JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

逮捕前に犯人視過熱報道に課題(西日本新聞)

2006-06-05 23:06:35 | 事件・事故
【水死女児の母逮捕】の大見出しは、西日本新聞も同じだった。

しかし、朝日新聞などと比べると一面での扱いは少しだけ抑制的であったようだ。
【水死女児の母逮捕】

とはいえ、『死体遺棄の疑い 大筋認める』 と警察発表をそのまま繰り返したところは、大差がない。
ただ【 調べでは、・・容疑者は5月17日午後3時半ごろから18日午後3時ごろまでの間、自宅から約8キロ離れた能代市内の米代川岸の道路脇草むらに豪憲君の遺体を遺棄した疑い。 】 と、断定はせず、少しは抑制的である。

また、26面(いわゆる3面記事)では、『逮捕前に犯人視過熱報道に課題』 として、報道陣が多数詰め掛けた状況に内省的な考えを述べている 
西日本新聞26面(6/5)

一部引用すると
【 ・・・容疑者は発生直後から関与の疑いが浮上。身を寄せていた秋田県能代市の実家周辺には報道陣が多数詰め掛けた。

 ・・・逮捕前から・・容疑者の犯行であることを強く示唆する報道も一部で出るなど、異例の経過をたどった。
 ・・・容疑者は同24日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に「猛烈な取材攻勢で生活を脅かされている」と訴え、BPOの「放送と人権等権利に関する委員会」は放送各社に「節度をもって取材に当たる」よう要望した。

 今回、一部週刊誌などのメディアが・・容疑者が疑われていることをにおわせる記事を掲載。1998年の和歌山市の毒物カレー事件の時と同じような展開になった。 】

また、同じ26面の、『捜査本部 事件当初から照準』 と題する別の記事では、

【 18日午前からは・・容疑者を見張るように自宅の前に捜査車両を止め、秋田県能代市の実家に・・容疑者が移り、報道陣が実家に詰め掛けてからも、マスコミ対策として警察官が張り付き、事実上、捜査本部の監視下に置いた

 一方で・・容疑者の毛髪を入手して、DNA鑑定。遺棄現場に残っていた足跡や豪憲君のランドセルから採った十数個の指紋など照合を重ねたが決め手となる証拠には至らなかった

 共働きで日中留守がちの家庭がほとんど豪憲君が行方不明となった時間帯に、犯行にかかわれるのは・・容疑者だけという状況証拠を積み重ねた捜査本部は捜索と事情聴取に着手した。】

要するに、決定的な証拠は無いが、「その時間帯に犯行にかかわれるのは・・容疑者だけ」という、全く不確かな推論を元に構築して「犯人」と断定し、一方的にマスコミに流すことで、犯人像への『国民の誘導』を託したのである。
こんな方法で犯人(容疑者)を特定して発表することが許されるなら、誰もが犯人に仕立てられかねず、『冤罪』の温床になることは明らかである。
その女性を犯人として話題にする前に、自分も犯人にされかねないという危険性を感じてほしい。
一方では『共謀罪』という、目配せしただけでも立件される悪法が制定されようとしているのである。

多くのマスメディアが、自らの墓穴を掘りかねない状況に置かれているのに、この警察の戦術に載せられてしまったということは、『大本営発表』に抗しきれない、現在のマスメディアの状況を示している。
みのもんた氏がその片棒を積極的に担いでいるという事実は、私をがっかりさせるのに充分であった。

秋田小1児童殺害事件-7
前のページ(6)へ   次のページ(8)へ    【連載第1回目から読む】

村上世彰氏を逮捕

2006-06-05 19:01:03 | 事件・事故
東京地検、村上ファンドの村上代表を逮捕=報道 (ロイター) - goo ニュース

また、別の逮捕劇である。

東京地検特捜部は、村上世彰容疑者を証券取引法違反の疑いで逮捕(5日午後4時40分、東京・六本木) 【時事通信社】

村上氏の行為がインサイダー取引に当るかどうかは、今後の攻防にかかっているだろう。
私は、昨年 堀江貴文氏が逮捕された時、他にも彼以上に無茶苦茶やっている輩がいるのに、何であんな小物を逮捕するのだろうと思ったものだが、村上氏に至る伏線であったとすれば理解できる。

 村上氏は、通産官僚(現・経済産業省)として、現在彼が活用している「儲けの」仕組みを作り、準備万端整った所で通産省を退職し、退職するなり現在のマネーゲームを開始した。
 従って、法の網の目のどこに綻びがあるか知っていたのは当然であろう。それどころか、自分が金儲けをするために役立つ『綻び』いわばバグを意図的に仕込んだとする見方もできる。

