JUNSKY blog 2015

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弁護士バッシング

2006-06-16 20:48:09 | 事件・事故
布引洋さんより『弁護士バッシング』というコメントを頂いたので
UPします。

 【20日に光市母子殺害事件の判決が有りますが、マスコミによる激しい弁護士バッシングは異様で醜いものでした。イラク人質バッシング共々世界の恥さらしです。

今回の弁護士達のマスコミ迎合姿勢には、光市事件の弁護士たたきが影響しているでしょう。
マスコミにあれ程媚を売った弁護士は日本の長い法曹界での歴史でも絶対、記録に残ります。超えてはならない線を越えています。

光市事件の弁護士叩きは、永山事件での19歳の死刑の壁を、18歳に下げようとする少年犯罪厳罰化を進める勢力の策動ですが、今回のくず弁護士はその副作用でしょう。
くず弁護士には政治的思惑は無さそうですが、確実にマスコミと警察には好都合です。
一度タブーが破られたら、二回目からは簡単に超えれます。

このコメントに触発され、私も一言書きました。

職責として弁護をしている弁護士を、マスメディアがバッシングするなど、あってはならないことです。 
被害者の親族がやりきれない思いを抱くのは致し方ありませんが。

前項のドラマ(弁護士のくず)でも高島礼子扮する先輩弁護士が、レイプ犯の弁護をして、被害者の父親に詰め寄られる場面がありました。

しかし、父親ではないマスメディアが、そのような感情的なやり方をしてはならないのです。
どんな凶悪犯でも、憲法を含む法体系で弁護を保障されていて、職能として又職責を果たすために弁護をしているのですから、弁護士をカタキ役にしてはいけません。
むしろ大変な事件を扱って「お疲れ様」とねぎらう態度が欲しいほどです。

布引洋さんのご指摘の事件でバッシングが行われた後、弁護士も萎縮してしまっているということでしょうか?
それは、憲法体系も揺るがす大事件ですよ。】

というわけで、今日は日本国憲法第34条と37条を掲載します。
**********************
第34条【抑留・拘禁の要件、不法拘禁に対する保障】
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第37条【刑事被告人の権利】
1 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
**********************


秋田小1児童殺害事件-19   【連載第1回目から読む】
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【弁護士のくず】

2006-06-16 00:10:36 | TVレビュー

 このテレビ番組 も、結構回を重ねています。
最初に断っておきますが、このドラマは法廷コメディで、面白おかしく描いているいう前提で、以下お読みください。

 同じ時間に【医龍】を放映しているので、私はどちらかというと、そっちを見ているのですが、今日は秋田の本物の『弁護士の屑』を見ていることもあり、【弁護士のくず】の方を見ました。

 そうそう、何を隠そう“原作”のマンガ(小学館ビッグコミックオリジナル)
井浦秀夫 著の方も毎回読んでます。オチャラケ風ですが、真を突いているストーリーなんで、何か魅力的なんです。

今日のストーリー
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 弁護するのは、傷害事件で逮捕された男。
彼はデート中に、3人組の男に取り囲まれ、言い掛かりを付けられたので、取り囲んだ3人組をボコボコにやっつけてしまった。 彼と彼女は「これは正当防衛だと思うので弁護して欲しい」 というものである。
 
 九頭弁護士の後輩である、伊藤英明扮する新米弁護士は、「大怪我させている上に本人は怪我もしていないんだから、正当防衛は難しいでしょう。クライアントは若い頃から暴力沙汰を起こしている輩だから、ちょっとはお灸をすえた方が好いですよ」と、九頭に言う。そして「傷害の犯行は認めた上で、情状で罪状を軽くしよう」と提案する。

 九頭弁護士は、「本人(クライアント)が『正当防衛』を主張しているのだから、そうすれば」と、いつものキャラクターで“投げやり気味”に言う。
 しかし、キャバクラ通いをしながら、お姉ちゃんたちやヤクザ崩れや女子大生などの情報源から、真実に迫って行くという“お決まりの”手法で、被告を無実に導いてゆく。

 九頭弁護士は、やっていても(真犯人でも)無実にするのが弁護士の腕と思っているらしい?!
 これに比べ、高島礼子扮する同じ事務所の先輩弁護士は、被告人が罪を犯しているのなら、正当な弁護によって、その罪に見合う償いの結果を裁判で得たい、という立場のようである。

 こういう諸先輩の中で、伊藤英明扮する新米弁護士が一つ一つ成長してゆく姿が主なテーマのようである。

 本日は、結局その3人組が、実は頻発するアベック襲撃・レイプ事件の共同正犯であることを九頭弁護士が暴いて、クライアントは無罪放免。めでたし・めでたしというハッピーエンドであった。
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 先週まで見ていた【7人の女弁護士】は、今日はなかったな。もう最終回が先週終わったのかな。
 秋田の被疑者も【7人の女弁護士】に弁護してもらえば展開は大きく異なっていたでしょうに。
 そんなことあり得ない! って?
今日は『TVレビュー』として書いていますので、そこの所はよろしく御願い致します。

 秋田の実際の弁護士は、凶悪犯を積極的に弁護して『無罪だ』『冤罪だ』と主張すれば、『弁護士としての社会的評価が地に落ちる』とでも思っているのでしょうか? だから、殺害は認めさせて、情状でやろうと考えているんですかね?
 被疑者に犯罪を認めさせる手腕が、腕のいい弁護士と社会に評価されるとでも思っているのでしょうか? そういう輩は警察官になりなさい。

 もっとも、世の中には弁護士の職制も考えずに、犯人とされる人を弁護すると、その弁護士のところに、嫌がらせ電話やFAXや、最悪の場合は言われなき暴力を振るう馬鹿も居ることは確かですが・・・

 弁護士が被疑者を弁護するという当然の仕事をしたら、罵倒されるという世の中の風潮は改めなければなりませんね。
 しかし、そういう風潮は一部の馬鹿な視聴者だけではなく、報道人(ジャーナリストとは言い難い)やコメンテイターの中にも一部あるので、如何ともしがたい。

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 今日のテーマは、「自分の思い込みで調べたり、推論したりしてはいけない」ということのようでした。高島礼子と伊藤英明がスナックで飲む場面があったのですが、そこで新米がつくづく自分の考え違いを語るのです。録画していないので詳しくは再現できませんが、被告人の言い分を真剣に聞き、調べなければならない、ということだったと思います。

 ドラマ最初の場面で、クライアントの前歴や傷害の程度を見て『正当防衛』は難しいから、罪は認めさせて情状で行こう、という新米の考え方は、つい先週どこかで実際にあった話と瓜二つです。
 もちろん、このドラマは、先日の弁護士による「罪状認知」(普通は法廷で『罪状認否』をするはずが、記者会見で認知してしまっている)の記者会見よりも前に収録されているだろうから、これをパロディにした訳ではないでしょうが、あまりにも時宜にかなっているので、苦笑ものでした。
 
 逆に考えると、世の中には被告人のために真剣に闘う「弁護士」は殆どおらず、罪を認めさせて、和解でお茶を濁したり、執行猶予や適当に減刑を“勝ち取って”良しとしている者が多いということを風刺しているのでしょうか?

