宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「米国と中国の体制的矛盾が噴き出し、対立が深刻に」- 志位氏の「98周年記念講演」より

2020年07月25日 | 未来社会へのプロセス

「米国のポンぺオ国務長官は23日の対中政策演説で、中国共産党政権を厳しく批判し、『変革』を強く迫った。トランプ政権が批判の矛先を、中国・習近平政権が決して受け入れられない共産党体制そのものに向けたことで、米中関係の対立が更に激化するのは必至だ」(「読売」紙25日付)

 志位氏は、「98周年記念講演」で、米中対立の深刻化について次のように述べています。以下、「ポンぺオ演説」を検討する上で参考になるのではないかと考え、要旨を紹介させていただきます。

「いま重大なのは、パンデミックのなかで、米国と中国の体制的な矛盾が噴き出し、両者の対立が深刻になっていることであります」

【米国・トランプ政権ー『自国第1主義』で国際協力に背を向ける】

「世界最大の資本主義大国であるアメリカ・トランプ政権は、『自国第1主義』の立場にたち、国際的な協力によってパンデミックを克服する取り組みに背を向けています。とりわけWHOからの脱退を通知したことは、国際協力に大きな障害をもちこむとともに、アメリカへの信頼を失墜させています」

「WHOの新型コロナへの対応に検証すべき問題点があったとしても、それを国際協力を強めるという立場で行われるべきであって、脱退という選択は愚かというほかありません」

「くわえて構造的な黒人差別が、コロナ危機のもとで重大問題となっています。警官によるジョージ・フロイド氏の暴行死事件に対し、米国内外で激しい怒りが広がりましたが、トランプ大統領のとった態度は、差別根絶と社会結束をめざすどころか、分断と対立をあおるというものでした」

「4月2日に採択された新型コロナウイルスに関する国連総会決議は、次ぎのようにのべています。『人権の完全な尊重の必要性を強調し、いかなる形態の差別、人種差別、排外主義もパンデミック対応ではあってはならない』。これが世界の総意であります。米国・トランプ政権の態度は、この国連総会決議の精神に反するものであり、国際協力にとって重大な障害をもたらすものにほかなりません。私は、トランプ政権に対し、WHOからの脱退の決定を撤回することを、強く求めるものであります」

【中国ー人権侵害と覇権主義という体制的問題点がむき出しになった】

「第2の経済大国である中国は、人権侵害と覇権主義という体制的問題点が、パンデミックを通じてむき出しになりました。コロナ対応の初動の遅れは、人権の欠如という体制の問題点と深く結びついたものでした。1月初旬までに、武漢の研究所は、遺伝子の配列を解読し、報告書を提出しましたが、中央政府は許可なく情報を公表することを禁じました」

「人命に関わることと、やむにやまれず警鐘を鳴らした何人もの医師、ジャーナリストが『デマ拡散者』として弾圧されました。情報を隠蔽したまま、1月中旬には、武漢で数万人規模の行事を行うとともに、『春節』によって大規模な人の移動を許しました。これらが感染を国内外に拡散する結果となったことは明らかであり、その責任は重いものがあります」~中略~

「中国が、『香港国家安全維持法』を強行したことは、香港の市民的、政治的自由、人権と民主主義を乱暴に抑圧し、『1国2制度』の国際公約に真っ向から反する暴挙であり、パンデミック収束に向けた国際協力にも障害をもちこむものにほかなりません。日本共産党は、重ねて厳重に抗議し、その撤回を強く求めます」

「さらに、中国が、東シナ海や南シナ海での力による現状変更をめざす覇権主義的行動を、パンデミックのもとでも抑制するどころか、エスカレートさせていることも、断じて容認できません」

「日本共産党がめざす社会主義・共産主義とは、人間の自由、人間の解放を、大目標としています。私は、1月の第28回党大会の綱領一部改定報告で、『中国の党は、社会主義、共産党を名乗っていますが、その大国主義・覇権主義、人権侵害の行動は、社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しません』と指摘しました。コロナ危機のもとでの中国の無法と横暴を踏まえ、私は、この指摘を、重ねて強調しておきたいと思うのであります」

 

 


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