じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

大阪桐蔭 大阪学芸 最終節展望

2018-10-08 18:51:22 | 高校サッカー

✳守備

大阪桐蔭:最後までしつこくボールを追いかけてくる相手に対する自陣深くでの対応が甘く見えた場面が数度あったのは気になりましたが、前節同様、最終ラインとGKとの連携良く、中盤や前線も足元の攻防等しっかりと戦えてました。そしてこの日は足元の攻防だけでなく、前節以上に各選手の体を張ったディフェンスが目につきました。GK1の決定的なピンチでのファインセーブは単に体を張っていただけでなく、落ち着き、クレバーさも感じました。

大阪学芸:後半の2失点の内2失点目は、自陣左サイドの攻防で相手にしっかりと寄せる事ができていて見えたため、クロスを上げてこられないとの思いがゴール前にいた選手たちにあった風に見え、そこの寄せがやや甘くなって見えたことが、手痛い2失点目につながったように見えました。ですが先制点も含め基本的には相手を誉めるべき2失点だったかと思われます。よく守れていたと思います

 

 

✳攻撃

大阪桐蔭:後半7分頃の先制点はボランチ5が空いたシュートスペースを逃さず振り抜いたミドルシュートが、その精度と決断力がまず光りましたし、それを最後は右MF7の選手だったように思うのですが、それまで前節も含めてそうしたゴール前でのこぼれ球への反応が各選手遅れていた中、ようやくそうした場面で瞬時に反応することができ、それまでの積み重ねによって最後はもたらされた先制ゴールに見えました。20分頃の貴重な追加点はまず、右SB4番だったように見えたのですが右サイド相手にしっかり詰められていた中、よく競り勝って精度の高いグランダーのクロスを上げたと思いますし、最後決めたと思われるFW16もよく詰めていたと思います。これもまた、先制ゴール同様、ゴールを決めた選手のゴールに対する嗅覚、集中力等といったものを感じたゴールでした。GK1の女子選手とは思えぬキック力も印象的でした。

大阪学芸:前の9、10、11はこの日も強さを発揮、その上シュートに対する決断力も早く高く、相手に怖さを与える攻撃が出来ていたように思います。無得点に終わった要因は、決定的な場面を相手GKのファインセーブに阻まれたりと、不運な側面もあったように思います。

 

 

✳大阪桐蔭

束としての力、がついてきてみえ、かなり良いサッカーをしながら敗れた前節の印象は本物だったということかと、この日の結果から思われます。前節敗れながらスタメン、ポジション全くいらわなかったということは、前節の戦いに手応えを感じていたということかと思われます。まだまだ予断を許さぬ状況ですが、次のステージに向け大きな一勝になったように思います。この世代は一年生から半分近くの選手がレギュラーで出ていた世代。同校史上最強世代と言っても良いくらいの世代でありながら2年続けてインターハイ出場を逃してましたが、下級生の強い選手も絡めて、ようやくその力が結果として発揮されつつあるように感じられます。

 

✳大阪学芸

強い前線の9、10、11がまだ大勢決していない内から下げなければいけない展開は、今後は避けないといけないかも知れないかもと思いながら前節見てましたが、後半途中で10を下げる展開になったことは、勝敗に影響あったかも知れません。とはいえ、まるで女子仰星、であるかのごとく攻守に強く激しく、そしてしつこく攻守に最後まで食らいつき、目で見て感じる強さは十分なだけに、最終節の強敵大商学園相手に勝利し、不利な状況から2年連続、この夏のインターハイも含めると3季連続の全国へ向け前進を遂げる可能性は、厳しい状況ではありますが、まだ残されているかと思われます。

 

 

学芸と大商が勝てば最終節を待たずして大勢が決するとこでしたが、第2節を終えて優位になったのは学芸と大商、ではなく大阪桐蔭と大商。それだけ特にこれら三校に大きな差はなく、それがために1試合毎に優劣が目まぐるしく変わる可能性が証明されたかと思われます。

最終節の1試合目は学芸ー大商、一点勝負のロースコアの展開が予想されるかと思われます。前線にパワースピードテクニック兼ね備えた強い選手を揃える学芸に対し、大商が大阪桐蔭戦ではゴール前での競り合いにやや不安を感じさせただけに、大阪桐蔭戦のようにどんどんシュートを放っていく姿勢を見せ、ゴール前でのパワー勝負に持ち込めれば、ゴールネットをこじ開ける可能性も十分あるかと思われます。シュートに対して求められることは大商も同じで、そうしないとなかなかゴールネットを揺らすことは出来ないかと思われます。ここまで2連勝、得失点差も稼いでいる大商が最も優位である状況は言うまでもなく、最悪敗れても大敗の可能性は低いかと思われ、近畿大会進出の可能性は高いかと思われます。一方学芸は勝って次に試合する大阪桐蔭にプレッシャーをかけたいところですが、それには大差勝ちも求められるかと思われ、大商相手にそれが出来るかと言われれば、厳しいかと思われます。

上記試合の結果を受けて行われる今大会最終戦となる追手門ー大阪桐蔭、大阪桐蔭が優位とは思いますが、追手門はカウンターに鋭さがあり、大阪桐蔭が初戦大商にその一発でやられているだけに、予断は許さないかと思われます。大商が勝てば近畿大会進出の可能性が残る追手門学院ですが得失点差でも不利な状況であることから、その状況になったときには無茶は承知で前へ前へと攻めにかかるかも知れません。大阪桐蔭としては大商が勝てばやりやすい状況に、それ以外の結果だと追手門は大阪桐蔭戦での勝利に徹し、引いてブロックを形成からのカウンターに徹せられると、その方が嫌かも知れません。いずれにしても大阪桐蔭としては学芸が大商に大差勝ちをしない限りは勝てば近畿大会進出決定なだけに、星勘定や前の試合の結果に関係なく、貪欲にゴールを狙いに行き、点差を広げにかかるべきかと思われます。