【水死女児の母逮捕】の大見出しは、西日本新聞も同じだった。
しかし、朝日新聞などと比べると一面での扱いは少しだけ抑制的であったようだ。
【水死女児の母逮捕】
とはいえ、『死体遺棄の疑い 大筋認める』 と警察発表をそのまま繰り返したところは、大差がない。
ただ【 調べでは、・・容疑者は5月17日午後3時半ごろから18日午後3時ごろまでの間、自宅から約8キロ離れた能代市内の米代川岸の道路脇草むらに豪憲君の遺体を遺棄した疑い。 】 と、断定はせず、少しは抑制的である。
また、26面(いわゆる3面記事)では、『逮捕前に犯人視過熱報道に課題』 として、報道陣が多数詰め掛けた状況に内省的な考えを述べている
西日本新聞26面(6/5)
一部引用すると
【 ・・・容疑者は発生直後から関与の疑いが浮上。身を寄せていた秋田県能代市の実家周辺には報道陣が多数詰め掛けた。
・・・逮捕前から・・容疑者の犯行であることを強く示唆する報道も一部で出るなど、異例の経過をたどった。
・・・容疑者は同24日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に「猛烈な取材攻勢で生活を脅かされている」と訴え、BPOの「放送と人権等権利に関する委員会」は放送各社に「節度をもって取材に当たる」よう要望した。
今回、一部週刊誌などのメディアが・・容疑者が疑われていることをにおわせる記事を掲載。1998年の和歌山市の毒物カレー事件の時と同じような展開になった。 】
また、同じ26面の、『捜査本部 事件当初から照準』 と題する別の記事では、
【 18日午前からは・・容疑者を見張るように自宅の前に捜査車両を止め、秋田県能代市の実家に・・容疑者が移り、報道陣が実家に詰め掛けてからも、マスコミ対策として警察官が張り付き、事実上、捜査本部の監視下に置いた。
一方で・・容疑者の毛髪を入手して、DNA鑑定。遺棄現場に残っていた足跡や豪憲君のランドセルから採った十数個の指紋など照合を重ねたが決め手となる証拠には至らなかった。
共働きで日中留守がちの家庭がほとんど。豪憲君が行方不明となった時間帯に、犯行にかかわれるのは・・容疑者だけという状況証拠を積み重ねた捜査本部は捜索と事情聴取に着手した。】
要するに、決定的な証拠は無いが、「その時間帯に犯行にかかわれるのは・・容疑者だけ」という、全く不確かな推論を元に構築して「犯人」と断定し、一方的にマスコミに流すことで、犯人像への『国民の誘導』を託したのである。
こんな方法で犯人(容疑者)を特定して発表することが許されるなら、誰もが犯人に仕立てられかねず、『冤罪』の温床になることは明らかである。
その女性を犯人として話題にする前に、自分も犯人にされかねないという危険性を感じてほしい。
一方では『共謀罪』という、目配せしただけでも立件される悪法が制定されようとしているのである。
多くのマスメディアが、自らの墓穴を掘りかねない状況に置かれているのに、この警察の戦術に載せられてしまったということは、『大本営発表』に抗しきれない、現在のマスメディアの状況を示している。
みのもんた氏がその片棒を積極的に担いでいるという事実は、私をがっかりさせるのに充分であった。
秋田小1児童殺害事件-7
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しかし、朝日新聞などと比べると一面での扱いは少しだけ抑制的であったようだ。
【水死女児の母逮捕】
とはいえ、『死体遺棄の疑い 大筋認める』 と警察発表をそのまま繰り返したところは、大差がない。
ただ【 調べでは、・・容疑者は5月17日午後3時半ごろから18日午後3時ごろまでの間、自宅から約8キロ離れた能代市内の米代川岸の道路脇草むらに豪憲君の遺体を遺棄した疑い。 】 と、断定はせず、少しは抑制的である。
また、26面(いわゆる3面記事)では、『逮捕前に犯人視過熱報道に課題』 として、報道陣が多数詰め掛けた状況に内省的な考えを述べている
西日本新聞26面(6/5)
一部引用すると
【 ・・・容疑者は発生直後から関与の疑いが浮上。身を寄せていた秋田県能代市の実家周辺には報道陣が多数詰め掛けた。
・・・逮捕前から・・容疑者の犯行であることを強く示唆する報道も一部で出るなど、異例の経過をたどった。
・・・容疑者は同24日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に「猛烈な取材攻勢で生活を脅かされている」と訴え、BPOの「放送と人権等権利に関する委員会」は放送各社に「節度をもって取材に当たる」よう要望した。
今回、一部週刊誌などのメディアが・・容疑者が疑われていることをにおわせる記事を掲載。1998年の和歌山市の毒物カレー事件の時と同じような展開になった。 】
また、同じ26面の、『捜査本部 事件当初から照準』 と題する別の記事では、
【 18日午前からは・・容疑者を見張るように自宅の前に捜査車両を止め、秋田県能代市の実家に・・容疑者が移り、報道陣が実家に詰め掛けてからも、マスコミ対策として警察官が張り付き、事実上、捜査本部の監視下に置いた。
一方で・・容疑者の毛髪を入手して、DNA鑑定。遺棄現場に残っていた足跡や豪憲君のランドセルから採った十数個の指紋など照合を重ねたが決め手となる証拠には至らなかった。
共働きで日中留守がちの家庭がほとんど。豪憲君が行方不明となった時間帯に、犯行にかかわれるのは・・容疑者だけという状況証拠を積み重ねた捜査本部は捜索と事情聴取に着手した。】
要するに、決定的な証拠は無いが、「その時間帯に犯行にかかわれるのは・・容疑者だけ」という、全く不確かな推論を元に構築して「犯人」と断定し、一方的にマスコミに流すことで、犯人像への『国民の誘導』を託したのである。
こんな方法で犯人(容疑者)を特定して発表することが許されるなら、誰もが犯人に仕立てられかねず、『冤罪』の温床になることは明らかである。
その女性を犯人として話題にする前に、自分も犯人にされかねないという危険性を感じてほしい。
一方では『共謀罪』という、目配せしただけでも立件される悪法が制定されようとしているのである。
多くのマスメディアが、自らの墓穴を掘りかねない状況に置かれているのに、この警察の戦術に載せられてしまったということは、『大本営発表』に抗しきれない、現在のマスメディアの状況を示している。
みのもんた氏がその片棒を積極的に担いでいるという事実は、私をがっかりさせるのに充分であった。
秋田小1児童殺害事件-7
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