【12月15日投稿分】
昨年の秋に拙僧、ある団体で講演をさせてもらいましたが、その講演に参加していた女子高生(優秀校)から、連合で電話がありまして。彼女達曰く「住職は私達女子高生(約40人)に、少子化がもたらす様々な問題を指摘してくれましたが、その話を聞いていて、かなりの友人達が『早く、若い内に、結婚をしなきゃ』と心を動かされました」と。
その電話の中の1人が「実は住職さんのお話の中で、私の心に響いた事が2つありまして、その1つは『一概には言えないが、育てられた経験しかない者、育てた経験のない者は、いつまで経っても、大人になってない様に感じる。子育てというは、1に我慢、2に我慢。子供が成長するを、ひたすらに待つが、親の仕事。その間に親も、子供からしっかりと育てられていく。常日頃は、その差(育てた経験のある者、ない者)は、殆どわからないが、腹を立てた時の怒り方が、育てられた経験しかない者は、子供と変わらん怒り方をする』と住職が。その言葉を聞いた時、親戚の叔父や叔母の事が脳裏に。父には独身の弟、妹が2人、母には、独身の姉が1人。当に、住職が言われる通り、独身の叔父、叔母は、腹の立て方が当に、子供の怒り方のそれ、かな。私も結婚せず、子供を育てるという経験をしなかったら、ああなるのかな、と思ったら、ゾッとしました」と。
続けて、この女子高生が「今1つの衝撃は、子供を授かる話です。女性は生涯の卵の数が決められており、卵の数が年齢を増すごとに、急降下で落ちていく(出生児200万個、思春期30万個、25歳前後10万個、35歳前後5万個)という話。また昨今は、第一子を産む平均年齢が、31歳であるという事。4組に1組が、ドクターの力を借りて、不妊の治療や検査を。不妊治療の検査で、問題は女性の方ばかりでなく、男性の精子が極端に少ない事が問題、というケースも少なからずあるという事。また、凍結卵子を解凍し、顕微授精が成功する確率は、非常に低い(ある年は、29%であったと)という事(詳細は、ググって)。凍結した時の年齢が、35歳以下と、35歳以上では、極端に差が出るという事も。この凍結保存方法ですが、私は『赤ちゃんは、この方法をとれば、絶対にできる』の認識でしたので、かなり衝撃的な数値でした」と。
更に、この女子高生が「日本国(政治家さん達)は『少子化、少子化』と騒ぎ立てる前に、中学で、高校で、この数値を絡めて、現実の話をしてもらいたい。恐らく、この現実を皆、知らないと思う。そりゃ、中には『私は結婚する気もないし、子供も欲しいとは思わない』という生徒も一定数はいるでしょうが、住職がSNS内の様々な法話の中で『今、正解と思っている事も、時間が経ち、知識、知恵、経験が増していけば、自ずとその正解も変わっていく。10年経てば、人の考え方は変わる』と。この度の講演でも住職さんは『結婚は何歳でも出来るが、子供は何歳でも、という訳には、いかんのだよ』と真剣に私達に話を。ことごとく、つくづく、考えさせられました」と。
対し拙僧、この電話の女子高生達に「こうした数値は、あくまでも、参考数値でね、勿論、例外は山ほどある。わが寺の檀家さんの事例ではあるが、ドクターの力を借りず、52歳で妊娠された女性も。『ご主人には、子種がない』と医師に宣告された夫婦が、その土地を縁に人は生まれてくる事から、氏神(八幡様)さんに、何年も日参(毎日詣でる事)して、男の子を2人(現在息子達は50代)を授かった事例も。他にも、鬼子母神さんや、納骨堂、お墓のご先祖さんに願掛けをして、40代で子宝に恵まれた夫婦も。これらの事例は恐らく、神仏に願う事で『子供を授かれるかもしれない』という期待感が免疫を向上させ、子供が授かりやすい体質に変わっていったが、本当のところではないかと思うよ」と。
対し、この女子高生が「確かに、そうかもしれませんね。でも、住職さん。40代という高齢での妊娠、出産って、やっぱ、リスクがありますよね。それに、普通に考えて、若いお母さんの細胞をもらって生まれてきた方が、子供も元気(命の力)な様な気がする。話は変わりますが、1つだけ、国に対して文句があるんですよね」「何よ」「不妊治療に掛かる金額があまりに高額、という事です。『子供を産みましょう』と広く投げ掛けるのなら、国は、この不妊治療代を低額(無償)にしろよ、と。そう思わない、住職さん」と。
最後に、この女子高生達が「だけど、住職さんは、勇気ありますよね、この時代にこんな話(結婚、出産)を。下手したら、袋叩きになるのに」と。「知人の女性が51歳の時に、55歳の男性と結婚を。2人共が、初婚。この女性は若い頃『結婚なんて、子供なんて、必要ない』と、ずっと豪語を。が、結婚して1年が過ぎた頃、この女性が「住職、やっぱ、子供が欲しい』と。こんな女性が拙僧の周囲には、結構いるんだよね。時間が経てば、考え方は変わるもんな。そりゃ、こんな話をしたら、下手したら、袋叩きだよ。だけど、拙僧がお寺に入った時、父(お寺の先代)から『見てわからん奴は、言うてもわからん。が、言うてやらんと、尚、わからん。言うてやる人間は、嫌われる。が、誰かが嫌われ者にならにゃ。お前は嫌われ者の役目を担え』と拙僧に。まあ、そういう事かな」と。
【付録】
拙僧はこれまでに、法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。
約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。
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拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」
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【追伸】尚「法話が長い」と不快感を示されておられる方々には、大変心苦しく申し訳ないので、拙僧の法話が目に入らない様に『ブロック』をさせてもらっております。楽しみにされている方々もおられますので、ご理解頂きまして、それでどうか、ご容赦くださいませ。
次回の投稿法話は、12月20日になります。
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