昨日の「しんぶん赤旗」に、東京大学・東北大学名誉教授(憲法学)の樋口陽一さんのインタビュー記事が掲載されました。
樋口さんは、「今年の憲法記念日のキーワードを”保守”といいたいと思います。 戦前、戦後の日本の歴史の中で培ってきた、立憲主義、民主主義、平和主義など普遍性のある価値を守るという意味です。 「あえて、”保守”と言わなければならないほどの危機だということです」
「安倍政権は、憲法破壊に象徴されるように社会構造を破壊しようとしています。 それは世界がさまざまな苦難を経ながら作り上げてきた憲法というだけでなく、世界の構造そのものという意味でconstitution(構造)を壊そうとしている」と指摘しています。
日本共産党綱領は、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」ことを国民に明確に約束しています。
また。樋口さんが、「戦前、戦後」を一体で論じていることに注目させられました。
綱領は、日本共産党の戦前の活動について、次のように述べています。
「他のすべての政党が侵略と戦争、反動の流れに合流するなかで、日本共産党が平和と民主主義の旗を掲げて不屈にたたかい続けたことは、日本の平和と民主主義の事業にとって不滅の意義をもった」
「ファシズムと軍国主義の日独伊三国同盟が世界的に敗退するなかで、一九四五年八月、日本帝国主義は敗北し、日本政府はポツダム宣言を受諾した。 反ファッショ連合国によるこの宣言は、軍国主義の除去と民主主義の確立を具体的内容としたもので、日本国民が進むべき道は、平和で民主的な日本の実現にこそあることを示した。 これは、党が不屈に掲げてきた方針が基本的にただしかったことを、証明したものであった」
政党以外で、個人で、様々な分野で、戦前日本の平和と民主主義のために活動した記録がいろいろあります。 そうした運動が合流し、戦後、現憲法を実現する力になり、今日に引き継がれているのではないでしょうか。
日本共産党は先月、第五回中央委員会総会を開き、安倍政権によって、「日本社会は、戦後もっとも深刻な、権力者による憲法破壊ーー独裁政治に道を開く非常事態に直面しています」と分析し、 こうした非常事態に、多くの人々が主権者として、自覚を持って立ち上がっていることを何よりも重要だと考えています。
同総会報告は、「昨年から今年にかけて日本で起こっているうねりは、日本の歴史でも初めての市民革命的な動きの始まりにほかなりません。 それは、前途に紆余曲折があったとしても、必ず新しい政治を生み出す力となって働くことは疑いありません」と強調していいます。