out of curiosity #3

ブログを始めて14年目。
カメラを抱えて世界中の山に出没したい~!

ピレネー山小屋縦走 #1 ~酷暑の日本を発つ~

2018-08-09 12:54:55 | 2018 ピレネー山小屋縦走

2018年7月25日(火)
アユー小屋から望むジャントー湖とピック・ドゥ・ミディ・ドッソオ(2,884m)


 2016年8月、それはそれは久しぶりの、そして初めての撮影&登山のための海外旅行に出かけてきました。 忘れもしないフランス~イタリアでのモンブラン山群撮影旅行です。 海外での撮影と山登りで大いに刺激を受けただけでなく、20代の頃「語学習得のため海外に行きたい!」と願っていた熱が再燃したかのような衝撃も受けました。 そもそも仕事の面からも海外についての生の知識や情報があってしかるべき。 趣味の為だけの旅行でもないわけです。
だから。 「行けるうちにまた行っておこう~!!」と。(*^^)v


 で、今回はどこにするかと。 前回の旅行でモンブラン周辺のフランス~イタリア~スイス国境を歩いて回れるツール・ド・モンブランというコースがあることを知り、それに挑戦してみたい気持ちもありましたが。。。また同じようにモンブランを見るより、せっかく行くなら違う山を見てみたいという気持ちになりました。 自分の行ける日程で、まずは前回と同じアルパインツアーのサイトを見ていると、フランス~スペイン国境を歩いて超えるピレネー山脈国境越えのツアーを発見。 なんだかこれ、カッコ良いじゃん。 宿泊地や登山ルートの標高などを調べると距離、登山の標高差に問題はなさそうなものの、国境越えの最高地点 ブレッシュ・ド・ローランが 2,807m あることが判明。 標高 2,500m付近から具合が悪くなるらしいわたし、越えられるかな。。。

 けど、ツアーを申し込んだ5月ごろには「昨年2回も白馬岳(2,932m)に登れたのだから大丈夫!」という呑気な気持ちで。 が、その後6月に硫黄岳(2,760m)~横岳(2,829m)(八ヶ岳)に行くと最悪の体調になった。(^^;)
 やっぱり心配になってアルパインツアーにもう一度、登山ルートはどんなものかと電話で聞くと、今回のツアーリーダー北島さんが応対してくれて、「行者小屋から赤岳~横岳~硫黄岳をまわって下りてくるような感じですかね。」と。 「えぇぇ~っ! 私、硫黄岳と横岳だけで具合悪くなっちゃったのよ~!」とは既に言えず。。。w

 始めから不安材料抱えての旅立ちとなりました。 でもドーピング薬あるし、歩くときの呼吸法を意識して、国境さえ越えればあとは宿泊の小屋 2,200mへ下るのみ! なんとかなるさっ!


朝のドバイ空港とエミレーツ航空機

 7月23日(月) 午後7時半に成田集合は電車のラッシュもなく良かった。 成田から22時発のエミレーツ航空便で経由地ドバイへ9時間半。 ドバイでは4時間待ちでバルセロナ行きの便へ乗り継ぎ、更に6時間半のフライト。 いやぁ~、これは本当に長いです。
 が、夜の便なのでまずドバイまでは寝ました。 途中夕食と朝食がでます。 色々な所で見かけますが、エミレーツ航空のサービスや食事はとても良いです。 ドバイ空港ではエミレーツ航空提供の無料アイスクリームが配られていたりします。
 ドバイには現地時間3時ごろ着いたのだったかな? 随分寝たし元気だったのでこの待ち時間にお土産を見るか、と歩き回りました。 が、手持ちしなくてはいけないのであまり買わず。 それにしてもドバイ空港はすごい設備です。 さすがに中東最大の商業地!


