産経新聞の論点の主なポイントは、
① 背景にあるのは責任感の希薄さ
② 消費者や流通・加工業者らに不安と不信を増幅させたことへの反省は感じられなかった。
③ 日本の農政が「食の安全」に目が向いていなかった
④ 安全な食料を求め、日本産のコメには消費拡大の機運も出ていたが、今回の問題は冷や水を浴びせ、結果として生産者にも影響を与えかねない。
⑤ 農水省の対応が消費者を向いてなかった。
などである。
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◇相次ぐ交代
昨年以降、農相の交代が相次いできた。昨年5月、資金管理団体の不透明な光熱水費問題の渦中にあった松岡利勝農相が自殺。同年8月には事務所を実家に置いた政治団体の不正経理疑惑で赤城徳彦農相が辞任し、翌9月には遠藤武彦農相が農業共済組合の補助金不正受給問題で辞任している。(毎日.jpより引用)
以下、記事引用
*****************農水次官2代続けて辞任
おざなり「食の安全」露呈
コメ消費拡大にも冷水
産経新聞 2008年9月20日(土)08:15
農水省の事務方トップである事務次官が再び辞任に追い込まれた。背景にあるのは責任感の希薄さだ。国民の口に入る食料を所管しているにもかかわらず、おざなりの検査で不正を見抜けず、問題発覚後もひとごとのように発言、政府内外から批判を浴びた。「食の安全」は国民生活の根幹をなす。責任の大きさを感じ、役所の体質を根本から改めなければ、その存在意義さえ失いかねない。(佐藤哲夫)
白須敏朗前次官は19日の交代会見で、「再発防止策の具体的方向性がまとまり、新体制で推進することが適当と考えた」と淡々と説明した。事実上の更迭ではとの問いに「自分で判断し、大臣に相談した」と自らの意思を強調した。
白須前次官は、昨年9月に補助金不正受給問題で小林芳雄次官(当時)の引責辞任を受けて就任しながら、自らの認識の甘さで組織再建もかなわなかった。
このため、会見で厳しい質問が繰り返されると、「18日に国民へのおわびと撤回を申し上げ、これ以上付け加えるべきことはございません」と気色ばんだ。最後まで体面を繕うような姿勢からは、消費者や流通・加工業者らに不安と不信を増幅させたことへの反省は感じられなかった。
一方、突然の就任となった井出道雄新次官も「重大な局面での交代で緊張している。初心に立ち返って全力を尽くしたい」と通り一遍の抱負を述べるにとどまり、改革の熱意にはやや懸念を抱かせた。
中国産毒ギョーザ事件を機に、消費者の間には「食の安全」に対する意識が急速に高まっている。だが、汚染米の問題は、日本の農政が「食の安全」に目が向いていなかったことを露呈した。安全な食料を求め、日本産のコメには消費拡大の機運も出ていたが、今回の問題は冷や水を浴びせ、結果として生産者にも影響を与えかねない。
2代続けての次官辞任で、農水省は完全な機能不全に陥っていることを示した。信頼回復には、汚染米流通の全容を解明し、再発防止策を講じることがその第一歩となる。
◇
■農水相会見 一問一答
辞任表明した太田誠一農水相の記者会見詳報は以下の通り。
太田農水相「閣議後に首相に事故米の社会的問題の大きさをかんがみ、辞任する決意を固めたと伝えた」
--なぜこの時期か
「(農水省職員の)処分は内閣府の第三者委員会に委ねられ、(事故米の)流通先の骨格は判明。再発防止策も5項目がまとまった。(内閣総辞職まで)4日だが、結果責任をはっきりさせたほうがよいだろうと考えた」
--いつごろから辞任を考えていたか
「今週というか先週末というか」
--誰かの勧めか
「私自身の決断」
--事故米転売自体に責任を感じたのか、農水省の対応に責任を感じたのか
「(農水省の)対応ではない。大きな社会問題になったから、政治的な責任を決めなければと思った」
--「じたばた騒いでいない」と発言したが、今になってなぜ辞任か
「そのことは、(内閣府の)食品安全委員会が『(事故米は安全上)心配ない』ということを言ったのであり、『じたばたしない』というのは今でもそう。異例事態には冷静沈着に行動すべきだと、私自身のことを言った」
--次官ら事務方も異動して、不正転売調査に影響は
「(事故米担当の)総合食料局長はそのまま。新しい体制で再発防止体制を構築するのは正しいと思う」
--次官を慰留しなかった理由は
「私と次官と同時期に進退を明らかにするのは、これはあるのかなと思った」
--農水省の対応が消費者を向いてなかったのではという指摘をどう思うか
「どこを向いて仕事するのか整理できていなかった。事業者寄りと批判を受けてもやむを得ない」
農水次官2代続けて辞任 おざなり「食の安全」露呈 コメ消費拡大にも冷水(産経新聞) - goo ニュース
農水トップ2人辞任 汚染米で引責 「責任ない」に首相激怒(産経新聞) - goo ニュース