 本日の逮捕は、日本放送株にかんする堀江氏たちとの共謀による(共謀罪?)インサイダー取引とされているようだが、私は村上ファンドの設立そのものが通産官僚としての独占的情報を利用した『インサイダー取引そのもの』ではないのか、と見てきた。
 それに比べれば堀江氏は小物に過ぎないと思っていたところである。

 特捜部が、証拠を固め、立件できるか、経済産業省の村上支援組みが反転攻勢にでるか、予断を許さない所である。

 もちろん、現時点で彼を犯罪者と決め付けるものではないことは言うまでも無い。この面でも多くのブロガーはマスコミ報道に追随し、見識を示せていない。
 しかし、個人としては、金儲けさへすれば『勝ち組』的な考えには反発せざるを得ないのも又確かである。

【秋田小1児童殺害事件】でブログを見てみると

2006-06-05 17:11:47 | 事件・事故
この件(水死女児の母、逮捕)で、ブログを見てみると、その殆どがマスコミ報道を疑う事無く信奉し、それが警察発表であるということに何も気を掛けていない投稿が多い。
従って、その女性を犯人と決め付けて感想を書いているものが殆どである。
松本サリン事件の反省は、そういう記事を書くブロガーにも皆無のようだ。

これほどまでに、マスメディアは国民を誘導することができるのだ。
こういう意見を書いている私でさえ、この件での情報源は今のところマスメディアしかない。

しかし、こうも見事に警察発表を信じて疑おうともしない人々が多いことに驚きを禁じえない。
そのうえ、その方たちは自分達が警察情報に踊らされていることに気付いていない。

このような国民性で、憲法“改正”案がマスコミを巻き込んで報道されたら、ひとたまりも無いであろう。

誰かを犯人に仕立て上げ、それをあげつらい、その人や家族の経歴や職歴や学歴や卒業文集まで書き立てるというマスコミのあり方と、それに飛びつく無思慮な態度は少しでも改めるべきであろう。

当該の女性を「犯人扱いしている」数件のブログにTBを行なったので、ブーイングが少なからず来訪するであろうことは織り込み済みである。

マスメディアの暴走に心を痛めている、私と志を同じうするブロガーのコメントとTBに期待する。

秋田小1児童殺害事件-6
前のページ(5)へ   次のページ(7)へ   【連載第1回目から読む】

Asahi.com によれば (秋田小1児童殺害事件)

2006-06-05 16:19:37 | 事件・事故
"遺体付着の毛髪、容疑者とDNA一致 秋田小1事件 (朝日新聞) - goo ニュース"

この朝日の記事をもう一回読んでみたが、ここまで私が挙げた問題に何ら回答を与えるものではない。

全くの警察にコントロールされた官製(管制)報道と言わなければならない。

トランクのハッチを閉めたのを目撃されたのは、その女性の自宅前だという。
自宅前でトランクを開けたり閉めたりするのは当たり前のことで、私も毎日やっている。
これをニュースとして扱った朝日記者や編集長は、自宅前でトランクを開けたり閉めたりしたことがないのであろうか?
大体、犯人が自宅前でそんなことするはずがないではないか?
むしろ無実の証明とも言える。

とにかく、先にも書いたが、【松本サリン事件】で、メディアが総反省した茶番劇をもう忘れてしまったのか?
万が一、その女性が犯人であったとしても、現状で断定的な報道はできないはずではないか?
メディアがそういう官憲追従の姿勢をとる限り、共謀罪も押し切られてしまうに違いない。
私は、この流れに抗して、主張を続けるつもりである。

これらの私の意見は、RKB(みのもんたの「朝ズバッ」のチャンネル)と朝日新聞に投書として送りました。


秋田小1児童殺害事件-5
前のページ(4)へ   次のページ(6)へ   【連載第1回目から読む】

朝日新聞が挙げた残り二つの証拠

2006-06-05 15:06:29 | 事件・事故
【水死女児の母、逮捕】の大見出しの朝日新聞が次に挙げる、警察発表の証拠は、

② 事件現場“近く”に同じタイプのタイヤ痕があった。
である。

同じ「タイヤ痕」と言っていないことに注目。
全く同じとは特定できていないようである。
同じようなタイプは、同時期に発売された同じような車種であれば何本でも何百本でもあるだろう。
これも、報道を通じて視聴者を「犯人扱い」に誘導するものである。