 「マチベン」(江角マキ子主演)「7人の女弁護士」(釈由美子他主演)「弁護士のくず」(豊川悦司主演)の3本が一時並行して放映されていましたが、これらの弁護士は「真実を追究する」点で真面目なドラマでした。
 「トップ・キャスター」(天海祐希主演)も真摯な態度で報道に努めるジャーナリスト像を描いています。
 自局のドラマの中では、真摯な態度で取り組んでいるのに、現場やニュースショーの野次馬根性は、これと全くかけ離れており、救いようがありません。

取調べは難航 秋田幼児殺害事件

2006-06-15 09:47:32 | 事件・事故
きょうも 『朝ズバッ』を見ていたら、
「被疑者が証言を変えた」と言っている。

 そして、『被疑者が証言を二転三転させており、取調べは難航』と伝えた。
難航する原因を作り出したのは、他ならぬ【警察の捜査手法】そのものであることは棚上げにして・・・

 くだんの弁護士達が、再び記者会見し、被疑者との接見での話として、
「首を絞めたのは(水死した女児の)、部屋の前ではなく、玄関であったことを思い出した」 「仕草が(水死した娘と)似ていたので、たまらなくなって殺した」との要旨。

 そういう、決定的なことを、「被害者(の遺体)が、靴を履いていた」ことの矛盾を捜査員に突かれて、「思い出す」ことはなかろうと思う。

 また、亡くなった自分の子どもと「靴を脱ぐ仕草が似ていたから殺した」など、ちょっと話がおかしいのではないか?
 『部屋の前で殺害したのに、遺体が靴を履いていたのは矛盾がある』と言われて「玄関で殺した」と(警察の誘導のままに)訂正したすれば、「靴を脱ぐ仕草が似ていたので殺した」と言うのは、新たな矛盾であろう。

 弁護士も弁護士で、警察の都合のいいように被疑者が『証言を変えた』と、記者会見で述べるなど、警察の捜査方法の問題点や矛盾を突くのではなく、被疑者に不利になるように・不利になるように・ことを運んでいる。
 弁護戦術だと言う人もいるが、とてもそうは思えない。稚拙極まりないと思う。

 この、弁護士達は、警察の取調べや、決め付け捜査などの偏ったやり方を殆ど批判しない。記者会見での話しぶりも、法律家とはとても思えない『素人はだし』の表現方法である。(『素人はだし』という慣用句はありません。普通『玄人はだし』という使い方をします。)

 殺害に使ったヒモも、女児の(子ども用の)ヒモでは、絞められないのではないかという疑問が出たためか、今度は「仲居をしていた時の着物のヒモ」と勝手に訂正した。
 これまで垂れ流してきた情報が、ガセネタであったことを反省することすらなく。

 ここまで、捜査の矛盾が広がりを持ってくると、被疑者が弁護人に述べたとする『証言』も、本当なのか?という疑いを持たざるを得ない。

 昨日も書いた、『証拠らしき“事実”』の証拠能力が次々と崩れた上に、証言も『信頼性が無い』となると、ますます被疑者の『殺害の疑い』に“疑い”を持たざるを得ない。


 なお、これら疑問点については、以前TBしていただいた、
【どん底あるいは青い鳥。】 さんのブログ(6/14)で
詳細に論証されていますので、訪問してみてください。

 もう一度、日本国憲法第38条を掲げて、今回は終わりとします。
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日本国憲法
第38条【自己に不利益な供述、自白の証拠能力】
1 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

**************************

秋田小1児童殺害事件-18   【連載第1回目から読む】
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いまも続くネガティブ・キャンペーン

2006-06-14 23:01:56 | 事件・事故
【秋田児童殺害事件】17回
 6月14日の朝のニュースショーでも、引続きネガティブ・キャンペーンを繰り返していた。

曰く、
 殺害前に(殺害が規定の事実として据えられている)、ドリーム・ジャンボ宝くじ40枚を買いに行った。ご丁寧にも『連番20枚、バラ券20枚、計1万2千円』と内訳まで紹介。
その宝くじ売り場に取材には行ったらしく、インタビューしているが、
『その日は、その宝くじが売り出されて最初の大安吉日だったので、お客様が非常に多く、被疑者が来たかどうかはわからない。』
というお店の人の回答であった。

 もう一つは、すでに何回も出されている、被疑者の『弟とレンタルビデオ店でビデオをニヤニヤしながら選んでいた』というものである。
弟とビデオを借りに行ったら、話も弾むであろうし、笑ったりすることも当然ありうる。
それを、いかにも悪印象を与えようと『ニコニコして』ではなく『ニヤニヤして』と表現している。
同じ事実を表現しても言葉の選び方で、こうも印象が異なるのである。

 そして、これら二つの行動が、『殺害前の不可解な行動』と銘打って報道されている。何が不可解な行動であろうか?
 宝くじを買ったり、レンタルビデオを借りたりすることが『不可解な行動』ならば、世の中には不可解な行動をする人たちが、あふれていることになる。
これらは、全て殺害という『特殊行動』の前の『日常行動』であるから『不可解な行動』とでも言いたいようだ。
『殺害した』という前提に立って、全てを判断(決め付け)・あるいは解釈しようとしている。

 逆に見れば、ごく普通の日常生活を送っていた訳であり、殺害の動機も予兆も何も無い。
 これまで見てきたように『証拠らしき“事実”』にも決定的なものは無い。
これまでにリンクを御紹介した幾つものサイトで、DNA鑑定を含む“証拠”が崩れていることを紹介している。

