【臨時法話】 大晦日の法話。
今日12月31日は、大晦日。1月1日の『初日の出』には、多くの人が海や山に出かけ、1年の幸せ(安泰)を願って手を合わせるが、12月31日の『1年納めの日の入り』に「今年1年間、あなた(太陽)が昇ってくれたお陰で、今年も無事、命を繋ぐ(保つ)事が出来ました」と、西の空(沈んでいく太陽)に向かって、手を合わせ、頭を下げ、感謝する人が、どれほどにおられるだろうか。
拙僧は、今年1年の安泰を願う初詣でよりも、今年1年間の御礼報謝として毎年、年の暮れには、太宰府天満宮や、方々の神社、仏閣(特に、高野山)へ参詣に。さて、太宰府天満宮といえば、菅原道真公ですが、当時の人達が「左遷先(太宰府)で哀しく命を終わらせた恨みから、京都に数々の災い(疫病、落雷、天変地異)を齎(もたら)した」との風評を。ほんまかいな。その道真公の恨みの御霊(みたま)を鎮める為に建立されたが、北野天満宮との事。その数々の災いが、道真公が京都在住時に住んでいた桑原地区(御所南側の丸田町通り路上)だけ、難を逃れる事が出来たという事で、今でも雷が鳴れば『おお、くわばら、くわばら』と呪(まじな)いの言葉を発し、難逃れを願う人達が。思えば、人間の都合で、日本三大怨霊(菅原道真公、平将門公、崇徳上皇)にされたり、神(特に受験合格の為の学業の神)様にされたりと、ほんと、道真公も忙しいこって。
さて、神社のお参りは、通常は『2礼2拍手1礼』ですが、一般神社より位が高い、宇佐神宮、明治神宮、出雲大社などでは『2礼4拍手1礼』で、それよりも尚、位が高い伊勢神宮では『2礼8拍手1礼』でのお詣りを。拍手(かしわで)する時は『神さん、来たよ』と知らせる為に、大きな音を立てて手を打つ事が大事。お賽銭も字で表されている様に、お札ではなく小銭を。これもまた、参詣に来た事を神さんに知らせる為、大きな音を立てて小銭を賽銭箱に。ところが、現在、銀行では、枚数によって小銭は手数料が掛かるから、出来ればお札を入れてもらえれば、神社さんも助かるのでは、とお寺の坊主(拙僧)が勝手に心配して、いらん事を言っております。まあ、何せ、お札を入れる時には「ジャラ、ジャラ」と声を出し、奥で控えてござる神さんに、来ている事をアピールしましょうね。
余談ですが、正月の三ヶ日は、お盆(盂蘭盆)の三ヶ日と同義にて。正月様(歳徳神、その家の先祖の集合霊)が帰って来られますので、家族みんなで、心からのおもてなしを。野菜を細かく切って、仏壇にお供えし、年が明けたらそれを下ろして、ごった煮にし、餅をぶち込んだが、お雑煮にて。こうした神仏、ご先祖に捧げたお供物を得る(戴く)事により、心身を清めさせてもらうを、直会(なおらい)と言います。因みに、お雑煮を食べる雑煮箸(柳の木で作られるから、柳箸)の両端が細くなっているは、片方は自分が食べる為ですが、もう片方は取り箸に使うではなく、ご先祖さんが食べる為のもの。また、おせち料理は本来、正月三ヶ日の保存食として作り置かれるもので、大晦日までバタバタと忙しく働いてくれたお母さんを、正月三ヶ日くらいは、ゆっくり休ませてあげよう、から始まったもの。さあ、年が明けましたら、労る心から1年を出発(船出)し、人間が最も幸せを感じる家庭円満を、皆(家族全員)で築いていきましょうね。
さあ、令和6年も今日1日で、いよいよ終わりとなりますが、わが寺は12月(師走)になると、納骨堂で眠るご先祖さん達に、1年間の御礼報謝といって、挨拶に来られる檀家さんが数多に。昨日も、大阪から親子の3人連れが納骨堂参りに。何年振りかで会った男の子が、30センチ以上身長が伸びていて、この子(現在、中3)に拙僧「頭から何を振り掛けたら、そんなにデカくなるんだ」と問うと「親の愛情、ですかね」と、粋な返しをしてきおった。さて、今年も、拙僧の拙(つたな)い法話にお付き合い下さいまして、本当に有難うございました。来年もどうぞ、お付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。それでは、読者の皆様、良いお年をお迎えくださいませ。
【付録】
拙僧はこれまでに、法話の本を3冊、世に出して頂きました。そのご縁がきっかけとなり、テレビ(約半年、週1回)、ラジオ、新聞、雑誌などや、教育委員会、学校、幼稚園、病院、老人ホーム、デイサービス、町内会老人の集い、倫理法人会、他宗寺院、葬儀斎場、社員研修などへの講演(北九州在住の拙僧が、遠方では九州南部、関西、関東、北陸、東北まで)にも呼んで頂き、方々で法話交流を。あらゆる話とまでは言えませんが、様々なジャンルである程度(仏教仏事系の他にも、癒し系、漫談系、人生系、目から鱗系、子育て系など)の話が出来ると思いますので、何かのお役に立ちそうでしたら、時間調整の許す限り、集いの大小問わず(参加者数人でも)足を運ばせて頂きますので、お気軽に、facebook、X、Instagram のメール(コメント欄)で、お声を掛けてくださいませ。勿論、この様なお話でいいなら、でございますが。拙僧も今年で62歳。これより先の残された時間を、1人でも多くの人のお役に立てれば、との思いです。『今、自分に出来る事を、今やる』ですね。
約10年間でSNSに投稿した3000話の長短法話を下記で読む事が出来ます。
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拙僧が持つグループ「出会うは運命、出会ってからは努力、最後は感謝」
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次回の投稿法話は、明日の1月1日になります。添付写真はお寺から眺めた、北九州洞海湾の夕暮れと、2日前の太宰府天満宮です。今年も無事にこの日(大晦日)を迎えられて「今、ここに、命があるに、何不足」ですね。拙僧個人的には、師走27日にギャン豆(孫、男子)が誕生を。少し賑やかな新年になりそうです。
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