次に、

③ 男子児童が見当たらなくなった頃に、白いライトバンが後部ハッチを閉めた

であるが、ハッチやトランクを閉めた人は、犯人にされてしまうのか?
全く、特定されていない情報を元に、その頃トランクを閉めた人を犯人扱いするなら、この近辺に配送に来ていた運送屋さんの多くが犯人となることになる。
これも証拠としては甘い。

これほど素人が考えても証拠が甘いのに、一方では
この女性の離婚暦や職歴を暴きたて、『いかにも犯人らしい』ように誘導をしているTVもあるが(朝ズバッ!もしかり)、朝日新聞まで、これをやっているのには驚いた。

今時、離婚する人たちは枚挙にいとまが無いし、子育て中に離婚や失業すれば、それこそ仕事があれば何でもするというのは母親として当然である。職を転々とするというのは、簡単に首を切る社会体制に問題があるのであって母親のせいではない
そういう中で食事がコンビに弁当になることは致し方ないではないか?
それなのにも関わらず、みのもんた氏は「母親失格だ」と悪罵を浴びせた。
高収入のみのもんた氏には、離婚した母親の生活環境や心境はわからないのも無理は無い。

私は、万が一彼女の有罪が確定するまでは、容疑者とも犯人ともせず、客観的に見てゆきたいと思う。

秋田小1児童殺害事件-4
前のページ(3)へ    次のページ(5)へ    【連載第1回目から読む】

相変わらず証拠は“DNA鑑定” (つづき)

2006-06-05 14:50:49 | 事件・事故
【水死女児の母、逮捕】と大見出しを掲げた朝日新聞による犯行の証拠は、

第一に、
被害者の衣服から採取された髪の毛のDNAが容疑者とされる女性のDNAと一致したと言うものである。

私は、以前より警察の“DNA鑑定”によるDNAの“一致”というのは「本当か?」と疑っている。
記者会見で、記者の誰かが、「その一致した部分はどういう遺伝子のどの部分ですか?」と追究したことがあるだろうか?
チンパンジーなら9割以上(99%以上?)DNAは一致するという。人間ならなおさらのことだ。
人間に誰でも共通する部分を比較して見せて、『DNAは完全に一致した』と言えば、それは見かけ上A・G・C・Tの配列は完全に一致して当たり前である。全人類が犯人となりえる。チンパンジーでも・・・

問題は。「全てのDNAが一致する」ことを証明できたのかどうかである。
百科事典何冊もあるようなDNAを分析できたのか?
そのうえ、コンピュータ解析では、試料が少ないとノイズが多く、正確な配列は再現できないとも言う。
DNA万能論に警告を発したい!!!

少なくとも、弁護側も含め、信頼できる検査機関の比較が無い限り、警察が『DNAが一致した』という発表は信用できない。
何故、メディアは素人が考えても解るような問題に目をつぶり、警察発表を鵜呑みにしてしまうのか?

弁護側と言えば、16時間にも亘る異常な取調べに際して弁護士さえ付ける権利を行使させていないのは、人権上も問題である。

秋田小1児童殺害事件-3
前のページ(2)へ    次のページへ(4)    【連載第1回目から読む】

相変わらず証拠は“DNA鑑定” (水死女児の母、逮捕)

2006-06-05 14:32:42 | 事件・事故
この事件(秋田小1児童殺害事件)の新聞報道は、殆どが一面TOPで、
『水死女児の母、逮捕』
というような大見出しだった。

報道管制(誘導)されていることの証左だ。
大手3紙が全く同じ大見出しであったというのは、偶然の一致とは思えない。
これらの報道やTVでの扱いは、『推定無罪』『疑わしきは被告人(まだ被告人になったわけでもないが)の利益に』『疑わしきは罰せず』の憲法と刑法の理念に全く反する。

松本サリン事件の『大失敗』を、もう忘れたのか?
この事件の時も、様々な状況証拠が挙げたてられた(主として殺虫剤など)。
果ては犯人と断定された男性の、家族の経歴や行動まで報道し始め、“いかにも”の犯人像が、でっち上げられて行った。

さて、唐突ですが
一つ前の私の記事に対して『闘うリベラル』さんから、コメントを頂きましたのでUPします。

【こんにちは。

>警察の粗雑な捜査への批判に怒った警察側が、報復的に犯人扱いしているのではないか(私の投稿内容)

 直感的に俺もこのように感じました。
真実は分かりませんが。よくあることです。
警察発表垂れ流しの事件報道は改善されることなく益々程度が低くなっていますな。
 更に、警察がでっちあげたか否かは措くとして、被疑者の段階、それも殺人容疑ではなく、死体遺棄の段階で、被害者家族の怒りのコメントを垂れ流すのもおかしいでしょう。
そもそも殺人事件の真犯人であるかどうかも分からないのに。】