 被害者の首を絞めたと言われるヒモも、女児の(子ども用の)ものであり、伸縮性があり、絞殺できるようなものではない、という報道もされている。
 被害者のものと“見られる”『尿と血痕』の話も、追跡された形跡は無く(DNAが一致、という報告さえない)、言わば警察側の『言いっ放し』である。

 これ以外の、さまざま報道されてきた『証拠らしき“事実”』も何ら証明されていない。完全に警察の垂れ流し情報に、マスコミが操作され、国民を扇動してきた罪は深い。
 (もし、証明されたものがあれば、是非御紹介頂きたい)

秋田小1児童殺害事件-17   【連載第1回目から読む】
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この事件に関して、いくつかコメントを頂いています。
一部を御紹介します。
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monica 様より
 子どもの事件があまりにも多い日本です。
この現象は他国と比べても異常さを感じる事件数であるのではないでしょうか?
人の心を最悪の究極事態に追いやる何かが日本には隠れているのではないか?
 学校教育は自由や個性を本物の自由や個性として教え導いているのだろうか?と思うことがあります。
日本と欧米の思考の狭間で人の心が居場所を失っているのではないかと思えることもあります。
自分が自分を認めていないから、相手も認められない。
自分が自分を認め個性として自分を出そうとすると、許されない、もしくはいじめの対象になる。
 日本の思考の素晴らしさを感じながらも、それは欧米では通用しない。
この思考のごちゃ混ぜが日本をおかしくしているのだろうか?と、。。。

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布引洋 様より
 13日午後の毎日テレビでニュースキャスター角純一氏が水死少女の生前の態度、表情が虐待を受けていた児童では考えられない(有り得ない)と発言しています。
 彼は被疑者自宅の強制捜査で一部メデアが警察の張った阻止線(立ち入り禁止のテープ)を越えて撮影していた事実を、不審に思っていると語っていました。
当時現場にいた警察官や、その他のマスコミ関係者からの抗議(疑問の声)は無かったそうです。
 『これは、おかしい』と角氏は語っていました。
一部マスコミと警察の関係がおかしい、変だ、『これは、おかしい』と言うマスコミ人がやっと出てきました。

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田原 様より
 もう昨日(13日)になりますが、草野仁さんの番組を付けていたら、彩香さんのことを近所のおじいさんの話などで「明るい元気な子であった」という風に何度も言っていました。
チャイナドレスを仕立てた洋裁店の女性も初めて顔まで出して彩香さんが喜んでいたことを話していました。
彩香さんに関してだけは少し流れが変わったかとホッとしました。
 あんなにニコニコ笑った可愛い写真ばかり残っているというのに「母に虐待されて淋しく死んでいった子」と無理やり決め付けてしまうのは、なんとも可哀想過ぎますから。

メディアスクラム検証 【東京新聞】(6/8)

2006-06-12 09:47:49 | 事件・事故
今朝(6/12・月)の『朝ズバッ!』でも、みのもんた氏が引き続き、被疑者が女児に対して冷酷であったと言う前提で、被疑者を罵倒していました。
先日(6/10)、同局のレポーターが、そういう「育児放棄やネグレクトの情報源は一箇所であった」というレポートを『サタ・ズバッ!』で証言したばっかりだと言うのに!

私が『朝ズバッ!』ばかりを取上げるのは、単にそれを見ているからに過ぎず、みのもんた氏に特別の怨恨があるわけではなく、ブロガーのみなさんがコメントされているように、他局でも同様・およびもっとひどい決め付けをしているキャスターは少なくないようです。

実は、この事件の報道がある前までは、高級官僚や社会保険庁の堕落腐敗問題、米軍基地問題等など、積極的に取上げ、庶民派のコメントを述べるので、結構見ていた番組だったわけです。
私の仲間内でも、よりましなニュースショー(古舘伊知郎などと比べて・・・)としての評価がありました。(政治的には民主党贔屓かなという感もありますが)
その流れで毎朝見ていた中での、この事件に対するコメントがあまりにひどいので取上げている次第です。
みのもんた氏だけが、ひどいキャスターであるという訳ではありません。

さて、以下、本日も引用で済みません。

日本を☆あっきーらめない~☆真実☆を探しています。
(日本を諦めない学生のBLOG。 ☆真実☆とは何か!? )さんからトラックバック頂いた記事は、東京新聞の引用を中心にしたものでしたが、内容の濃いものでした。
メディア・スクラムの問題点について、各種情報を駆使して論じています。

長い記事の、ごく一部だけをご紹介します。(全文および前後の記事は、【東京新聞】 の左記リンクより訪問して御覧ください)

【・・・ 記者たちは実家の正面に陣取った。カメラは玄関や窓に向けられ、カーテンが開くたびにテレビカメラのライトが照らされ、フラッシュが一斉にたかれた。常に監視されているイライラが沸点に達したのが、この怒声だった。(引用者注:被疑者をとんでもない女に見せるために、マスメディアによって意図的に何度も繰り返し放映された“怒声”の映像のこと)

 実家前に報道陣が集まり始めたのは豪憲君の遺体が発見された先月18日のこと。豪憲君が失跡した当日の17日夜から18日未明にかけ、**容疑者は秋田県警に事情を聴かれた。18日からは警察車両が張り付いた。こうした動きがきっかけだったようだ。

 二、三十人だった張り付きも五十人ほどに。中には24時間「ベタ張り」していた社もあった。警察車両が「被害者対策の一環」を名目に24時間待機した。しかし**容疑者の行動監視が目的だったようで、報道陣を過敏にした。

 24日、報道陣は百人を超え、過熱取材はピークに達した。現場を検証した地元紙・河北新報の記者はこう振り返る。

 「**容疑者が買い物に出掛けるという情報が流れたため、報道陣は一時、百人以上に膨れ上がった。報道陣の車が県道などに止められ、数えただけで92台あった」

 昼すぎ母親の運転する車で容疑者が実際に外出した。「十台以上のマスコミ車両が後を追い回した。その際、一部は信号無視もしたという」(同記者)からパパラッチ顔負けだった。

 オウム真理教(当時)による松本サリン事件で、加害者と疑われ、過熱報道の矢面に立たされた河野義行氏は、こう話す。

 「報道を見る限りでは(松本サリン事件)当時とよく似ている。逮捕されていない人が、逮捕されたかのような扱いで、推定無罪という考え方がどこかへ飛んでいってしまっている」

