「資本論」新版刊行について、不破氏(日本共産党社会科学研究所長)は、8月18日付、「しんぶん赤旗」掲載の討論(不破氏、萩原氏、山口氏)で、不破氏は次のように語っています。
不破 「『資本論』の親書版は1982年から89年に刊行しましたが、それ以来30年たちます。 この間に『資本論』の諸草稿がすべて刊行され、日本語訳の刊行もすすみました。 また、エンゲルスの編集上の問題点も明らかになり、その解決を含め、新しい内容をもった新たな版を準備する条件が整ったのです」
「新版では、これらの問題点の解明とマルクスの学説の到達点を明確にすることに特別の力を入れました」
大変、興味深い対談が紹介されていますが、2003~2004年の党綱領改定に関わる、不破氏の発言を紹介します。
不破 「諸草稿を読むと、ここでの未来社会論は、マルクスが最初の経済学草稿『1857~58年草稿』にとりかかった最初のときから、すべての人間が自分の意のままに活用できる『自由』な時間をもつことに、未来社会の根本問題があるとして、その展望を発展的に展開してきたことがわかります」
「第三部第七篇には、その到達点が、『自由の国』と『必然性の国』という印象的な言葉を使って展開されています。 この一節は、現行版では、『三位一体的定式』という俗流経済学の滑稽な図式批判の文書のなかに埋め込まれていて、未来社会論がそこにあるとは、多くの方が気がつかなかったのではないか」
「草稿では、[ ](角カッコ)つきで書かれた一節ですが、これは、マルクスが、文賞を書いている地点の主題とは別個の問題をそこに書き込むときに使う方式なのです。 エンゲルスも、この文章の意義を読み取っていたら、第七篇の冒頭の角カッコつきで書かれた未来社会論を、俗流経済学批判のなかに埋没させることはしなかったと思います」
「私たちは、2003~04年の党綱領改定のさいに、マルクスのこの解明に注目し、人間の全面的な発達をはかる『自由な時間』をつくりだすことを、未来社会における人間生活の変化の最大のものと意義づけました」
新判「資本論」刊行記念講演会が、9月20日(金)午後5時半開場、午後7時~9時、東京・四谷区民ホールで開かれます。
第1分冊の到着を楽しみにしています。
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