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城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

7月の庭・ユリとクレマチス 21.7.8 

2021-07-08 12:52:07 | バラ、クレマチス等
 最近テレビでの時代劇が少なくなって少し淋しい。そこにこんなシーンがよく出ていたのを覚えているだろうか。盗賊改め方の長官である長谷川平蔵が盆栽の松の手入れをしているシーンである。同じ池波正太郎作である剣客商売でも確か田沼意次がやはり盆栽の松を手入れしていた。この時代すなわち江戸時代では、盆栽を始め、万年青、朝顔、椿、梅などを観賞用として育てるいわば園芸文化が花開いていた。その文化は武士階級に留まらず、江戸庶民の間でも広がっていたようである。

 この本は、江戸時代後半に日本を訪れたロバート・フォーチュンによって書かれている

 上の画像の後半部に注目して欲しい。ここには「日本人の国民性の著しい特色は、庶民でも生来の花好きであることだ。花を愛する国民性が、人間の文化的レベルの高さを証明する物であるとすれば、日本の庶民は我が国の庶民と比べると、ずっと勝っているとみえる。」テレビにおける根拠なき日本人礼賛よりも余程気が利いていると思いませんか(ちなみに渡辺京二「逝きし世の面影」にも江戸時代の庶民が登場する)。そして、先ほどのフォーチュンや有名なシーボルトは、いわゆる「プラントハンター」としてヨーロッパに珍しい植物を紹介している(きっとこれが商売にもなったのであろう)。こうした中で中国や日本からヨーロッパにわたり、そこで交配された品種を私たちは園芸店で買い求め、庭などで育てていることになる(結構オランダ産が多い)。

 まずはその例をユリ、なかでも人気のある「カサブランカ」で見て見よう。ユリ属の下に、ヤマユリ、テッポウユリ、カノコユリ、スカシユリなどの亜属がある。江戸時代初期からスカシユリが栽培され、19世紀頃日本や中国からヤマユリ、カノコユリの原種がヨーロッパに紹介された。改良された中に、オリエンタル・ハイブリッドという種類があり、これはヤマユリ、カノコユリ、タモトユリなど森林のユリを交配して作ったもので、香りのある優雅で華麗な花が魅力である。「カサブランカ」はこのオリエンタルの種類で、その交配で主要な役割を果たしたのが、トカラ列島口之島(最近火山で話題になった。もともとこの付近には巨大な火山があって、その噴火は九州地方全域に及んだと推定されている「鬼界カルデラ」7300年前大噴火。)原産のタモトユリは皮肉なことに自然状態ではほぼ消滅した。

 ヤマユリ

 カノコユリ

 タモトユリ 説明にその生育していた場所が非常に急峻なところで、袂(たもと)に入れないと持ち出せないとあった
 住民が育成栽培しているようだが、かつての生育地には存在しない

 以上でカサブランカの説明は終わり、昨年11月購入したカサブランカ白2球、カサブランカ黄色1球、フロンテラ1球が順番に咲いてきたので紹介する。

 カサブランカ黄色 いよいよ咲き始める 6月27日開花



 フロンテラ カサブランカではないが、オリエンタルなので仲間? 7月1日開花

 カサブランカとフロンテラ

そして今日カサブランカの白が咲き始める。現在玄関付近はユリの香りで満たされている。


 次にユリと同じように日本や中国からヨーロッパにわたり、交配されたものとしてクレマチスがある。花が大きいものは、皆さん(特に年配の方)「テッセン」と仰る。このテッセンは花の後や冬が近づくと茎が鉄線のようになる。この状態では枯れていない(クレマチスは生育期でもこのようになることが多い。品種によっては、枯れた後から再び新芽が出てくる(この茎は切除する)場合と葉は落としたが茎は生きていて、また新たな葉が出てくる場合がある。テッセンは、原産地が中国で1661年から1671年頃日本に移入され、ヨーロッパには1776年に紹介された。現在2000種を超える交配品種があるという。

 今年始めて咲いた釣り鐘型の品種 7月1日

 2回目 7月8日

 お隣の畑の網を越えて咲いている 7月8日

 残りはその他、写真だけで紹介する。

 へメロカリス 7月1日

 同上 7月1日

 2回目に咲くイングリッシュローズ 6月30日

 同上 6月30日

2回目 クロードモネ(フレンチローズ)

 アガパンサス 大型の花だと青色系  花名が紫君子蘭となっている(確かに花の出方は似ている)  

 
コメント
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