② いやおうなしに資本主義国との対比が試される
「第2の角度は、”社会主義をめざす国ぐに”が、社会の発展段階ではなお途上国に属しながらも、世界の政治と経済に占める比重は、年々大きくなるもとで、いやおうなしに資本主義国との対比が試されるようになるということである」
「『人民が主人公』という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか。 経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題になっているか」
「人権と自由の拡大にむけて、自身が認めた国際規範にそくした努力がなされているか」
「国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか」
「核兵器廃絶、地球温暖化などの人類的課題の解決にどれだけ積極的役割をはたしているか」
「覇権主義という点でいえば、レーニンが、勝利したソビエト・ロシアが周辺国との関係で大国主義的な態度に陥ることを、どれなにきびしく戒めたかかも、想起されなければならない重要な問題である」
「私たちは、これらの問題について、中国やベトナム、キューバが、資本主義国との対比において、『社会主義をめざす新しい探究が開始』された国ならではの先駆性を発揮することを心から願うものである」
そして、次のように指摘しています。
「中国、ベトナム、キューバが抱える『政治上、経済上の未解決の問題』は、根本的には、これらの国の革命が、経済的・社会的・政治的に発達の遅れた状態から出発したことと不可分に結びついている」
「中国やベトナムはそれに加えて、外国帝国主義による侵略戦争で国土が荒廃させられたところからの出発という問題があったし、キューバには長年にわたる米国による無法な経済封鎖という問題がある」
キューバに対する米国の経済封鎖の解除を求める今年の国連総会での決議は、賛成191カ国、反対は米国とイスラエルの2カ国のみでした。