JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

社会保障と税の一体改革 低所得者ほど負担が重い“社会保障”制度

2012-02-10 23:30:43 | 政治
2012年2月10日(金)

 【DIAMOND ONLINE】
社会保障と税の一体改革
低所得者ほど負担が重い社会保障制度
根本的な問題に目を向けない「一体改革」
――政策研究大学院大学客員教授 田中秀明氏

【低所得者ほど負担が重い 日本の社会保障制度】

――政府は消費税増税を含む「社会保障・税一体改革」素案を決定しました。この素案をどう評価していますか。

 今の仕組みを抜本的に見直すのが一体改革の趣旨だと思いますが、まだ半歩くらいで、残念ながら中身は不十分と言わざるを得ません。改革は一度に全てできませんが、全体像を描いた上で順序を考えるべきです。素案の作成者は厚生労働省の官僚であり、今の社会保障制度の何が問題か、特に社会保険料の問題点にほとんど触れられていないからです。

 厚生、共済年金に属していない人が入っている国民年金の保険料は1ヵ月1万5000円程度(第1号被保険者)。果たして年収150万円ほどの非正規雇用者が支払い続けられる額でしょうか。医療保険料などもあり、おそらく払えるわけがない。若干の減免措置があるとはいえ、国民年金の保険料は定額制なので、非常に逆進的(低所得者ほど負担重い)。一体改革案には、保険料の減免など低所得者対策が謳われていますが、保険料の基本的な問題にはメスを入れず、税金が天から降ってくるような感覚で、水漏れを税金で塞ごうという対応に見えます。

 そもそも年金制度の基本的な問題は、財源として国民の支払う社会保険料にプラスして税が投入されており、保険と税が渾然一体とした仕組みになっていて、ガバナンスが効かないことにあります。役所は、保険は負担と給付が一致するので規律が働くと言っていますが、現実は全くそうなっていません。基礎年金の第1号被保険者(自由業)の保険料は1人1月で約1万5000円、第2号(サラリーマン)の保険料は不明(基礎年金部分と報酬比例部分を併せて、労使合計で約15%の保険料)、第3号(専業主婦)はゼロです。保険料の金額さえ、わからないのが今の年金制度です。

 保険料の未納者が増えていますが、社会保険料を払わない低所得者層が年金をもらえないのは自己責任で、払った人と差がついてしかるべきだともいえるかもしれませんが、これはミスリーディングです。なぜならば、基礎年金の2分の1は国庫負担、とどのつまり税金です。比喩的に言えば、丸の内にある大企業を退職したOBの年金額の一部には、年収150万円の非正規雇用者がコンビニで買ったおにぎりの消費税も含まれています。それにもかかわらず、25年保険料を納めることができなかったという理由で、低所得者が年金をもらえないのは、不公平ではないでしょうか。このように日本の社会保障は、中堅以上のサラリーマンや公務員が保護され、非正規雇用者を救う仕組みになっていない。

 私の推計では、日本では年収1500万円までの税金・保険料の総所得に対する負担率(世帯員ベース)は、約17%から22%程度で、おおざっぱに言えば、所得にかかわらず20%前後の定率と言えます。なぜ定率的かというと、所得税が累進的である一方で、社会保険料は逆進的だからです。実際、国民年金保険料は収入と無関係の月額約1万5000円、厚生年金では年収900万円以上になると保険料負担割合が減少していきます。医療保険料は、サラリーマンも、低い所得水準から逆進的になっています。雇用者のうち3分の1が非正規雇用である今、この制度は多くの人にとっては厳しい制度といえるでしょう。 



*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************


民主、年金試算を公表=野田首相「粘り強く協議追求」
 ―自公、拒否崩さず

 (時事通信) - 2012年2月10日(金)16:03
 

 民主党は10日、政権交代前からマニフェスト(政権公約)で掲げてきた最低保障年金を導入した場合の財源試算を公表した。野田佳彦首相は同日夜の記者会見で「各党に説明する。これからも粘り強く与野党協議の可能性を追求したい」と述べ、今回の公表を消費増税に関する与野党協議につなげたい考えを示した。ただ、民主党は試算を「参考資料」と位置付けているため、公表を求めていた自民、公明両党は反発、協議拒否の方針を変えていない。

 民主党は同日、社会保障と税の一体改革調査会総会を衆院議員会館で開き、所属議員に試算を説明。この後、同調査会事務局長の長妻昭元厚生労働相が記者会見して発表した。

 試算は、月額7万円の最低保障年金制度を創設した場合、消費税率10%への引き上げとは別に、2075年度時点で最大7.1%分の増税が必要になるとの内容。党の作業チームが昨年3月、厚生労働省に依頼して作成した。「政策を検討・研究する際の参考資料」としている。長妻氏は「大胆な仮定を置いた試算だ」として、党の正式決定ではないことを強調。「一歩も譲れないというものではない」と、野党の意見に柔軟に対応する意向を示した。 

[時事通信社]  



*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************