 さらに「なぜ、疑わしい人物の家の前に張り付くのか。ただ逮捕の瞬間の写真を撮りたいというだけだろう。それは報道として価値があるのだろうか」と疑問視、続けて「なぜ警察を批判しないのか。疑わしい人物が特定されたのは、警察が守秘義務違反を犯し、捜査情報を漏らしたからではないか」と指摘する。

 上智大学の田島泰彦教授(メディア法)も「捜査をチェックしたり、事件の背後に潜む社会的な病理を探ったり、ほかにやるべきことがあったのではないか」と同意見だ。】(東京新聞:6/8)

また、【日本を諦めない学生のBLOGさん】の記事が紹介している、地元報道機関 「秋田魁新報社」 の報道姿勢は、基本的には警察発表によっては居ますが、大手マスコミとはちょっとだけ違うように見えます。(「・・・に疑問がある」と書く程度ですが。)
上のリンクでは、この間の経過が4月10日の女児・行方不明から一覧で表示され、経時的に参照できるようになっています。

今日も自分の意見を述べず、ごめんなさい。
なお、【東京新聞】の引用そのままとはいえ、一時被疑者名を表示してしまいました。申し訳ありません。関係者の皆様にお詫びします。名前を『**』に入れ替えました。

秋田小1児童殺害事件-16   【連載第1回目から読む】
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頂いたコメントから

2006-06-11 23:33:43 | 事件・事故
今日は書けなかったので、コメント頂いた内容から注目した部分を抜粋します。
引用御了承ください。

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布引洋さまより
弁護士が検事をしています。恐ろしいことです。
昔から学者馬鹿などと言い専門家は常識に疎いものです。
・・・記者会見で益々冤罪の疑いが深まりました。
軍手をしていたとの事ですが、とっさに手袋をはめて絞殺する話は始めて聞きました。
・・・軍手の話は警察の作文の可能性が大きいでしょう。
*******************
鈍青さまより
弁護士が詳細を語ったのは、
http://www.asahi.com/national/update/0610/TKY200606090486.html
によれば「家族を守りたい」という畠山容疑者の強い意向だったようです。取り調べの中で家族に迷惑がかかるとか何とかと、かなり責められたのではないでしょうか。家族に関する理由で偽りの自白に至る人は多いのです。
それにしても彼女はそのように親や家族のことを十分に思いやれる人物であり、マスコミ相手にキレたのも「近所の迷惑になるから(この部分を流したメディアは非常に少ないですが)」と、人格的にも特に問題はない人のように思われます。
*******************
田原さまより
まだお互いに十分な信頼関係が築かれたかどうかもわからないだろうに、犯行の動機だの、実行した内容だの、本人が事実を忠実にしゃべっているかどうか、もっと慎重に確かめるべきではなかったかということ。そして、例え本人がその内容を世間に公表したいと言い出したとしても、本当にそうしても良いのかどうか、よくよく考えさせてからというのが弁護士としては普通じゃないかと言う気がしたからです。
しかし、まさか家族への取材をしないことと引きかえだったとは・・・
asahi.com より
http://www.asahi.com/national/update/0610/TKY200606090486.html
鈴香さんがいかに冷酷でひどい母親であったかということを近所の人たちの証言を交えて伝えていました・・・
奇妙なのは、その一方で、背景に流される彩香さんの何枚ものスナップ写真やビデオが、その証言にはあまりにそぐわないものだったことです。どれもみな、頬がふっくらしてニコニコと笑った元気いっぱいの女の子が写っていました。母の鈴香さんと一緒に写っているものもありましたが、その時も彼女はうれしそうでした。どう見ても母親に虐待されれ淋しい思いをしていた子供には見えないのですが・・・
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hosi さまより
こんにちは、まじめに取り上げていらっしゃるブログとして、興味深く読ませていただいています。
最近の重大事件では、「え、ここまで?」という弁護人の話が出るようなパターンが、目につきます。
・・・週刊誌に、警察がリークしたかどうかは別にして、「弁護人に捜査中の刑事が接触したりするんだ」と、感じました。
・・・「リーク情報」「メディアスクラム」で犯人のイメージをつくり、「弁護士の会見」で、とどめとなる。
*******************
monica さまより
何が本当で、何が嘘なのか?今の段階で一番大切なことはここを知ること。
マスコミの力は強大で、事件を戦時中のプロパガンダのごとく我々に伝えてしまう危険性もある。
(中略;英国の中学校でのメディア教育の御紹介)
この事件は見方を変えると全く一致しないおかしなところがあります。
誰もがニュースから何気なく感じるしっくりとこないこの感覚、、、そして、私はこのページに来るとそれが解決できる。
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匿名さまより
現在、容疑者は、男児殺害の自供はしているものの、あくまで被疑者であって、犯人と確定はしていません。
マスコミ(特にTV)については、一部極端に容疑者を悪く扱う司会者がいるということを、私も認識していますが、だからといって、マスコミすべてを批判はしません。
また、今回の事件が冤罪の疑いがあると思っているか、といったら、私は、そこまでは思っていません。
現時点では、容疑者の供述が、論理性を持った説明であるか、が問題である時期だと思っています。
*******************
以上、引用させていただきました。
なお、おかげさまで、gooアクセスランキングで、9日・10日と900位台となり、アクセス数も両日とも千を超しました。
ありがとうございました。

秋田小1児童殺害事件-15   【連載第1回目から読む】
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ネガティブ・キャンペーン

2006-06-10 07:44:27 | 事件・事故
この件は前回で、ひとたび完結した予定でしたが、今朝の『サタ・ズバッ』で現場レポーターが、注目すべき発言をしていたので、ご紹介します。

その男性レポーターの報告では、
【被疑者の性格について、さまざまなネガティブな面が流されているが、逮捕されたという状況で、いい面・悪い面の内、悪い面ばかりがどっと報道されている。
そのネガティブな情報も、私たちの取材で情報元を手繰ってゆくと、一ヶ所からの情報に行き着く ことがわかった。
それが、口伝てで複数の口から語られ「とんでもない女」というステレオタイプに造り上げる。
住民も「とんでもない女」がしでかした事件ということで、“安心感”を得たいという潜在意識があると思う。
普通の女性が犯した事件ということになれば地域の不安がもっと大きくなるからではないか。】