 イスラム教の国なので、トイレの奥には Prayer Rooms お祈り室。 と思いましたが、ドバイはそれ程宗教に厳しくないのだそうです。
 そんなこんなで再びエミレーツ航空機に乗ってバルセロナへ。 これはなかなか寝られず。 しかし目の前のスクリーンで数えきれないほどのカテゴリーから選べる映画を見放題。 いやぁ~、どんどん進化するのね。

 しかし、バルセロナに着くころ機内の冷えか何か、急に具合が悪くなりグッタリ。 スペイン バルセロナに着いた喜びで少しはリフレッシュしましたが、バスで4時間ほどの宿泊地、ウェスカに着くころは再びグッタリで、せっかくのスペイン初夕食を頂かず、ベッドに直行。 なにしろ翌日には山小屋泊まりのトレッキングですから、なんとか治さねば。


7月25日(水) スペイン ウエスカ ~ フランス側ピレネーへ

 出だしから不穏な体調になってしまい、なおさら国境越えが心配になりましたが、具合の悪い中24日寝る前に小屋泊のザックを準備し7時過ぎには寝て、25日は無事良好な体調で起きることができました~!! 天気も上々! ほんとに良かったわぁ~!
 上は宿泊したホテル・アバ・ウエスカ。 このつづりでウエスカです。 みんなは前日夜にウエスカの古い街並みを見て歩いたようです。 すごくいい雰囲気だったって。 あ~、損した。。。(;´・ω・)


けど、朝食はヨーロッパらしくハムやチーズが豊富で、美味しくいただきました~!
夜の散歩は行けなかったけど、今日からいっぱい歩いて写真撮るぞ~!、と。


街の中を少し走るとだんだんとピレネーの山々が見えてきて、一時間半もするとすっかり山の中。
フランス~スペイン国境、ボルタレット峠近くのこのお店で休憩です。 レストランと表には野菜や果物などが売られていて、とても素敵。
飲み物を買ってトイレを借りました。


さらに40分ほど走ると、この日の登山口、フランス側ピレネーにあるビオーザルティギュエ湖に到着。
いつ国境を越えたのかまったく気づかなかった。w

今頃ですが、ザッと位置の確認。


まず、飛行機で到着したバルセロナはスペインの東北、海沿いの街、フランス国境のこんなに近く。
写真中央部に「ピレネー山脈中央部」とありますが、この辺が今回活動していたエリア。
「ガバルニー」と書かれた文字の両脇にピンク色のラインがありますが、これがフランス~スペイン国境です。
「サビニャニーゴ」の下にHUESCA「ウエスカ」の文字が見えます。


更に寄せた地図。
サビニャニーゴから北上し、少し西に寄ったところにビオーザルティギュエ湖があります。
そこから「アユー湖」に向かって歩き、アユー小屋で一泊。 翌日(7/26)は周回ルートで再びビオーザルティギュエ湖にもどります。
「アユー湖」とは一番上の写真、ジャントー湖などを含めたいくつかの湖を総称して呼ぶ名前のようです。

なお、地図東の方には「ガバルニー」「ブレッシュデローラン」「オルデサ渓谷」「トルラ」
「ガバルニー大圏谷」「トゥルモース大圏谷」が見えますが、全てこの後の旅で訪ねた場所です。

旅程は以下のような具合でした。


7/23 成田出発 PM10:00
7/24 ドバイ~バルセロナ~ウエスカ(ホテル泊)
7/25 ウエスカ~アユー小屋 
    ピオーザルティギュエ湖(1,415m)から独立岩峰ピック・デユ・ミディ・ドッソオを展望しながらアユー小屋(1,980m)までトレッキングして、一泊。 
7/26 アユー小屋~ピオーザルティギュエ湖~(バス移動)トゥルモース大圏谷(世界遺産)~ガバルニー(ホテル泊)
7/27 ガバルニー大圏谷(約 1,650m、世界遺産)ハイキング
     ガバルニーのホテルから徒歩でガバルニー大圏谷へ一日周回ハイキング(ガバルニー同ホテル泊)
7/28 ガバルニー~(バス移動)タンテ峠(2,208m)~ブレッシュ・ド・ローラン(2,807m)国境越え~ゴリッツ小屋(オルデサ渓谷源頭、2,200m)
7/29 ゴリッツ小屋~オルデサ谷(世界遺産)~登山口(シャトルバス移動)~トルラ(ホテル泊)
7/30 トルラ~(バス移動)モンセラット、修道院見学~(バス移動)バルセロナ(夜旧市街地散策後フラメンコ・ショー付き夕食)
7/31 バルセロナ半日観光(バス移動)サグラダ・ファミリアなど。 その後バルセロナの港町で地中海を眺めながらパエリア昼食。
    午後のフライトで バルセロナ~ドバイ~成田
8/1 成田着 17:25


