1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【2186話目】昔々の高僧が「悪に強い人間は、善にも強い。中途半端が1番悪い」と。「とことん悪い事をする人間が、心を入れ替えたら、今度はとことん善い事をする。中途半端が最も役に立たん」と。

2021-06-10 18:57:16 | 法話

読者が「住職自身の話は、悪ガキだった話しか。何か良か話はないの」と。「唯一、拙僧を『博ちゃん(幼名)』と呼ぶ全身癌余命幾ばく90歳爺様が同じ質問を。で、拙僧「そうね、なら1つだけ。小6の時、母子家庭極貧の男の子が転校してきた。その子が一部の生徒の虐めの対象に。その虐めをやめさせた事かな」と。

【追伸】
爺様に「小学6年の時に転校してきた男の子は小さな子で、アパート(家)に風呂がなく、1週間に1度くらいしか、入れない状況。それで『臭い。あっち行け』とか。筆箱や上靴を捨てられたり、服を破られたり、とか。『お前の親は何してるんや』とか。特に裕福家庭の子供達が、貧乏をいじって虐めを。子供の世界は残酷だもんね。痛み、苦しみをあまり知らない年齢だからね。見兼ねて拙僧『貧乏はこいつの責任じゃなかろうが。裕福はお前達が裕福にした訳じゃなかろうもん。虎の威を借る狐が、偉そうな事を言うな』と裕福家庭君達に。後日、この男の子の母親が汗を流し、力仕事をして働く土方現場に、裕福達を連れて行き『見ろ、あのおばちゃんだ』と遠くから。それが心に響いたかどうかは知らんが、以来、虐めやその子の持ち物に手を出す事は、なくなったね。まあ、そんな事ぐらいかな、拙僧が良い事と言われる事をしたは」と。





【2185話目】秀吉公の中国大返しには、陸路行軍の他に、海路行軍の説が浮かび上がってきた。兵隊は平服で甲冑は箱(約20kの重さ)に入れ、背負うて行軍。2万人分の食料(兵糧)も。海路だとそれらが容易に。

2021-06-10 11:15:28 | 法話

歴女が「住職、歴史探偵で中国大返し、資料は何も残ってないが、船で移動、の痕跡が。2万人移動は無理としても、20キロ近い甲冑、人数分の兵糧だけでも運べれば、大助かりですよね」と。「疑問は、短時間でどうやってその数の船を。そう考えたら、秀吉公はやはり前もって光秀公の謀反を、かな」と。

【追伸】船での行軍が事実なら、短時間でどうやって数多くの船を。当時、瀬戸内海を支配していたは海賊(水軍)。この水軍の多くは毛利氏に味方。その数600艘。対し秀吉公は200艘の船団で備中高松へ。普通に考えれば、海路を通れば悉く海賊の餌食。が、秀吉公、その海賊を寝返らせ、400から600の船の数を持っていたとの事。どちらにしろ、短時間で2万の兵、甲冑、兵糧、を運搬する船を用意するなど、前もって光秀公の謀叛を知っていなければ、こんなにスピーディーな動きは。陸路を行軍したにしても同じ。




【2184】家を建てようとするなら、まず、梅雨から夏場に掛けて、その土地の下見を。水の流れと、その土地に住む多生物の動向を。安いからと飛び付いたら、後々高い買い物に。安いには、安いなりの理由が。

2021-06-10 08:01:45 | 法話

知人が「殆ど無休で働き続けてきた父(80歳)と母に別荘を、と子供達が出し合って」「別荘か」「200万だよ。築100年」「修繕費は」「知人棟梁に、300万しか出せん、と言うと、なら300万円分修繕する、と」「そうか。なら後は、君らがどれだけ家の不服部分に目を潰れるかだな」「お金、ないもん」と。

【追伸】古民家の修繕は、外見では大した事なく見えても、瓦を取ったら、畳をあげたら、基礎になってる柱や床板が、白蟻に喰われてたり、腐ってたり、と。例えば、病気で手術を。CTやMR検査で、恐らく転移はなかろう、と思いしや、いざ、腹を開けてみたら、あちこちに病巣が、に同じ。
  この子供達に「家の改築、修繕ってやつは、1つ新しくしたら、他の部分が気になり始める。どこでわが心と折り合いを付けるかが、大事になる。欲というは膨れ上がるからね。それと、この家はもう1つ。横に川、周囲に竹藪、家裏には山。湿気のある土地には、マムシ(毒蛇)がとぐろを巻いて待ち構えている。草刈りなどは、十分に気を付けて、常に長靴を履いて作業を。拙僧の知人に総合病院に勤めている医師がいて、彼が、毎年10人ほどマムシに噛まれた人がやって来る、と。加えて、大雨の時には行かない事。土砂崩れで命の危険が」と。







【2183話目】第一子誕生と同時に、新たな親もまた、誕生を。子育ては親の主観を押し付けず、子供は親の所有物ではない、を自覚する事。短所もその子の持ち味。無理に抑えたら、長所もしぼむ。

2021-06-09 14:43:55 | 法話

檀家50代女性が「息子のわがままで、息子夫婦が離婚危機に。注意、説得したいのですが、私も嘗て自身のわがままで離婚を。どの面下げて、と」と拙僧に。「人間は皆、自分の過去を振り返ったら、誰しも物が言えん。それを言わにゃならんも試練、やってきた事への罪の償い。親の子育ては代々、この順送りかな」と。

【追伸】両親の離婚で、拙僧が幼稚園の頃から育ててくれた祖母が「わが子の諸行を見て、叱り付ける親は数多におるが、わが子の諸行を見て、わが身を振り返る事の出来る親の、何と少ない事か。自分の事を棚の上に上げて物を言うからには、自分の反省がその根底になきゃならん。この事を頭の中に入れておきなさいよ」と拙僧が12歳の頃に祖母が。




【2182話目】関ヶ原で、家康公がなかなか裏切りに腰を上げない小早川秀秋公の陣に、大筒を打ち込んだと。それを止めようとする重臣に「博打をせずに、天下を取れた者がおるか」と。あるよね、この様な判断。

2021-06-09 10:58:39 | 法話

知人歴女が「武田勝頼公、豊臣秀頼公等、愚将扱いされてる後継武将は数多。違うでしょ。父親亡き後、周囲を見渡せば皆、父親の喧嘩相手。経験浅き若者が、戦経験豊富な狸達を相手に。生まれ合わせの運も。生き残る為に、将棋でいうところの王将、飛車角、桂馬、歩兵等、自分がどの駒かを見極める事も大事かな」と。

【追伸】この知人歴女に「小早川秀秋公だが、関ヶ原の裏切り者と後世では。でも、秀吉公正室ねねさんの甥という立場、様々事情錯乱の中、裏切りも相当に悩んだんじゃないかな。裏切りの決定を下したも、重臣だったとの話も。その罪の意識からか、秀秋公は関ヶ原の2年後に精神をやられて他界を。ほんと天は時に、それに相応しくない人物に、歴史の鍵を委ねる事があるよね。明智光秀公も、関ヶ原当日まで生きていた、との資料が発見されたとの事。その資料の信憑性は兎も角、歴史はあらゆる意味で、ロマンだね」と。