こういう意見が、朝の報道番組の名だたるコメンテイターの誰からも出ず、みのもんた氏などは、その女性を完全に犯人扱いし悪罵の言葉を投げ付ける。
そのうえ、今日の『朝ズバッ』では、何らの証拠を示すことさえなかった。
報道機関の怠慢、警察情報Onlyを絵に描いたように(みの氏の番組はまさに絵で描いているが)示している。

朝日新聞でも“事実上”犯人扱い、は同じだが(言い逃れできるようには編集しているようだが・・・、記者の責任を示す署名も無い。署名がないのは朝日新聞の公式見解と捉えよう)、一応証拠は示している。

それによれば、

① 残されていた髪の毛のDNAが“一致”した。 ここをクリック
② 事件現場“近く”に同じタイプのタイヤ痕があった。
③ 男子児童が見当たらなくなった頃に、白いライトバンが後部ハッチを閉めた。


「疑わしきは罰せず」の立場で、これらを素人検証して見よう。

秋田小1児童殺害事件-2
前のページ(1)へ   次のページ(3)へ    【連載第1回目から読む】

“任意”で16時間の取調べで“自供”?

2006-06-05 07:19:16 | 事件・事故
秋田の男子小学生(7才)殺害事件で、この事件の前に娘が『水死事故死』した母親が逮捕された。
新聞はこぞって『水死女児の母、逮捕』と書き立てている。

昨日(2006/6/4)朝7時に出頭させてから、16時間にも亘る“任意”の取調べで、『死体遺棄』については、大筋で容疑を認めたので逮捕した、というようである。

マスメディアは、この一方的な『警察発表』を自ら検証することなく、そのまま実名で発表した。
みのもんた氏の『朝ズバッ』では、「16時間にも亘る“任意”の取調べは異常だ」とコメンテイターに言わせた上で、結局『犯人』と断定したような言い方を、みのもんた氏に行わせている。

その中で、その母親が、執拗なマスコミ取材や警察の事情聴取に激昂して、いわばキレタ発言をしているところを、前後の事情は無視して、そこだけ『切り取って』放映し、みのもんた氏が『ひどい女だね!和歌山毒入りカレー事件とおんなじだ』と発言したことは印象的だ。

その前に、男子小学生の死亡を聞かされて、落胆し『ご両親の気持ちを察する』発言をしている映像を流すことで、この女性の“二面性”を描いて見せ、いかにも犯人らしかろうと視聴者に誤認を与える報道をしている。

そのうえ、『朝ズバッ』では、その激昂したシーンを繰り返し放映して視聴者を誘導している。
また、容疑者に関する否定的な情報を探し出しては報道し、スポーツ紙の報道を引用してまでネガティブキャンペーンを繰り返し、みのもんた氏は、「母親失格だよね」とまで言っている。
極めて一方的な報道である。

そして、容疑を固めるため「慎重に捜査を進めている」と、これもまた警察発表そのままの報道である。
16時間も続けた事情聴取と70人も投入した家宅捜索など『慎重』とは対極の荒っぽい捜査をしているにも関わらず「慎重に捜査を進めている」との言い分 の垂れ流しである。
チャンネルを換えながら、各局をスポットで見たが(同時に全てみることはできないので)、犯人扱いせずに報道している局はなかったようだ。

NHKなど他の放送局も実名入りで「死体遺棄は大筋で認めた」と一様に警察発表をそのまま発表している。
万が一冤罪であっても「警察発表を報道しただけだ」と言い逃れするつもりであろう。

この女性は、自分の娘が水死事故扱いされたことに対し、男子児童殺害事件後、娘の事件の時「警察がきちんと動いてくれてたら、剛健君もこういうことにならずに一緒に遊べていたのに」と警察を批判する発言をしているが、これは親として当然のことであろう。
私の感触では(と、言っても情報源はマスメディアしかないのだが)、この警察の粗雑な捜査への批判に怒った警察側が、報復的に犯人扱いしているのではないかということだ。

報道では「逮捕直前に、警察の質問にうなずくようになった」という警察発表を引用をしていたが、16時間の取調べにより精神的に追いつめられた結果か、眠さのあまりの『コックリ』かもしれない。

こういう報道の氾濫の中で、「赤旗」が、実名を伏せ、冷静な取り扱いをしているのはさすがであった。

秋田小1児童殺害事件-1     次のページ(2)へ