と、要旨このようなレポートを行っていました。
この男性レポーターは、その女性が容疑者であるとの予断を持たずに取材を続けていたようです。
なお、録画していた訳ではありませんので、上記レポートは意訳のようなもので、一字一句正確に捉えている訳ではありません。

要するに、ネガティブ・キャンペーンは『特定の意図を持つ所からの情報を元に、報道機関が検証することなく、垂れ流して行われたものである』ことが証言された訳です。

みのもんた氏は、「苦虫を噛み潰した」という表現がぴったりの表情で、このレポーターの報告を聞いていました。 そして、一言だけ、そういう報道傾向になることを弁明(と、言うより実態を追認?)していました。

***********************
朝のニュースショーとは関係ありませんが、
昨日の弁護士の記者会見について。

 普通、弁護士は被疑者が真犯人だったとしても、無罪を目指して奮闘する職業であるのでしょうが、昨日の弁護士の記者会見では、被疑者が犯行を認めたことを報告し、犯行の様子を詳しく説明していました。

 被疑者は、公判での検察側からのいかなる変化球にも対応できるよう、弁護士には自己に不利になる情報でも、包み隠さず話すべきであるということが常識であり、最近のTVでの弁護士ドラマでも、紹介されています。

 ところが、昨日の記者会見では、弁護士だから話したかも知れない(本当に話したのかどうかは解りませんが)『被疑者にとって極めて不利な情報』を事細かく、殺害に至る心境の変化や、殺害の具体的方法まで詳細に紹介しています。
 弁護士には、弁護するために入手した被疑者に関する情報を、公判廷で使用する場合以外には(被疑者を守るため不利な情報は秘匿するという選択肢もあります)公開しないという常識(いわば守秘義務)があるはずです。

 今回の弁護人の対応は、弁護士の守秘義務違反にはあたらないのでしょうか?
少なくとも、『推定無罪』の考えや『冤罪』という発想は無いように見えます。

 なお、この弁護士たちは、冤罪などに力を入れている、『専門の』弁護士ではなく、秋田弁護士会の『普通の』弁護士だということです。

 昨日の、リンク記事をお読み頂いた方は、お解かりでしょうが、『冤罪』事件では、全くやっていない犯行も、最終的には、『進んで自供した』という状況と体裁が整えられるのです。

引続き、注目したいと思います。

秋田小1児童殺害事件-14   【連載第1回目から読む】
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秋田・児童殺害事件で弁護人が会見

2006-06-09 19:47:56 | 事件・事故
秋田・豪憲君殺害 畠山容疑者「娘がいない 切ない」 (河北新報) - goo ニュース

【水死女児の母、逮捕】で始まったこの事件。(週刊誌では、その前から人権無視の張り付きと犯人扱い)

ようやく、弁護人についての消息が出ました。

これまで、まったく弁護人の影がなかったので、密室での取調べで精神的にも相当まいっている事と思われます。

弁護人が語った内容が、本当に本人が語った心境であるとすれば、やるせないとしか言いようがありません。

一つ前のブログでご紹介した
【どん底あるいは青い鳥】さんは、
この弁護士「会見内容」についても、その不自然な点を詳しく突っ込んでおられます。
【プロット・秋田小1殺害】
粘り強い追究に敬意を表します。
上のリンクをクリックして、是非お読みください。

 これを読むと、こういう事態に追い込まれると、被疑者自身も『嘘の上塗り』をし始めるそうで、全くしてもいない犯行を『捜査官が作り上げ、取調べでこれまで何度も聞かされた“ストーリー”通り』いかにも自ら犯したようにしゃべってしまう、そうです。 なんと恐ろしい。

 そして、そういう取調べ手法は、これまで何度も繰り返された「冤罪事件」を生んできた温床になっているようです。

 そう言えば、つい先日『代用監獄』を事実上公認するような『法改正』が行なわれましたが、冤罪製造装置をもう一段、機能UPしたようです。
そのうえ『共謀罪』ですからね。
大変な世の中になってきました。

真犯人であるかどうかは、ともかくとして、この事件での人権無視の取材と警察情報垂れ流しの「決め付け報道」、被疑者をこれでもかこれでもかと貶める過去に及ぶ取材と、その個人の人権に関わる情報の公表など、マスコミが犯した罪は免罪される訳ではありません。

今後の展開を見守ることに致します。

多くの皆様の訪問と激励、コメントとTBに改めて感謝致します。
  
秋田小1児童殺害事件-13   【連載第1回目から読む】
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追伸:
この間【goo RSSリーダー】という自動検索機能を使っていましたが、
【秋田・小1児童殺害事件】【秋田・小1】等のキーワードでは、全くHITしないという状況でした(今も)。 
私が何本も書いているのですから、『0』のはずがありません。
おそらく、警察かどこかから【goo】に、このキーワードでは検索できないように設定するよう指導があったんでしょうね。
一方で【水死女児の母】をキーワードとすると、私のブログも含めて数十件HITしました。
警察?も、片手落ちですね。

多くの方からコメントやTBが届きました。

2006-06-09 10:39:31 | 事件・事故
【秋田小1児童殺害事件】に関する私の記事に、多くの方から賛同のコメントやトラックバックが送られてくるようになりました。
中には、こういう観点で書いているサイトを長らく探し回って、他のブログからたどり着かれた方も何人もおられました。

そういう中で、相互の紹介やコメント・TBが進み、この問題で、警察とマスコミに疑問を持つ意見が広がり始めています
私はアクセス数を争っている訳ではありませんが、昨日のアクセス数は述べ(複数の記事を読まれた方もカウントすると)千に近づき、ランキング1000に初めて登場しました(とは言っても611位ですが)。 一定の広がりを実感します。

潜在的な気持ちを、少数派ではあっても心ある幾つかのブログによって、表出して頂くことができたと言う事であれば、私も書いてきた甲斐があります。

今後ともよろしく御願い致します。
廻りの方にも御紹介・転送・リンクしていただければ幸いです。
引用もどんどんしていただいて結構です。

なお、私の記事への反批判や悪罵や嫌がらせ投稿は、皆無であることを皆さんにお知らせ致します。

改めまして、コメント・TBありがとうございます。
『自供した』と警察が発表しましたが、今後も書き続けます。

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とりあえずガスパーチョ さんより

【スクープ突進主義を改めよ】
という、TB頂きましたので、ご紹介します。
上のタイトルをクリックしてください。

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どん底あるいは青い鳥 さんより

【冤罪一直線】

という、TB頂きましたので、ご紹介します。
上のタイトルをクリックしてください。

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田原さんから長いコメントを頂いたので、その一部を御紹介します。

