ってしまった。講釈言いの息子が、初めて閉口しました。すいません、言葉が汚くて。結局のところ、親がこんな風に育てたんですけどね」と。「そんな激しい言葉を、拙僧が法話で書きましたかね」と返すと「書かれてましたよ。家に篭りっぱなしで、全く外へ出ず、本ばかりを読み漁っている物書き(小説家)志望の青年に、以前、住職が放った言葉です。まあ、私ほど激しい言葉遣いではなかったですが」と。よっぽど、腹が立ったんでしょうね、この読者のお母さんは。
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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、4月10日になります。