地図が写真で見にくく、すみません。
今回 YAMAPではEU圏のレコがあげられないことがわかりました。 ちょっと残念でした。


ということで、トレッキング出発です。(11時ごろ)
フランスでもイタリアでもスペインでも、現地の方はこういうファッションが多いですね~。
海外に行ったからと言って、半そで、ショートパンツも気が引けます。
空気は乾燥し、日影に入れば冷涼なほどですが、日向の陽射しは強いですよ~。


今回、ピレネー山脈はお花の種類は豊富だが、時期的にあまり期待できないかも、
と思っていたのですが、とてもたくさん咲いていました!
見たことあるようなお花から、


見たことないようなお花から、


見たことあるけど山ではあまり見かけないようなお花まで。。。
お花はたくさん撮りすぎたので、あとでフォトチャンネルにでもまとめようと思っています。


足元を見たり、遠くの山を見たりキョロキョロしているうちに分岐に来ました。
この先で私たちは左の方に行き、翌日は右の方から帰ってきます。
そして、写真左奥に三脚を立てているのが見えますが。。。なんとこれ、奥の方の岩山に留まっているハゲワシを望遠鏡で見ているのでした。
私たちもみんな見せていただきました~!


広い牧草地を歩いてゆきます。 周りにはウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギがいっぱい!
先ほどのハゲワシは奥中央の岩山の一角にいるのですよ!
私たちはその岩山左側を巻くように登り上げ、裏側の方に向かってゆきます。


色形が特徴的で目を引く、ルリタマアザミ。


こんなに咲いていた!!


小川に来るとレイジンソウのような花。


斜度はないけど広大な草地。 少しずつ登り斜面も出てきて「どのくらい登るのかなぁ~。」と思っていたところでランチ。


photo by TL北島さん
小高い丘を登るとチーズを作っている小屋があり、そこで現地ガイドフィリップさんがチーズを買ってみんなに振舞ってくれました。
ひとつ上の写真、先頭で傘をさして歩いているのがフィリップさんです。
何でもこの傘は羊飼いの傘で、骨が木製でとても重いのですが、風がふいても壊れにくいのだそうです。
羊飼いの人が日影の無い草原で休憩するときに使うのですが、大きい傘はシープドッグたちも入るため、だそうです。
フィリップさんはいつもこの傘を持って登山されているようです。


ホテル・アバが用意してくれたサンドウィッチとリンゴ。 お湯もいただけたのでインスタントコーヒー。
これにフレッシュチーズで最高のお昼ご飯!
チーズやハムが美味しいので、本当に美味しいんですよ~。


さて、出発しましょう~!
ウシさんもこんな斜面でお食事ちぅ。w アヤメ(ピレネーアイリス?)があちこちに咲いています~!


だんだん動物との距離が近づいてくる感じ。w


振り返るとこれまた良い景色。
そしてこちらが今回のツアーリーダー北島さんです。 優しくて、イクメン、植物にとても詳しいリーダーです。
こんなに華奢な感じですが、オリエンテーリング世界大会にも出場経験があるとか。
ちょくちょく写真も撮られるので、私も心置きなく撮影できました。 これは本当にありがたかった~!
前回は写真撮影に特出されている鈴木さん、今回は植物博士の北島さん。 ツアーリーダーに恵まれました!


登りがきつくなってきて、思いのほかあの岩山を回るのも遠く見えてきた。
16:30 前にはアユー小屋到着の予定だから、あと3時間も歩くの!? 結構あるね。(;^ω^)

つづく


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2 コメント

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Unknown (モモクリ)
2018-08-09 19:06:17
すごい!一枚目の画像、見た瞬間絵画に見えました。
雲もどこかヨーロッパ風に見えたりして、絶景ですね。
返信する
モモクリさん (Layla)
2018-08-10 00:36:14
雲がヨーロッパ風?
正真正銘ヨーロッパの雲ですからね。w
雲でガッカリしていましたが、山が見えてきて湖面に映り、いい具合になりました。
返信する

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