そもそも、マスコミ全体が、すぐに彼女が犯人であると決めつけ始めたらしい、その根拠は一体、何だったのか?そして、どうしてあそこまで節操の無い報道を続けるのか?その理由がわからない限り「本当に彼女が犯人なのか?」と却って疑問を抱いてしまうのです。

そして逮捕された今も、TVの報道番組では昔からの知人だという人を(顔は映さずにですが)次々に登場させては彼女の過去に溯って、性格的にもかなり問題があったかのように証言させ、バッシングを続けているのはなぜなのだろうと思うのです。(近い将来、陪審制も始まることを考えれば、犯罪行為と直接関わりのないことで容疑者に対する予見を世間に流布させることなどはマスコミとしては厳に慎むべきでしょうに)

その一方で同じ時に国会で大変な議論を巻き起こしていた共謀罪のことは渋々のようにおざなりにしか報道しませんでした。

この国のマスコミは一体何をやっているのか?もはや、その意図に疑念を持たれてもいたしかたないでしょう。

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monica さんからコメントを頂いたので、その一部を御紹介します。

任意同行された日、誰かに迎えに来てと電話したが迎えに来てもらえなかった。秋田弁護士会にあてた手紙も弁護士に手渡されていない。日付は6月4日でもこの手紙はいつご家族に手渡されたのだろう?

マスコミが今までに書いてきた酷い内容に対して、私は全て反論できますよ。家庭状況が違えばその中からのベストは各ご家庭で違ってきます。貧しい生活の中で、それが彼女に出来るベストだったかもしれないのです。精神的にも苦しい生活の中で彼女に出来るベストだったのかもしれないのです。だから、お子さんはお母さんが好きでした。何不自由の無い自分達の生活に基準を合わせての評価を軽々しくするものではありません。

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秋田小1児童殺害事件-12   【連載第1回目から読む】
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孤立無援の取調べで“自供”に追い込む

2006-06-08 19:54:08 | 事件・事故
「秋田小1児童殺害事件」の報道
そろそろネタ切れだった。

今朝の『朝ズバッ』では、警察あがりのコメンテイターが、昨日と全く同じコメント(今こそ、地どり捜査が重要)をすると言う「ていた落」であった。
それでも、みのもんた氏の人権無視の悪罵はエスカレート。昨日は「天罰が下る」と言っていたが、今日は既に紹介した「母親失格」など言い尽くした悪罵を繰り返し、犯人と断定した発言を繰り返していた。
この人は、『ズバッと解りやすく』話すことと、“安易に”犯人扱いすることを混同している。

村上ファンドやシンドラー・エレベーターやシャッター下敷き事故など、度重なる事件・事故もあってか、「秋田小1殺害事件」の報道時間も短くなっている。
これら事件の多発も一因でもあるが、もう一方では“証拠らしき『事実』”のネタも尽きて、警察も進退窮まったというところであろう。

これまでマスコミにリークしてきた『確証にならない(証拠能力のない)』“証拠らしき『事実』”では、起訴や公判維持が難しいとあって、被疑者の“自白”が是が非でも必要となった。
もっと早く“自白”に追い込めると考えていた警察は、被疑者が『殺人容疑』を認めず、また決定的証拠が見つからない事態に、焦り・不安が頂点に達し、何が何でも自白を取るという手段に出たのであろう。

眠らせない、弁護士をつけさせない、被疑者の抗弁を無視する、脅迫的誘導をするなどなど、手を換え品を替え汚い手を使って迫ったであろう。

とうとう、本日夕刻(2006/6/8,18:00頃)「自供した」とマスコミに発表した。
マスコミは、どのような取調べが行なわれたか、質問する事無く、『自白』情報を鬼の首を取ったように報道を始めている。

私は、引き続き『孤立無援の』被疑者の立場で見てゆきたいと思う。

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日本国憲法
第38条【自己に不利益な供述、自白の証拠能力】
1 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
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「秋田小1児童殺害事件」-11   【連載第1回目から読む】
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「いいげるブログ」さんよりTB

2006-06-08 01:59:51 | 事件・事故
【秋田小1殺害事件】に関して、「いいげるブログ」さんより、トラックバック頂いたので、訪問させていただきましたところ、私の観点と近い方向で記事を書いておられ、【松本サリン事件】をはじめ周辺情報リンクも充実していました。

下記リンクより是非御訪問して見てください。

「いいげるブログ」
http://igelblog.blog15.fc2.com/blog-entry-374.html

今回は、短く これだけです。

新聞倫理綱領

2006-06-07 14:53:36 | 事件・事故
「新聞倫理綱領」 は、公正さと人権尊重を宣言している。

しかし、「秋田小1殺害事件」の報道姿勢は、これら倫理綱領の項目を、幾つも侵している。
私が、倫理綱領の精神を侵害していると考えるところを、赤文字にする。

なお、逐条ごとのコメントは差し控える。

新聞倫理綱領
                                      2000(平成12)年6月21日制定


 21世紀を迎え、日本新聞協会の加盟社はあらためて新聞の使命を認識し、豊かで平和な未来のために力を尽くすことを誓い、新しい倫理綱領を定める。


 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。

 おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。
新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすこと
である。
 編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするため、また読者との信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない

 【自由と責任】
 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。


 【正確と公正】
 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。

 【独立と寛容】
 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する

 【人権の尊重】
 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。

 【品格と節度】
 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。

今度は『尿と血痕』 (秋田小1児童殺害事件)

2006-06-07 12:40:06 | 事件・事故
この事件(水死女児の母、逮捕)で警察は、逮捕した“容疑者”を何が何でも『真犯人』と世の中に認識させるため、手を替え品を替え次々と“証拠らしき『事実』”をマスコミにリークする。

昨日は、『朝ズバッ』で殺害をほのめかす供述を始めたということを、みのもんた氏が断定的に言ったが、同局のレポーターは、「そういう公式発表は一切無く一部報道期間(朝日新聞)の先走り」とみのもんた発言を否定した。
おそらく、朝日新聞の“スクープ”だったのであろう。

