志位委員長のインタビューの意味を考えてきました。 「インタビュー」記事で、私が、注目させられたことのなかに、「日朝平壌宣言」に対する評価がありました。
「日本政府は何をなすべきか」の項で、志位氏は次のように語っています。
「経過はどうあれ、その道を選択したのなら、私は、日朝首脳会談の実現も含めて、対話による問題解決のための真剣な努力を行うことを強く求めたいと思います」
「そのさい、日本はすでに最良の指針をもっています。 それは日朝平壌宣言(2002年)です。 日朝平壌宣言の考え方というのは、核・ミサイル、拉致、過去の清算など両国間の諸懸案を包括的に解決して国交正常化に進もうというものです」
「包括的解決とは何か。 交渉にあたって『諸懸案に優先順位をつけない』とうことです。 日本が『拉致問題は最優先』だといい、北朝鮮は『過去の清算が最優先』だといい、お互いに優先順位をつけて、それを相手に認めさせようとしたら、交渉のテーブルにつけません」
「どれも大事な問題なのですが、優先順位をつけないで、すべてをテーブルの上にのせてワンパッケージで解決する。 この考え方でまとめたものが、日朝平壌宣言です。 ここには外交の英知が働いています」
「拉致問題は、日本国民にとってたいへん重要な問題ですが、こうした立場で取り組んでこそ拉致問題の解決の道も開かれうると思います」
「日朝平壌宣言には、もう一つ大事な問題が書かれています。 それは宣言の第4項に明記されている『北東アジア地域の平和と安定』のために『互いに協力していく』ということです」
「両国間の諸懸案を解決するとともに、さらに、北東アジア地域の平和と安定のために努力しましょうという合意なのです。 ですから私は、日本政府として、今後、外交交渉に乗り出す際に、『北東アジアの平和体制をどうやって構築していくのか』ということについても、主体的な外交ビジョンをもってのぞむ必要があると思います」
「この点でも、日朝平壌宣言を指針にしていくことが大切です」
日本共産党は、「日朝平壌宣言」について、「重要な前進の一歩」と歓迎の立場を明らかにしてきました。
今回の志位氏の発言は、この立場を、全面的に発展させた”新たな見解”ではないかと、受け止めています。
日本の主体的な外交の確立が大きな課題になっています。 日米軍事同盟のなかで、アメリカによる国家的従属状態にあるなかでも、”主権国家としての本来の外交”をめざしてきた”歴史的事実”に光をあて、蘇らせ、指針にする価値がる意義を明らかにしたことはは大変重要なことではないでしょうか。
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