今朝の「AFP=時事」の報道では、「世界の新型コロナウイルスの死者は20万人を超え、うち9割近くが欧州と米国となっていいる」という深刻な事態です。日本も死者が韓国を上回る事態です。医療崩壊をくい止めることを最優先に国民、市民の暮らし・営業を守る取り組みに政府、与野党一体の総力を挙げた取り組みを引き続き強く求めていきます。
「読売」紙26日付に、アメリカのノーベル経済学賞を受賞した経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏(77)のインタビュー記事が掲載されました。大変興味深く読まさせていただきました。まず、同記事の最後の部分を紹介させていただきたいと思います。
「疫病・災害・気候変動などの危機から国民を守り、社会全体に奉仕するのは本来、政府です。無数の利己心を程よく調整し、社会を秩序立てる『見えざる手』は結局、市場には存在しない。政府を強くし、市場に適切な規制をかけ、政府・市場・市民社会が均衡関係を保つような資本主義が望ましいと私は考えます。『進歩資本主義』と名付け、新自由主義路線からの転換を提唱しています」
「歴史を振り返ってみましょう。18世紀末までの数百年間、人類の生活水準はおおむね一定でした。その後、欧米で変化が起こり、暮らし向きが劇的に良くなります。その原動力は産業革命ですが、それまでの農業経済を主体とした単純な市場に代わり、様々な生産活動が出現して、複数の市場が生まれます」
「多くの協業と調整が必要になってくる。個ではなく集団としての行動が必要になる。併せて規制が必要になる。つまり政府が重要になるのです」
「そして、西欧の啓蒙思想に根ざした三権分立の民主制の下で、協業と調整に適した社会の仕組みが次第に出来上がります。その典型例は1776年に英国から独立した、米国の民主制です」
「米国の発展の根幹にあったのは科学を重視する精神です。科学によって、私たちは周りの世界を理解し、私たち自身を理解し、社会を進歩させてきたのです。政府は科学に投資し、創造と刷新を後押ししてきました。重要な発見や発明のほとんどは政府の支援の成果といえます。20世紀の大発見である、遺伝子の本体・DNAの発見もそうです」
「冒頭に言及したように、トランプ氏は科学に信を置かず、コロナ禍への対処を誤りました。ただ、これは同氏が特殊なのではなく、科学を軽視し、科学費の削減を主張する右翼思想が台頭してきていることの反映です」
「眼前の危機で人々は科学の重要性に目を開きました。克服の要はウイルスを特定し、治療薬とワクチンを開発する科学の力です。私たちは科学を重視し、政府を重視し、市場のあり方を根本的に見直した、新たな秩序作りに向かうと私は考えます」
「それは、一握りの国や人ではなく皆が富を共有でるような、新たなグローバル化の模索であるはずです」
同氏は、インタビューの前段部分で、「全く過ちです。新自由主義の名の下に富裕層が強欲な利己主義を発揮しただけです」など厳しく、「新自由主義、規制緩和政策」などを批判しています。
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