それが、今日は各局が、この内容を『事実』であるかのように報道を始めた。
何度も言うが、これらは警察発表の受け売りにすぎない。

一日目の任意でさえ16時間缶詰状態だったことを考えれば、逮捕後は睡眠時間さえ充分に与えず、精神的に疲労困憊させて、捜査官の発言に「うなずかせる」という常套手段をおこなっているものと考えられる。【連載第1回目参照】

女性が「横にならせて欲しい」「休ませて欲しい」というのは当然のことなのに、マスコミは、それが女性の横柄さであるかのように、視聴者に印象付ける報道を行なっている。
弁護士がついたという話は全く聞こえてこない
密室状態で、誰にも相談できず、究極の精神状態に追い遣られているという状況をどの報道機関も言わない
そういう状況でも、さすがに殺害については、うなずいていないようである。

過去の多くの冤罪事件が、このようにしてでっち上げられてきた。
マスコミが総懺悔した【松本サリン事件】も同様である。

今日の報道では、
【尿と鼻血とみられる血痕】
が、新しい“証拠らしき『事実』”として出されている。

それも
被害男児のものとみられる尿の痕
同じく
被害男児のものとみられる鼻血とみられる血痕

と、言って、被害男児のものと断定はできていないものである。
娘と男児が仲良しであったことを考えれば、容疑者宅にそういう【痕】があっても不思議では無いし、被害男児のものと断定はできないとなれば、女児(水死)のものかも知れない。

とにかく、確証となるものを見つけ出せないので、“証拠らしき『事実』”を次々とマスコミに流して、マスコミがその誘導に乗って、『事実』として報道することで世論を操作しようとしているのである。

これまで、毎日のように流される、それら“証拠らしき『事実』”の羅列は、逆に言うと何ら確証のある「事実」を見出せていないことの証左である。

加えて言えば、昨日の『朝ズバッ』で現地から比較的冷静なレポートを行ない、みのもんた氏の発言を否定したレポーターが、今日は苦渋の顔をしながら警察発表のまま「殺害をほのめかした」と伝えた。
おそらく編集局か局の上部から圧力がかかったものと思われる。

マスコミの報道姿勢が問われている。

秋田小1児童殺害事件-10   【連載第1回目から読む】

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ある方からTBで、新聞記者は「自分の思い込みあった情報だけ記事にする」という、下記サイトを御紹介いただきました。
新聞記者はえらい、という話
  

今日の朝日新聞はひどい (2006/6/6秋田小1児童殺害)

2006-06-06 14:14:22 | 事件・事故
秋田小1児童殺害事件に対する朝日新聞批判

下記、投書を朝日新聞にメールしました。
メールは文字フォントは一様ですが、このブログでは着色します。
内容は、先の記事と一部重複します。

************************
朝日新聞編集長  殿
および
「社説」執筆者  殿

以下の本日付社説及び一面記事は、容疑者を犯人と断定する記述であり、
【松本サリン事件】 の教訓(総反省)を全く活かしていないし
憲法・刑法の精神にも反するものである。

『推定無罪』『疑わしきは被告人の利益に』『疑わしきは罰せず』の理念に真っ向から反し、
朝日新聞という『公器』によって容疑者を断罪するものである。

以下、朝日社説をそのまま引用し、私の意見を【】内にて記す。

***********社説引用及びコメント開始************
秋田小1殺害 悲劇の母がなぜ犯罪に (見出し)
【見出しから犯人と断定している。犯罪を犯したことを前提に、そこに至る理由を「なぜ」と問う表現である。】

 世界自然遺産の白神山地から流れる秋田県の藤琴川で、今年4月、小学4年の女児が水死した。1カ月余り後、下流の米代川の岸で、小学1年の男児が殺されて遺体で見つかった。

 同じ団地に住み、同じ小学校に通う子どもを相次いで襲った悲劇である。子どもを狙った連続犯行かと、地域の住民が恐怖にかられたのも無理はない。

 ところが、水死した女児の母親が、男児の遺体を捨てた疑いで逮捕された。わが子を失うという悲劇に遭った母親が、ほかの子への犯行にかかわっていたというのである。事件の様相は一変した。

 しかも、この母親は被害者の自宅の2軒隣に住み、男児の家族とは顔見知りだった。なんということだろうか。
【「なんということだろうか。」という表現は、執筆者が犯人と断定していると理解せざるを得ない】

 男児の父親は「言葉にできないほどの深い悲しみと、容疑者に対する怒り、憎しみがこみ上げてきます」と述べた。私たちも言葉を失ってしまう。

 逮捕された母親は、男児の遺体を捨てたことは大筋で認めているが、殺人については否定しているという。しかし、男児は自宅の近くで連れ去られ、殺された。遺体を捨てたが、殺していないという供述はどういうことなのか。不自然だと言わざるをえない。
【警察発表を何ら自ら検証する事無く引用しているに過ぎない。朝日新聞として証拠を持っているなら公開すべきである。捜査上の機密だと主張するなら、上記の様な断定した記述はするべきではない】

 秋田県警は殺害容疑についても、母親を追及する方針だ。何が起きたのか。事件の全容を解明してもらいたい。

 男児が通っていた小学校では、集団で登下校するよう指導し、子どもが1人になる場所では保護者が迎えにくるよう呼びかけていた。毎月1回、防犯ブザーのチェックも指導していた。見知らぬ人間による犯行から子どもを守るためだ。

 しかし、今回のように近所の母親が事件にからんでいたとすれば、犯行は防げない。それだけに、この事件の衝撃は計り知れない。

 それにしても、不可解なのは犯行の動機である。
【ここでも、その女性が犯行を犯したという決め付けの上で動機を問うている。】
 この母親は水死した女児と2人暮らしだった。女児の水死について、警察は川に転落した場所を特定し、司法解剖したうえで、事故の可能性が高いと説明した。しかし、母親は納得せず、だれかに突き落とされたりした事件だと主張し、捜査を続けるよう求めていた。

 一人娘が事故死したという警察の判断をどうしても受け入れ難かったのだろうか。1カ月近くたってからも、目撃情報を求めるビラを近所で配った。
【親として当然の行動を如何にも怪しい行動のように印象付けている】
 男児が行方不明になった後、捜索のために集まった人の輪に入り、「だから事件だと言ったのよ」と叫んだ。
【これも当然の警察の捜査怠慢に対する怒りの声である】
 しかし、わが子は殺されたのだといくら思い詰めたとしても、ほかの子への犯行に手を染めることには、すぐにはつながるまい。わが子を失った悲しみが、なぜ、今回の犯行に向かったのか。娘は事故死であってほしくないとこだわったのは、どんな理由からなのか。
【ここでも、重ねて犯人と断定した上で「わが子を失った悲しみが、なぜ、今回の犯行に向かったのか。」と動機を問うている。何度も同じ問いを繰り返すことで、読者が『その女性が犯人に間違いない』とおもわせるような誘導している】

