最高検は、元大阪地検特捜部の部長・大坪弘道容疑者(57)と副部長・佐賀元明容疑者(49)を大阪地裁に起訴する。
先だって、この二人を懲戒免職にすることが決まっている。
大阪地検特捜部前部長と元副部長を懲戒免職
読売新聞 2010年10月21日(木)16:28
産経新聞は、この間の経過を
【最高検が描く“隠蔽の15日間” 大坪、佐賀両容疑者きょう起訴】
として、概括した記事を掲載している。
一読してみた処、最初の朝日新聞によるスクープやその後の讀賣新聞による記事などと大筋で一致しているので、当ブログに引用することにした。
実際の最高検の起訴事実が、産経記事のタイトルのように「最高検が描く」『事件の絵図』かどうかは解らない。
しかし、これまで各社が担当検事たちや関係者に取材してきた情報とは合致しているように思えるので、産経新聞の記事の内容は、それほど事実と乖離しているとは思われない。
以下、引用をお読みください。
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最高検が描く“隠蔽の15日間” 大坪、佐賀両容疑者きょう起訴
産経新聞 2010年10月21日(木)08:00
大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件で、最高検は21日、犯人隠避罪で前部長、大坪弘道容疑者(57)と元副部長、佐賀元明容疑者(49)を大阪地裁に起訴する。元主任検事、前田恒彦被告(43)=証拠隠滅罪で起訴=の改竄発覚から「隠蔽(いんぺい)工作」までの15日間に何があったのか。最高検が描く事件の構図をたどった。
▼発覚
1月27日。大阪地裁で開かれた厚生労働省元局長、村木厚子さん=無罪確定=の初公判で弁護側は、検察側が描いた構図と客観的証拠との矛盾点を指摘した。
村木さんが、部下だった上村勉被告(41)=公判中=に偽造証明書の作成を指示した時期を、検察側は「平成16年6月上旬」としていた。ところが、捜査報告書には偽造証明書が記録されていたフロッピーディスク(FD)の最終更新日時が「6月1日未明」と記載されていた。FDという客観的証拠では、村木さんの指示は5月31日以前ということになる。
「検察側の主張は破綻(はたん)している」。弁護側はこう強調した。
初公判後、公判担当の女性検事が、上村被告の取り調べを担当した刑事部の男性検事にFDについて尋ねると、男性検事から驚くべき言葉が返ってきた。
「前田検事がデータを故意に書き換え、上村被告側に返却した」
男性検事は昨年7月、前田被告からデータ改竄を打ち明けられていたのだ。この言葉は女性検事から公判部の主任検事に伝わり、地検内に検察史上例のない証拠改竄疑惑が広まった。
▼認識
1月30日の土曜日。男性検事、女性検事、公判部主任検事は地検庁舎に佐賀容疑者を呼び出し、前田被告の「犯行」を伝えた。
「村木さんは無実です。公表しましょう」。女性検事は涙ながらに訴えた。
佐賀容疑者は「待て」と女性検事らを制し、東京出張中だった前田被告に電話した。
前田被告「FDを意図的に書き換えました。自分はもう終わりです」
佐賀容疑者「早まるな。すべて任せろ。FDにまで手を掛けるとは…。苦労をかけたな」
号泣する佐賀容疑者。この時点で前田被告の「犯行」を認識したという。
週明けの2月1日。佐賀容疑者は大坪容疑者にこうしたやり取りの一部始終を報告した。大坪容疑者は佐賀容疑者に対し、前田被告に再度確認するよう指示。2日、佐賀容疑者が同様の報告をすると…。
「ミステークでいく」
大坪容疑者は特捜部トップとしての方針を示した。故意が過失にすり替わった瞬間だった。
▼工作
これを受け、佐賀容疑者は同日、前田被告に電話で「過失ということにしろ。絶対に故意だと認めるな」と命じた。
この日と翌3日。大坪容疑者らは相次いで玉井英章次席検事(当時、現大阪高検次席検事)と小林敬検事正に面会。「FDをめぐって検事同士のトラブルがありましたが、問題ありません」と報告した。
前田被告が出張から帰阪したのは5日の金曜日。週明けの8日に面会した大坪容疑者は「どうしてそんなことやったんだ」と詰問。前田被告はこれまでの経過を説明し、謝罪した。
10日。前田被告は過失とする「上申書案」を大坪容疑者のもとに持参。大坪容疑者は「過失であることをもっと分かりやすく書け」と修正を指示した。
こうした隠蔽工作が功を奏したのか、9月までの7カ月、証拠改竄疑惑は地検内にとどまった。
(産経新聞)
大阪地検資料改竄・犯人隠避事件 両容疑者は全面否定
産経新聞 2010年10月21日(木)08:00
大坪弘道容疑者と佐賀元明容疑者は、有力証拠とされる前田恒彦被告の供述を柱にして最高検が描いた事件の構図を、全面否定しているもようだ。
逮捕前の産経新聞の取材や弁護人によると、FDが故意に改竄されたという認識について、大坪、佐賀両容疑者は1~2月に前田被告から受けた報告を「過失でデータが書き換わった可能性があると聞いた。意図的な改竄だったとは聞いていない」と主張している。
さらに佐賀容疑者は自身の執務記録に基づき、1月30日、検事3人が改竄を“内部告発”してきた際に面前で前田被告と電話したこと自体を「なかった」と主張。この時点で前田被告の「犯行」を認識したとする最高検の構図を真っ向から否定している。
これに続く隠蔽工作があったとされる点は、大坪、佐賀両容疑者が「前田被告に隠蔽の指示はしていない」と強調。過失と分かるよう上申書案の修正を命じた、という逮捕容疑に含まれた点も、大坪容疑者が「上申書は説明できるよう準備しておく意味で作らせた」と反論している。
最高検が工作の一環として重視している地検上層部への報告も、「FDが書き換わった可能性はあるが、故意ではなく過失で問題ないと説明した」としており、過失として聞いたことを過失として伝えたという主張になっている。
(産経新聞)
上層部への対応「一任を」=大坪容疑者、公判部長に―「虚偽報告」起訴内容へ追加
時事通信 2010年10月21日(木)07:03
佐賀容疑者、故意認識か 執務記録に「6月8日」
産経新聞 2010年10月20日(水)08:00
法相「信頼回復を」、検事総長「深くおわび」異例の陳謝(朝日新聞) - goo ニュース
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