 心の深層を探り、犯行に至る道筋を解きほぐす。この事件では、そうした動機の解明がきわめて重要である。
【この社説は同じ事を少しだけ表現を変えて何度も繰り返し、読者に偏見を植え付ける『ヒトラーばりのやり方』である。「心の深層を探り、犯行に至る道筋を解きほぐす。」という表現は、言い方こそ違え、社説で3回繰り返されている、犯人と断定した上での動機への問いでしかない。】
************社説引用及びコメント終わり************

 以下、私の意見
【 このような人権にも倫理にも反する社説を、「読者の求めている情報の提供だ」と万が一にも思っているなら大間違いである。
あなたがたのやっていることは世論の誘導であり、ある意味では扇動である。

仮にも当該の女性が真犯人であったとしても、警察発表を鵜呑みにした現状の『決めつけ報道』 は許されるものではない。
先にも書いたが、朝日新聞がその女性を真犯人と確信するに当る重要な情報を持っているなら公開すべきである。
それもないのに、断定報道することは許されない。

もし、別に真犯人がいればどうするのか?
あなたがたは、真犯人の逃亡に間接的に手を貸したことになる。

続いて本日付一面記事
特に『警察犬のくだり』 と 『首を絞めた』 との報道について


『警察犬が容疑者宅へ行ったこと』について、現場に密着している民放のレポーターの説明では、
容疑者の娘(水死)と被害者が仲の良い友達であったことを考えれば、当然であること(容疑者が被害者を自宅に連れ込んだという『犯罪の証明』にはならないこと)。

『首を絞め殺意をほのめかしたこと』については、同レポーターは、 「公式発表は一切無く、一部報道機関(すなわち朝日新聞)の先走りである」 とするコメントを行なっていた。
この点での朝日新聞記事をもう一度よく読んだが、情報源があいまいである。もし、捜査員の“ひとり言”をスクープしたつもりならば、それこそ警察の情報操作に乗ってしまったものであり軽率の謗りを免かれない。

思い込み記事の最たるものが、本日の一面記事である。

DNA鑑定の問題については、昨日も投書したので詳しくは繰り返さないが、弁護側も含む公正な検査機関の鑑定結果と比較する事無く、警察発表を追認するのはジャーナリストの生き様ではない。チンパンジーでも同じDNA配列が9割以上ということであり、検査部位によってはチンパンジーでも犯人になり、人類全てが容疑者である。しかし、警察会見においてそのような追究をした記者は皆無のようである。


あなた方は、ジャーナリスト精神を取り戻さなければならないのではないか!? 】

以上

秋田小1児童殺害事件-9
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今度は警察犬!【秋田小1児童殺害事件】

2006-06-06 12:03:36 | 事件・事故
昨日から引続き【水死女児の母逮捕】についての決め付け報道への反論。

 TVや新聞を見ていると、これだけを、疑う事無く見ていれば、容疑者を『凶悪な犯人だ』と思う視聴者・読者も少なくないであろうと思う。
 完全な、誘導(あるいは“扇動”と言っても過言ではない)報道である。

 今朝の『朝ズバッ』では、『警察犬が被害者宅から容疑者宅に何度も行った』と言う情報を『証拠』扱いして、みのもんた氏は性懲りも無く、容疑者を犯人と断定して話を進めていた。

 さらに、容疑者が『首を絞めた』という殺意をほのめかす供述をしているかのようなニュース(朝日新聞など)を、さも正規の情報であるかのように伝えた。

 又、容疑者の性格の『二面性』なるものを、昨日に引続き同じ映像を繰り返し使って、視聴者をミスリードするべく(まさに意図的に映像を使って)、解説していた。  しかし、このような容疑者の対応(激昂)は、何日も家を取り囲まれて、買い物にも行けない様な日常生活阻害や、家の中まで撮影しようとしたりされる状況に陥れば、致し方ないことであろうと私は思う。

 (あなたがそんなことをされたら怒るでしょう、みのもんたさん!)

 それを意図的に切り取って『二面性』を強調し、視聴者に容疑者を『二重人格』と誤認させるような報道は常軌を逸していると言わなければならない。

 この、みのもんた氏のヒステリックなやり方に比べ、同局の現場に密着しているレポーターの説明は、一定の冷静さを保っていた。

『警察犬が容疑者宅へ行ったこと』については、容疑者の娘(水死)と被害者が仲の良い友達であったことを考えれば、当然であること(容疑者が被害者を自宅に連れ込んだという『犯罪の証明』にはならないこと)。

『首を絞め殺意をほのめかしたこと』については、公式発表は一切無く、一部報道機関の先走りであるとするコメントを行なっていた。

 また、周辺住民の容疑者への反応についても、映像で流されるものはネガティブなものが多いが、レポーターは「受け止め方によって様々な反応があり、容疑者に良い印象を持つ住民や、理解を示す住民も少なからず居る」ことを伝えていた。

 他局も含めて、概して現場で密着取材しているレポーターは、事態の推移を冷静に捉えているのに対して、又聞きのスタジオキャスター(みのもんた氏など)や編集者が、ヒステリックに視聴者を扇動している傾向が見られる。

 レポーター達が、事態の推移を正確に捉えようと情報収集や取材に努力している姿勢には、少しほっとした感がある。

 NHKは、キャスターが扇動するほどではないが、警察発表べったりで、事実上犯人扱いの表現を行なっている。

 今日の「赤旗」15面では、容疑者名は匿名ながら、DNA鑑定などの証拠で事実上犯罪が裏付けられたような取り扱いがなされており、『赤旗よお前もか?!』という感想である。 私が昨日書いたような疑いの視点に欠けている。

 何回も述べるが、報道機関は【松本サリン事件】の教訓を何と心得ているのか?
 有罪になるまでは、犯人とは言えないのである。

憲法も刑法もないがしろにしている報道機関の姿勢を強く批判するものである。

秋田小1児童殺害事件-8
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